ガチャにゆだねる異世界廃人生活 (ファンタジア文庫)

【ガチャにゆだねる異世界廃人生活】 時野洋輔/紅緒 富士見ファンタジア文庫

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ソシャゲガチャをこよなく愛する俺、来宮廻はスキルやアイテムが当たるガチャ能力を手に、異世界への転生を果たした。レアアイテムでの悠々自適ライフを期待していたんだけど、出るのは「たこ焼き1ヶ月分」や「土下座スキル」みたいなハズレばっかりで…こんなの異世界で役に立つワケないだろぉ!!しかも「町まで案内しなさい!お金は払うからお願いします!」迷子のポンコツ盗賊少女と出会ったことから、伝説の魔物退治やら、次々と面倒事に巻き込まれて!?―でも信じてる。全力でガチャりまくれば、いつかはSSRで理想の生活が出来るってな。ガチャ運任せの異世界物語、回転開始!
一番役に立っているスキル、土下座かよ! 昨今、土下座の威力に対する各業界の認識が軒並みうなぎ登りで、目を見張らんばかりである。こうなってくると、普通の土下座では個性が足りずに存在感として物足りなくなってくるんですよね。もっと中二病的な要素は攻撃の必殺技とか字名とかだけではなく、いかに凄まじい土下座を決めるかの方に発揮されてくれはしないだろうか、と思う今日このごろである。
単に効果の数字的ステータスがあがってるだけじゃあ、どうも絵面としてあまりインパクトがないのよねえ。
ひたすらポンコツでヒロインとしてどうなんだろう、というヒロイン力が非常に残念だけれどネタキャラ要員としては非常に優秀な仲間たちを引き連れての、これまた特に能力もないけれどノリと勢いでなんとなく突き進む、「このすば」型と言ったら最近では一番わかりやすいか、というタイプの作品である。その手の作品としては、軽快さが実に心地よくてこのサクサク読める感は意外と簡単そうでも、軽すぎて歯ごたえがなかったり色々と滑ってたりと決して簡単ではないんですよね。その点、この作品はキャラクターのポンコツ具合が実にボケボケしていて、ノリのテンポもよく面白い。キャラの濃さの方はまだ出たてだからこそ印象として焼き付いていないけれど、シリーズが続いていけば厚みが増してくるものなので最初はこんなもんなんじゃないかと。
ただ肝心のガチャがねえ。
なんか、わりとポンポンと有用で展開上必要だったりするものが都合良く出てきてしまうので、完全運任せのガチャ感があんまりないんですよね。出てくるものを作者がストーリー展開に合わせて出している、という感じがしてしまって。
いっそ、本当に「ガチャ」して出るものを選ぶようにしてしまえば、迷走感も出て面白そうだったのに、と言ってしまうのは過酷に過ぎるだろうか。話作る難易度が半端なくなってしまうだけに。
あと、生涯お付き合いするガチャだろうに、枠が1000しかないというのは一年経たずに飽きるかコンプしてしまうんじゃなかろうか。あのペースだと。そのへんはアップデートでどうにかするんだろうけれど。