ナイツ&マジック 8 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 8】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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穢れの獣による襲撃から飛空船団を護り、ボキューズ大森海に墜ちたエルネスティとアデルトルート。
森に暮らす巨人族――カエルレウス氏族と出会った彼らはやがて、巨人族の間で起こる戦いの流れに飲み込まれていった。一方の銀鳳騎士団は飛空船団を再編成、森の奥深くを目指して進む。騎士団長を探す彼らの行動は森に様々な影響を及ぼしてゆき、ついに巨人族が最大氏族であるルーベル氏族が動き出すに至った。
圧倒的な力、さらに穢れの獣を引き連れたルーベル氏族の暴虐に立ち向かうため、エルたちは各氏族を糾合し諸氏族連合軍の立ち上げを計画する。小魔導師とともに空を行く二人は、道の途中で銀鳳騎士団と合流。その協力をもってついに諸氏族連合軍の結成を成し遂げたのだった。
銀鳳騎士団とエルくんとの再会、劇的なものになるのかと思ったら、全然別の意味で劇的だったよ!!
なんで、連絡手段が無いからって銀鳳騎士団の飛空船団を襲撃するんですか、このエルくんは!?
エルくんの方から攻撃しない、というのは良心的と言っていいんだろうかこれ。でも、森の奥深くまでわざわざ探しに来た団長様に襲われるとか、普通は思わんよなあ。ってかね、連絡手段がなかろうが、手振り身振りで意思の疎通を図ろうとか出来なくもないだろうに、嬉々として自分の騎士団と本気でやりあえるのってワクワクしましね、と突っ込んでいくこの銀髪、相変わらずぶっ飛んでイカレてる。
でも、そう言えばエドガーたち今の中隊長クラスの面々とエルくん、実際に剣を交えるようなことはしてないんですよね。学生時代からこっち、ずっと仲間としてやってきましたしねえ。昔と比べて、エドガーもディー先輩も別次元と言っていいくらい腕を上げているのを思えば、いっぺん本気でやってみたい、というエルくんのロボット脳も気持ちわからなくはない。
まあ銀鳳騎士団の連中も朱に交われば赤くなるじゃないけれど、完全にエルくんとベクトル一緒の頭おかしい集団になっちゃってるわけで。いきなり襲い掛かってきたエルくんの正体もすぐに察するし、襲われたこと自体みんな全然気にもしないし、いや普通もうちょっと怒るよ? なんか、当たり前みたいに受け入れちゃってるけれど、誰か叱らないの?! ダメだ、作品始まって以来、エルくんにはストッパー役って居た試しないんだった、そう言えば。
毎度おなじみやりたい放題である。
巨人編では、そのやりたい放題にも物資面などの制約もあり、さらに相方がアディしかいないという状況でけっこう不自由していたのだけれど、銀鳳騎士団と合流してしまうともう手がつけられないありさまに。こうしてみると、銀鳳騎士団ってエルくんにとってもなくてはならない存在になっているのがよく分かる。やりたい放題やるにも、必要なものはたくさんあるんですよね。それを、銀鳳騎士団はあらゆる面で、物資面でも支援体制としても戦力としても、一緒にはしゃいで大騒ぎする同類としても完全に賄い切ってるのよねえ。
まさに、銀鳳騎士団あってこそのパーフェクト・エルくんなのである。
これが西方諸国の標準的騎士団、と勘違いされてしまうと、西方諸国みんな大迷惑なんでしょうけれど。巨人同士の大戦争というさなかに喜々として飛び込んで、引っ掻き回して、大暴れして、色んな意味で全壊させていく銀鳳騎士団諸氏。
だから、騎士団規模でエルくんレベルの「やりたい放題」を当のエルくんと一緒にやらかしたら、えらいことになるって、というのを本国の手の届かないこの辺境でやってしまってる彼ら、いい具合に頭おかしいです。エドガー隊長、確か良識派だったはずなんだけれど、銀鳳騎士団での常識がもう染み込んでしまってて、何が変かわからなくなってないだろうか、このヒトもw

肝心のロボット。シルエットナイトも、一度大破してしまったイカルガを親方が予備機持ってきてくれたお陰で復活。ただ復活で済まないのがまたエルくんで。
合体だ!! ロボットらしくついに合体モードが登場してしまったぞ!! イカルガで到達点ではなく、さらにその先が出来てしまったのって、相当に恐ろしいんですが。
巨人族の新入騎士団員まで加えての凱旋というオマケつき。帰っていたエルくんたちを迎える王国の人たちの仰天っぷりが容易に想像できるんですが。って、エルくんの故国たるフレメヴィーラ王国なら、もうこれくらい慣れっこですか。あの国も相当おかしいなあ、うん。

シリーズ感想