<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突 (HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突】 海道左近/タイキ HJ文庫

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決闘都市ギデオンの闘技場で開催されるイベント『超級激突』。人知を超えた能力を持つ<超級>同士のバトルを間近で見ることができるこの大祭に向けて、町中がお祭り騒ぎとなっていた。
アルター王国決闘ランキング1位“無限連鎖"フィガロVS.黄河帝国決闘ランキング2位“応龍"迅羽。知り合いであるフィガロの応援もあり、闘技場へと足を運んでいたレイたちだが、
この大祭の水面下ではある企みが進行していて――。超人気VRMMOファンタジー、大興奮の第3巻!
主人公そっちのけで、その他のキャラクターの描写に没頭できる、というのはウェブ小説から書籍化した作品の特権ですなあ。これ、最初から描き下ろしだとまずそういう手順を踏めるようになるにはシリーズ二桁巻数くらい続かないと難しいだろうし。もちろん、打ち切りにならないくらいの売れ筋作品でないと、ウェブ小説からでも難しいんだろうけれど。
表紙絵もなかなか面白くて、格闘イベントの観戦席なんですよね。この構図は好きだなあ。熊兄の存在感w
いやそれよりも手前の「記者」マリーさんがえらいカッコイイというかスタイリッシュにキメた格好なんですけれど、これいいのか!? いや、記者の時のマリーさんって野暮ったいとは言わないけれど普通に派手でもない動きやすそうな記者らしい格好だと思ってたので。
今回、本編もそこそこに後半にはルーク・ホームズとマリー・アドラー。二人の仲間の中編が載ってるのだけれど、これ読んでる限りだとルークとマリーって別にレイを抜きにしてもそれぞれ個人で主人公張れるくらいキャラ作り込まれてるんですよねえ。特にルークなんか、レイとはまったく別路線で主人公やってもおかしくないくらい。どうもリアルの方でもよっぽど変な身の上というか事情を抱えているみたいで、単なるビーストテイマーじゃなく女衒なんていうわけのわからないクラスを引き当てただけあってか、とにかくバックグラウンドが奇天烈極まる。
一方でマリー・アドラーの方ときたらこれはこれでまたぶっ飛んでいて、ルークみたいに謎まみれではなく今回の中編で殆ど洗いざらいぶちまけてくれたのだけれど、その中身がまたとんでもない代物で、ってかマリーさんそういう方向で爆弾持ってる人だとは露ほども想像してなかったよ!! 最初のボス戦で同行したのだって、本当に行きずりみたいな感じだったので密かに切れ者っぽいなあ、とはそのふるまいから感じてはいたものの、そこまで重要なキャラだとは思ってなかったし。フィガロ・迅羽戦での熊兄ちゃんと似たような反応してたのだって、記者って職業何気に凄いのかー、みたいにしか思ってなかった自分!!
いやでも、この人はこの人でプレイスタイルがカッコイイんですよねえ。秘密の抱え方も、こう子供心を擽るというか童心をワクワクさせるというか、中二病を滾らせるというか、やっぱりかんだ好きなのよさー。その使い分けかたも、立ち居振る舞いのやり方を心得ているというか、さすがはリアルの職業がアレな人なだけあって、演出というものを心得てますがなー。
ちびっこ第二王女との、ローマの休日ごっこでの振る舞いも粋でありつつ、闇側の必殺仕事人的なロールプレイも完璧でしたし、マリーさん一気に好きになってしまいました。スピンオフとは言わないまでも、今回みたいにどんどんサブキャラの中編を差し込んでくるのって、こうしてみると悪くないかも。思ってた以上に楽しかった。

それで、本編の方はというと、メインはフィガロと迅羽の興行的大決闘。どうだろう、超級と呼ばれる頂きに類するプレイヤー同士の闘争というだけあって、隔絶はしていたもののレイたちのジャイアントキリングな、そして決して負けられない理由を背に戦い抜いた二回のボス戦に比べるとやっぱり興行なだけあってそこそこの盛り上がりだった、くらいかなあ。それぞれ、趣向を凝らしていた戦いではあったものの、それに魅せられたかというといささか……。
ってかさ、フィガロの奥の手ってあれじゃないの? 女性キャラがやるならともかく、男キャラがやることのガッカリ感というかそうじゃない感というか、男じゃんと言いたくなるあれこれとかww
それやるなら女性キャラだろ!! と言いたかったのよ……泣ける。

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