乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…1 (一迅社文庫アイリス)

【乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 1】 山口悟/ひだか なみ 一迅社文庫アイリス

Amazon
Kindle B☆W


頭をぶつけて前世の記憶を取り戻したら、公爵令嬢に生まれ変わっていた私。え、待って!ここって前世でプレイした乙女ゲームの世界じゃない?しかも、私、ヒロインの邪魔をする悪役令嬢カタリナなんですけど!?結末は国外追放か死亡の二択のみ!?破滅エンドを回避しようと、まずは王子様との円満婚約解消をめざすことにしたけれど…。悪役令嬢、美形だらけの逆ハーレムルートに突入する!?恋愛フラグ立てまくりの破滅回避ラブコメディ★

悪役令嬢モノって、大雑把に分類すると頭脳明晰な才媛タイプとポンコツ天然タイプに分かれると思うのだけれど、この作品のカタリナさんは圧倒的に後者のタイプ。前世の記憶にある乙女ゲームの攻略情報はちゃんと記憶に残っているのだけれど、それをまったく活かせていないというか途中からこれ忘れてるよね、フラグとか。なので、その言動には計算などは欠片も乗っていなくて、ひたすらノリと勢いで突き進んでいくので、ゲーム正史の展開とかもう完全に吹っ飛んでしまっている。こうなると、前世の記憶とかまるで頼りにならなくなるのだけれど本人もうそのへんの難しいことは忘れてしまっているうえにそもそも殆ど感性だけで動いているうえに大雑把な性格なので、いいんですよね? 
貴族のお姫様らしくない振る舞いがどうの、というよりもカタリナのそれは貴族だの平民だの関係ないスットコドッコイなのだけれど、不思議とそれが人に好かれるのはその裏表のなさと明け透けさ、として見てて放っておけないポンコツっぷりからなのでしょう。まあ、単純に見ていて面白い娘である以上に、遠くで見ていたいタイプじゃなくて一緒に近いところにいた方が楽しいタイプの娘なんですよね。だからか、周りに人が集まる。人誑し、という意味ではむしろ同じ女性陣の方から人望が集まっているのが面白い。ってか、本来ライバルキャラの貴族令嬢から対象の王子様を奪うどころか、その令嬢メアリのフラグを自分が奪っちゃって百合百合ルートを我知らず引っ張ってきてしまうのはどうなんだ、とw
そもそも、本来のゲームの主役の娘が未だ登場していない段階で、攻略対象の男性陣の抱えている闇をほぼ全部カタリナ自覚なく払っちゃってるのはどうなんだよ、というかどうするんだよ、というところなんですよね。
主役登場しても、もうすることないじゃん!
土系魔法に熟達するためには土と会話するのが一番、と考えて農業はじめてしまった挙句に、実際土いじりしても土魔法の熟達とは全く関係ありません、というのがわかっても既に畑仕事が趣味になってしまった公爵令嬢のカタリナさん。あのホッカムリ姿の似合いっぷりはイラストの妙だよなあ。
腹黒王子のジオルド、正式な婚約者なんだから迂遠な真似して義弟牽制してほくそ笑んでないで、もっとガンガン直截で行けばいいのに。ってか、実力行使既成事実を積み重ねないとあのポンコツ令嬢、まるで察しないぞ。