<Infinit Dendorogram>ーインフィニット・デンドログラム-4.フランクリンのゲーム (HJ文庫)

ーインフィニット・デンドログラム- 4.フランクリンのゲーム】 海道左近/ タイキ HJ文庫

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ギデオンで行われた“超級激突”。その決着の瞬間に現れた白衣の男・“大教授”フランクリンは、アルター王国をも揺るがすゲームの開始を宣言した。町中に溢れだした大量のモンスター、闘技場に閉じ込められた上級プレイヤーたち。王国滅亡に王手のかかったこの状況を打開すべく、プレイヤーたちは国を、誇りを護るために動き出す。レイ、マリー、ルークたちはそれぞれの戦場で、フランクリンの配置した強敵と激突する―!!超人気VRMMOファンタジー、圧倒的熱量の第4巻!!
ルークくんのリアルがゲームなんかより遥かにぶっ飛んでるんですけど! ある意味、コナンくんよりサラブレッドハイブリッドなんじゃない、これ? それがどうして女衒なんて職業に行ってしまったのか。
ただこの自由度が読み物としてもゲームとしても面白いものなんですよね。この手の系統図は数が少ないとどうしてもスケールや発展性の自由度が矮小化してしまいますから、先がどうなるかわからない、という点においてこのの広さは「ワクワク」させてくれる類いなのである。もっとも、その設定の自由度を扱い切れれば、という但し書きがつくのだけれど、本作は主人公のレイくんのみならず、彼の周りのキャラクターにも十分以上のバックグラウンドを敷いた上で群像劇的に話を広げていっているので、その土台としてバッチリこの世界観は活かされつつあると言えるのでしょう。
レイとマリー、そしてルークがそれぞれ市街において決戦を繰り広げることになる今回の展開ですけれど、いわゆる主人公格の彼らのみではなく、さらっと新人枠の三人娘がなかなか渋い活躍してたりして、うまいこと裾野を広げてってるんですよね。主人公の見えている範囲の狭い世界ではない、このフランクリン・ゲームを頑張って打破しようとしている意思が、きっと見えないところでも動いているのだというのが感じられるわけですよ。闘技場から出られなかったベテランプレイヤーたちが、新人プレイヤーたちにありったけの支援魔法やらを託したのもそう。そうした無数の強い意思がそれぞれに動いていてこそ、世界が大きく動いている瞬間を実感できる。それが、スケール感を感じさせてくれることになるんですよねえ。いやあ、面白かった。
前回からずっと疑問だった、ユーリーが……あのレイに近しいメンタリティの持ち主であるあの子がどうして非道なるフランクリンに味方するのか。実はもっと複雑でややこしい事情を抱えているのかと想像していたのですが、事実は思いの外シンプル、単純なものでした。いやでもシンプルだからこそ、やっかいではあるんですよねえ、これ。シンプルであってもリアルの事情に深く絡むそれは、早々簡単に片付くものでもなく、ある意味一生絡むことだけにその解決は容易ではない。あくまでゲーム上のことであるこっちで、果たしてそんな事情に噛むことが出来るのか。
ユーリーがレイと同じ、ゲーム内のことでも現実と区別しないタイプであることが、何気に意味深でもあるのだろうか。フランクリン氏に関しては結構意外ではあったんですよね。この手のタイプの人がフランクリンみたいなロールプレイしてるのはかなり珍しいですし。いったい、どこまで捻れちゃっているのか。
それはそれとして、前回からグイグイ前面に押し出されてきて、今回も八面六臂の活躍を見せてるマリーさん。作者さん、この人すごい好きでしょう、というのがわかる描かれ方の粋の良さw
いやわかる、すごいわかる。ルークとは別の意味でまるっきり主人公枠だもんなあ。
なかなか良いところで終わってしまったので、早速続きへと……。

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