勇者のセガレ2 (電撃文庫)

【勇者のセガレ 2】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫

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高校3年生になって一発目のテストで、まさかの赤点を3つもとってしまった剣崎康雄。原因は異世界の危機を救うための勇者修行とあって、康雄を指導する魔導機士ディアナは責任を感じ家を出ると主張。剣崎家ではまたしても緊迫の家族会議が開催されることに。
そんな康雄たちの前に、異世界からの新たな使者、ハリーヤが現れる。ディアナの上司だという銀髪美女は康雄の勇者修行に反対で、学校にまで追いかけてくる始末。追試の勉強もままならない中、ディアナとの関係を誤解した同級生の翔子ともギクシャクしたままで……。
異世界を救う前に康雄の追試が大ピンチ!? 一体どうなる庶民派ファンタジー!
あ、そうかー。そういうことだったのか。勇者の子供でしかも男の子で、そんでもって親父の代わりになる、て宣言したからヤスくんも剣と魔法で戦う二代目勇者になるものだと思い込んでたんだけれど。いや、これに関してはヤスくん当人や周りも基本その路線で考えていたからそれにつられてたのもあるんだろうけれど、彼の能力って客観的に見ると勇者じゃなくて「聖女」系統なんだ、これ。しかも、自分で戦うタイプじゃない戦闘能力が皆無なタイプの。
でも、ハリーヤさんに真っ向からダメ出しくらったように、伝説の勇者の代わりとして異世界に赴くにはヤスくんはあまりにも力不足であり、政治的にも無力すぎて向こうに行っても当人にとってもあちら側の世界にとっても不幸な結果にしかならない、というのは至極まっとうな意見で否定のしようがなかったのですけれど、もしヤスくんの持ってた能力が件の通りなら、伝説の勇者の代理ではなく、まさしくヤスくんの力が求められる事態であるんですよね。ぶっちゃけ、あの「シィ」という存在の異質さは往年の勇者の力であっても圧倒は出来たとしても果たして「噛み合う」のか、と疑問符が浮かぶところでありますし。
でも、歌で死霊を浄化する聖女さまが男、というのはちょっとビジュアル的にどうなのよ、という状況でもあるのですが。ヤスくんがカリスマ歌手とかロックバンドのボーカルとか演歌の若手ホープとかだったら、それはそれで、なのだけれど。
それから、ちょっと勉強が疎かになってたからって、三年生にもなっていてテストで3つも赤点、っていくらなんでも普段から授業に身が入ってなかったとしか思えないなあ、あかんぞヤスくん。いくら使い回しとはいえ、追試で90点以上取れてるんだから、出来ないってわけじゃないんだし。
と、ここで翔子がこんな形で深く絡んでくるとは思わんかったなあ。ぶっちゃけ、彼女クラスメイトでもないし、中学時代の同級生ってだけですごい縁が薄いんですよね。そこに昔お互いちょっと気になってた、みたいな関係があったとしても、そもそも友人とすら言えなかった関係だったというのはやはり弱い。もうちょっと以前からの交流が深くないと、なんかぽっと出の印象が拭い去れないままなんですよねえ。ここから巻き返せるのか、というところなんだけれど、それならもうちょっとディアナとの関係の方を踏み込んでいった方がちとどこもかしこもが中途半端になりかねないんじゃ、といささか心配でもあるわけです。
普通にディアナ、スポットがあたると世間知らずなところも含めて非常に可愛い反応が多いだけに、もっと彼女に重点あてて攻めていってくれた方が好みではあるのですけれど。
ともあれ、向こうに行く行かないもはっきりしないし、シィの正体や黒幕も匂わされつつも、こっちの日本でどれだけ真相に踏み込んでいけるのか、これからどう転がしていくのやら。
いい加減、剣崎家のマイホームが破壊されると、世間的にもやばいんですけど。家の修復って、簡単じゃないんですからね! 次の巻になったら直ってる、ってなわけにはいかないでしょうし、ドアくらいならともかく。
あと、出費!!

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