最強の魔狼は静かに暮らしたい ~転生したらフェンリルだった件~ (ダッシュエックス文庫)

【最強の魔狼は静かに暮らしたい ~転生したらフェンリルだった件~】 伊瀬 ネキセ/kona ダッシュエックス文庫

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ゲームが友達の陰キャラ高校生灰上甲斐は、修学旅行のバス事故であっさり死んだ…はずだったが、女神によって異世界に転生、最強の魔物「フェンリル狼」として生きることに!最強の力を活かして何にも縛られず報われまくりな人(犬)生のはじまり…と思いきや、駄女神のせいでトラブル続出!さらに同じように魔物に転生して迷惑をかけるクラスメイトを止める仕事に駆り出され!?平穏に静かに暮らしたい最強魔狼のリアル犬系異世界ライフ、ここに開幕!
このパーティー、人間が一人もいねえ!
一応、下界に降り立ってしまった女神デモリカさまが、そのオーラの無さから人間扱いとなっているのだけれど、成立したパーティー、女神一人と魔王三人というかなり酷いメンツに。ってか、ギルドに登録する際のカード確認でめがみとか蟻とか全部ちゃんと記載されているのに、あんまり問題視されずにスルーされてしまうのって、確認ガバガバすぎやしないだろうか。まあ、犬や人形まで頼んだらギルド登録OKという緩さなのでいいのか、いいんだろう。
そもそも、人間の姿した女神デモリカと巨大蟻の女王・在処がポンコツすぎて頼りにならないせいか、途中からギルド長、見た目ワンコで人前では喋らないようにしている甲斐くんに依頼とか報酬の話するようになってたしなあ。意思の疎通が出来るっぽいからって、犬に頼るのはどうかと思うのだけれど、このパーティーの場合それが正解なので、ギルド長のおっちゃん見る目があるんですよねー。
さすがに魔王扱いされるだけあって、転生させられた(デモリカ様に)クラスメイトたち、野良で彷徨くには強力すぎる力の持ち主ばかりなのだけれど、そもそもそれほど切迫した世界観じゃないせいか、みんな適当にすごしてるんですよね。トラブルは起こるものの、メンツからすると普通に静かに暮らしてる範疇なんじゃないだろうか。なんだかんだと、このパーティーであんまり危険な依頼にも首突っ込まずに平和にやってけてるわけですし。みんなのポンコツ具合もトラブルメーカーってほどでもなく、収拾役を甲斐くんが押し付けられているとはいえ、それほどしんどいことさせられてるわけではないしなあ。
駄女神扱いのデモニカさまも、まーポンコツなのは疑いようもなく、オタク入っててあんまり役には立たないのですけれど、ちゃんと慈愛の女神らしい優しさと責任感の持ち主でいい娘なんですよ。この娘のためなら頑張るのもいいじゃないですか。それこそ、報われる話だと思いますよ、と。
キャラも立ってて話のテンポも心地よいリズムで、なかなか楽しい良作でした。

伊瀬ネキセ作品感想