VRMMO学園で楽しい魔改造のススメ~最弱ジョブで最強ダメージ出してみた~ (HJ文庫)

【VRMMO学園で楽しい魔改造のススメ~最弱ジョブで最強ダメージ出してみた~ 】 ハヤケン/晃田ヒカ HJ文庫

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ゲーム大好き少年・高代蓮の趣味は、世間的に評価の低い不遇職や残念スキルを魔改造し、輝かせることである!!
そんな蓮は、中学からのネトゲ友達であるアキラの誘いを受け、VRMMOゲームを授業に取り入れた特別な高校へと入学! 息をするようにゲーム内で最弱の呼び声高い職業【紋章術師】を選んだ蓮は、その職業を最強火力へと魔改造し始めるが――
「え、アキラって女の子だったのかよ!?」「そうだよ?」実は美少女だったネトゲ友達と一緒に最強ゲームライフ、開始!

以前から不遇職や役に立たないスキルを手に入れちゃったけれど、秘められた能力を発見して一発逆転みたいな話は良く見かけたのだけれど、その手の話って不人気職やスキルに関しては一顧だにされずに放置されていた、みたいな扱いが多くってなんだか首を傾げることが多かったんですよね。
ゲーマーって濃い人ほどむしろそういう使いにくい能力や職業にこそ勇んで挑戦していって、キャッキャはしゃぎながらあらゆる可能性を試していく、検証していく、みたいな幻想を持っていただけになおさらに。
で、本作の主人公の蓮くんはまさにそんな物好きである検証勢であり、匠の業師なんですよねえ。そうそう、こういう人が居てこそゲームってのは奥行きを増していくのですよ。
それも、普通に育てていたんじゃあ発揮できない、発現しない可能性を様々な組み合わせやシチュエーションを化学実験さながらに試していって、その中から埋もれた原石を見つけ出す、というひたすらの単純作業を苦にしない研究者肌の探究心と好奇心。なかなかこれ、付いていくの大変だと思うのだけれど、幸運なことに蓮くんはこれに付き合ってくれる相棒に出会ってしまっているわけで。
それが、実際に(と言ってもVRを介してですが)本体に会ってみれば男だと思ってた相手が超美少女だった、というなにそれ美味しいの、という展開。初めて出会うのに息ピッタリの何を一緒にするにしても楽しくて仕方無いという関係で、もう好感度も最初からマックスというあれやこれや。
この実際会ってみたら期待していた以上に意気投合出来てしまった、というのはなんか本当に羨ましいところです。この二人の場合、ゲームを介して一緒に遊んでいる時はむしろ普段の生活の時よりも「演じていない」素の自分をまんま曝け出していた、というパターンで、一人の男の子女の子として出会った際にもそのまま偽らず演じず、家庭環境やなんやで少なからず格好をつけないといけない、繕わなくてはいけない、という部分をも、この二人は装わずに済んだんでしょうなあ、これ。
もし、普通の学校だったらここまでそのままでは居られなかったかもしれない。その意味でも、ゲームの延長としてのVRMMO学園という要素は、この二人の関係に絞っても、或いはクラスメイトたちとの関係についても、面白く作用しているような気がします。アキラは特に家庭環境複雑そうですしねえ。
いわゆる不遇職でパーティーを組んでの、それぞれが持つ特性を活かし、魔改造して正道とは全く違うルートでアタックしていくそのノリ、本当にやってるこの子たちが楽しそうなのが、見ているこっちも楽しくさせてくれるのでした。やっぱり、ゲームってのは楽しくないといけないと思うし、ゲームを遊んでいる人たちが楽しそうにしているのを見て、横から見ている人たちも楽しめるのである。
その意味では、本作は実にのびのびとその本領を発揮しているんじゃなかろうか。良作です。

ハヤケン作品感想