聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 21 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>21】 あわむら赤光/ refeia GA文庫

Amazon
Kindle B☆W

「諸葉、あなたはもう独りじゃないのね」

駿河安東の軍勢に、熾場亮一党の思惑も絡み、終わりの来ない波状攻撃は、諸葉たちを確実に疲弊させていった。
亜鐘学園は崩壊し、仲間たちは次々と戦闘離脱を強いられた。
なお立ちはだかるは"ランクS"ヂーシンを素体とする、最強空前の魔神級。ついに秘密のヴェールを脱いだ、"不可視"田中太郎。
そして、駿河安東までもが自ら出陣を開始!
廃墟となった亜鐘学園を渦中に、総力戦の様相を呈す。諸葉が、エドワードが、シャルルが、剥き出しの全力を振り絞り、少女たちが負けじと続く。さらには、遥か遠き約束を守るため、"彼女"が現れて――。
そは、第三の伝説のプロローグ。
学園ソード&ソーサリィ、第21弾!!

表紙の女性、誰だろう誰だろうと読むまで首を傾げてたんですよね。アメリカ支部長はあんなに大人な容姿じゃないですし、AJともちょっと違う。雰囲気ちょっと違うけれど四門万里元校長?と考えていたら、まさかまさかの人物である。
それはわからんわーー!!
いや、いわゆる「賢者」についてはチラッと触れられてたことあったんだったけか。サー・エドワードに助言して白騎士機関立ち上げるのにも強力した人物だとかなんとか。いや殆ど覚えて無かったんだけれどもしあったとしてもそれほどちょびっとだけしか描写されてなかったはず。
しかしまあ、諸葉の叔母さんがなんか外国の人だというのを知った時は???が浮かびましたし、物語関係ないところで色々と逸話あるのかなあ、というぐらいに思ってたんですけれど、まさかここまでガッツリ絡んでくるとは。
ってかそもそも、駿河安東があれだけ昔から画策して動いていたのにも関わらず、白騎士機関が駿河に乗っ取られることもなく、彼の支配下に収まったのが日本支部だけ、というのは駿河の初動の速さからすると若干不思議ではあったんですよね。それだけ、サー・エドワードや他の支部長たちが出来物だったから、とも思ったのですけれど、初期目標としてセイヴァーの収拾とそれにまつわる組織の掌握を目論む相手に対して、しかもメタフィジカルを自由に生み出すことの出来る相手に対して、どれほど優秀であっても何も知らないエドワードたちが、最初期の戦略の差から言っても対抗し得るのか、という疑問は後からでも生じるわけで。
そうか、最初から白騎士機関そのものが、相手が駿河とはわからなくても、駿河の目的に対抗・阻止するために結成された組織だった、というのなら大いに納得である。
そもそもからして、最初から駿河と諸葉の戦いだったわけだ。それも、前前世からの因縁を前世の諸葉の介入によって今世の諸葉が生まれる前から対抗措置が準備されていたという。
それはそれとして、シャルルさんがはしゃぎすぎていて、誰が主役で誰がヒロインなんだかわからないんですけど!
この人がはしゃぎだすと、本人主役のつもりなのかもしれないけれど、むしろ全力でヒロイン枠になってしまう不思議。ツンデレも極めると男女の境を飛び越えるんですねえ。いやそれにしても、大暴れして活躍したり、盛大にやられたり、盛大に復活したり、とやかましいことこの上ない。
それでも、次々と集う仲間たちにはやっぱり胸熱くなるわけで。モモ先輩、エドワードやシャルルにすら瞠目させるほどの活躍をするようになちゃって。成長したなあ。出遅れた石動先輩は、真打登場の出番待ち、というのを信じておこう。
前前世も、前世も孤独に一人戦うばかりだった諸葉。前世の冥王の頃には右腕左腕がちゃんと居て、片割れの静乃だけではなく、自分の来世を託すだけの信頼と親愛を寄せる部下が出来ていただけ、孤高の騎士フラガよりも進捗していたのかもしれないけれど、それでも孤独の王だったシュウ・サウラを一番身近に見てきた「彼女」をして、心熱くするほど今世の諸葉の周りには多く人が居て、独りで戦うこと無く、みんなの力を借りて戦っているというのは、ほんと隙らしい隙ないですよね。殆ど単独でも突き抜けて強いはずなのに、それに甘んじず慢心せず、自分の周囲の人たちの成長を促し、敵であった者たちまで味方にして、一緒の舞台で戦っているのだから。独りで戦っていてすらも安定感半端ないのに、そこまでされたら揺るがしようがないじゃないですか。
傍に宇佐子が居たとしても、どうしても独りで戦わざるをえなかった熾場とはあまりに違うその有り様は、田中先生も思う所あっただろうなあ。
さて、ついに次でこのシリーズも最終巻ですか。今から大盛り上がりが予想できるが故に、実に楽しみです。

シリーズ感想