俺、ツインテールになります。 14 (ガガガ文庫)

【俺、ツインテールになります。14】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫

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ツインテールとポニーテールが繋がる時――

戦女神・ヴァルキリアギルディと、彼女が復活させた全てのエレメリアンたちを死闘の末ついに撃破したツインテイルズ。アルティメギルの侵攻も一時的に落ち着き、総二たちは年末の大掃除に年始の初詣にと、平和な冬休みを満喫する。しかしトゥアールは、先の戦いでティラノギルディが遺した言葉を気にかけていた。「お前もあと一度だけ、ツインテールを信じてみるのもよかろう?」。それと同時に、トゥアールのなかでツインテールへの未練が大きくなり始める……。
その頃アルティメギルでは、ドラグギルディの遺言で基地に戻ったスワンギルディが、部隊を立て直すべく奔走していた。そして、暗躍による暴走が度を超し始めたマーメイドギルディと、敗戦を続ける神の一剣――組織の混迷を前に、いよいよアルティメギル首領がその神秘のヴェールを脱ぐ!?
そして、もう一人のテイルギアの戦士・結翼唯乃が総二たちの前に現れる。有耶無耶になっていたテイルレッドとの決着を望む唯乃に対し、総二は何とかして彼女と仲間になろうと考えを巡らせる。果たして総二の思いは、頑なな唯乃の心を揺り動かせるのか! ツインテールとポニーテールよ、今こそ絆を繋ぐ時が来た!!
フラグ立てすぎなんだよぉ。
てっきり、巻の最後で唯乃とテイルレッドとの最終決着決戦が行われるのかと思ったら、あっさり最初の方でそれが起こってしまった時点で嫌な予感はしてたんだ。
今回、全体的にテンションが上がりきらなかったのは、やっぱりムードメーカーのトゥアールのシリアス迷走のせいでしょう。彼女がアホやってないと、どうしても場が盛り上がらないんですよね。愛香は愛香で前にちょっとキスっぽい事故が起こったせいで浮かれてるというか調子乗ってるし。調子乗ってるよなあ、こいつ。あれで調子乗れてしまうという時点で若干可哀想な気もするのですけれど。いやね、幼馴染枠としては結構頑張ってるし、前はちゃんと良い雰囲気になってたし、というわけだから蛮族系幼馴染としては望外の展開を迎えているのは間違いないんだけれど、何をどうしてもイロモノ系ヒロインの座は揺るがないからなあ。それを言ってしまうと、ヒロイン全員色物なので差はない、と思ってたんだけれど、その中で一人だけ燦然とイロモノじゃない正統派ヒロインとしてぶっちぎってきたのが唯乃なわけで。ひたすら気持ちのよいそのキャラクターは、ツインテールじゃないポニーテールという違う属性も相まって、総ニの中でも立脚点が違うせいか他の娘とは微妙に違う感じで見てたんですよね。豪速球でデッドボール投げてくるヒロインズと違って、この娘は同じ豪速球のストレートでも、ど真ん中にドスンと来る感じでしたし。あの総ニをしてラストシーンなんか結構「持ってかれた」感じもありましたし。
同じ「赤」同士として並び立つ存在。片やツインテール、片やポニーテールとしての背中合わせの存在。相棒とは違う、好敵手ともまた違う、唯一無二の存在感があったのです。
だからでしょうか。変態集団ツインテイルズの中にメンバーとして加わるには、気持ちよすぎるキャラでもあったんですよね。戦隊モノとしては、いつも助けてくれるけれどチームの埒外に居る盤外の駒。決して相容れぬわけではないどころか、みんなと意気投合しているのに、どうしても孤高であり続ける存在。あれほど好意的でありながら、いや大好きであるからこそ、テイルフェニックスという仲間としての名を、総ニから貰ったからこそ、盤外の駒であることに殉じてしまった彼女。
あの未知であった首領の正体を暴いてみせた、というだけでも物語の殊勲なんだけれど、この展開は正直辛い。希望があったとしても、あの挿絵は辛いよ。
しかし、首領の正体そう来たかー。ぶっちゃけ、ただのエレメリアンのさらにごっついの、では多分拍子抜けに陥っていただけに、これはなかなか燃える展開の下ごしらえになったんじゃないだろうか。

シリーズ感想