友人キャラは大変ですか? 3 (ガガガ文庫)

【友人キャラは大変ですか? 3】 伊達康/紅緒 ガガガ文庫

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その結婚、待った!!

俺の名は小林一郎。本物の主人公・火乃森龍牙の親友だ。

【第二部】終了後、唐突に持ち上がった蒼ヶ崎さんの縁談。

相手の名は、月見里(やまなし)朝雄(あさお)――通称「アーサー王」。央明高校の現生徒会長にして、巨大な剣術道場の跡取りらしい。
たいそうな設定だが、こっちは世界を救うメインキャラ、それもヒロイン三巨頭の筆頭・蒼ヶ崎怜である。釣り合わないにもほどがある。
だというのにこの野郎、

「いいかい怜、道場経営とはビジネスなんだ」
「今のままでは、蒼ヶ崎道場に未来はない。」
「女だてらに今より強くなってどうする?」

ゲストキャラのくせに調子こきやがって……メインキャラへの無礼千万、お天道さんが許してもこの小林一郎が許さねぇ!
当然のごとく結婚阻止に動く俺たちだったが、道場vs道場のごたごたに巻きこまれることになり――?
サブストーリーは突然に、大人気助演ラブコメ第3弾!

第三部からは本編から少し外れてヒロインたちにスポットがあたる番外編だー、と嘯く一郎だけれど、当人も半ば覚悟していたとおり、そんなサブシナリオで話が収まるはずがなく。あっちゃこっちゃに話が飛び火し拡散していき、案の定一郎のシナリオコントロール下から逸脱していってしまうのである。
もうこの期に及んで、まだ龍牙のモブ友達ポディションに戻りたい、とあがいているあたり往生際が悪すぎるのだけれど、時折訪れる一般人の親友ポディションとして振る舞えるチャンスのときの一郎のハッチャケっぷりというか、あのノリノリで演じている楽しそうな様子を見ていると無駄とは知りつつも、まあ頑張れと思ってしまわないでもないのである。
まあ無駄なんだけれどね。
一郎くん、ちゃんと自分が人を自分が当てはめた役回りで見てしまって、その人自身を見ていない時がある悪癖について、ちゃんと自覚している上に、いざとなると自分の願望は後回しにしてその時の最良の選択、敵味方を問わず窮地や理不尽な状況に追い込まれた時には、それを覆す行動を取ってしまう以上、どうやったってモブで居られるはずがないのよね。その意味では、龍牙はともかくとして、怜さんたち本来のヒロイン衆も男を見る目はあるんだよなあ。とはいえ、やっぱり一番一郎のヒロイン適性が高いのって、キャラ的にも立場的にも魅怨が圧倒的なんですよね。登場したときの二巻での出っ端特有のインパクトに収まらず、この3巻でも一番美味しい立ち回りしていたのって、魅怨ですからねえ。怜さんの好敵手という役回りといい、一郎の家族、殆ど嫁みたいな現状といい、圧倒的なんですよ(二回目)。三姫+てっちゃんとの家族なやり取りが馴染みすぎていて、横入り不可能なんじゃないだろうか。
これまで懸案だった、龍牙が実は女の子なんだけれどヒロインたちはそれを知らない、といういびつな状況にも今回盛大に穴があけられましたし、むしろ怜さんに龍牙の女の子バレとなったあとの二人の距離感の急激な接近、一気に仲の良い女友達になれたのを見ると、他の二人にも早いところ教えた方がこの正義のミカタチームってしっくりするんじゃないだろうか。今のところ、どうしても龍牙と他のヒロインたちに秘密が介在する分、距離感がありましたからねえ。
しかし龍牙、この娘褒められなれてないというか、無邪気に好意を向けられることに慣れてないのか、姿形は一郎そのものとはいえ、ちゃんとトウテツとわかっている相手に積極的にアプローチされて、案外まんざらでもなさそうな対応だったの、この娘チョロすぎて心配である! でも、トウテツと龍牙って、好きな相手への誰かクビにリードつけて捕まえとけよ、と言いたくなるような狂奔っぷりを見ていると、わりと同類なんですよね。実は相性いいんじゃないだろうか。双方向になったら、とんでもないバカップルになりそうなんだけれど。

さすがに今回は魔神は登場しなかったものの、既にキュウキは復活して暗躍しているということなので、次回は早速それがらみの暗謀絡みの話になるのかしら。なんかもう既に一人、圧倒的に怪しいのがいるんですよね。肝心な時にいつも用事があっていないあの人とか……w

1巻 2巻感想