ヒマワリ:unUtopial World6 (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 6】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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聖魔杯本選を揺るがす緊急事態 !? “神殺し”の巫女、降臨!!

桐原士郎や木島アリスとの因縁を清算し、無事本戦を勝ち進んでいくヒマワリとミサキのヒマ☆姫ペア。しかし、神殺しの巫女・名護屋河睡蓮が遂に聖魔杯の舞台へと降り立ち参加者達の行く手を阻む!「誰が相手であろうと容赦は致しませんのでお覚悟を」
人智を超越した力の前に為すすべもないヒマワリ達だったが、“当代最強の召喚師”と噂される川村ヒデオの行動により事態は思わぬ展開へと向かう―。
「悪しきカミを連れた悪しき気配、やはりお前のものでしたか」
「断言する。僕と、仲間達の方が、召喚師として正しいと」
混沌と化した戦場で、ヒマワリ達は災厄級の難関を切り抜けることができるのか!?

モザイク!!
映像越しにではなく、リアルタイムでモザイクである。さすが電子の神というべきか、それもう電子関係ないんじゃない!?と申し出るべきか。
境界線上のホライゾンでも、主人公が全編通して全裸でモザイク状態だったケースも有るが、閣下は決して全裸がマイスタイルな人ではないので、それでも敢えてモザイクで地上を闊歩する姿には「勇気」の在処を感じてしまって、涙ちょちょぎれる。
でも、自由の騎士ゼンラーマンに比べれば、いささか自由が足りない。ペンデュラムは解放すべきなのではなかろうか。
場合によっては、これがウィル子のマザー化の遠因なんじゃないか、と思わず零してしまいたくなるが。閣下の身に何かあってウィル子が暴走してマザー化するよりも、閣下の息子にモザイクを掛ける仕事に心砕けてマザー化する方が、なんとなく「絶望」という意味においては絶望的なんじゃないだろうか。どうしようもない感じで。
とはいえ、第三世界組が本気で参戦してくると、やっぱり身も蓋もなくなるのである。シシルもあっち側なのか。結局、ヒマワリたちの「暴力」による制圧というのは、第三世界の論理にも乗っかっちゃってるんですよね。舞台を同じくしてしまったらそりゃあ本物を通り越した「バケモノ」に人間は叶わない。ヒマワリは、バイオソルジャーとしてもう人間辞めている、という説明があったのだけれど、それでもまだ「人間」を辞めている程度でしかないんですよね。そんな程度なら、第三世界にはわんさと存在する。だから、それじゃあダメなのだ。
鈴蘭も英雄も、舞台を根こそぎひっくり返してルールそのものを引っ剥がしてしまったからこそ勝利したのである。真っ当でないことに徹底して、価値観そのものを置換してみせたからこそ、絶対に勝てない相手であったアウターや神や精霊に勝利したのである。
その意味においては、ヒマワリはやり方を大いに間違えていると同時に、ルールそのものをひっくり返すための資質たる、価値観の異質さについては鈴蘭や英雄たちに勝るとも劣らずなんですよね。
だからこそ、マリーチの好みにズバリ、というのもよく分かるんですよ。そんでもって、あのマリーチの好みからすると、小賢しくその異質な価値観を武器にして完全な死角から逆転を決める、というのはあまりにもヒデオのやり方だし、真っ向からぶん殴って真っ二つに割ってその空いた道を突き進むというのは鈴蘭すぎる。
となるともう、ヒマワリはそのまま間違えたまま愚かに愚直にもろともすべてを自滅に巻き込んで、その果てに望んだ光景を現出させる、というのがもろにマリーチ好みっぽいんですよねえ。一度、その彼女を止めて、その在り方そのものを揺るがしたのはヒデオでした。今度は味方サイドとして、ヒマワリの在り方を揺さぶれるのか、それともヒマワリの愚に閣下をすらも飲み込まれるのか。
いい加減、クライマックスだ。

シリーズ感想