キラプリおじさんと幼女先輩(3) (電撃文庫)

【キラプリおじさんと幼女先輩 3】 岩沢 藍/Mika Pikazo 電撃文庫

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最強の幼女先輩あらわる!? もどかしくも熱すぎる物語みたび!

九州最強の幼女先輩、登場!
さらに千鶴の口から衝撃の告白が!? 人気シリーズ第3弾!!!

「今日から二人で、共同生活をしてもらいます♪」
プレイヤーの頂点を決める全国キラプリ大会の地区予選がいよいよ開幕! 希望に胸を膨らませ博多の予選会場に臨んだ翔吾と千鶴。しかし、二人の前に九州最強の幼女先輩が立ちはだかる!
翔吾と千鶴は「協力モード」――ペア枠での出場に望みをかけるが、プライドが邪魔してか噛み合わず……。そんな二人を見かねた「わくわくらんど」の店員、會田さんの導きで、アイドル養成所で同棲生活をすることに!? さらに千鶴の口から衝撃の告白が! 二人は最大の試練を乗り越えることが出来るのか――?
翔吾と出会わなければ、林檎の姿は千鶴の未来の姿だったのか。というわけではないんですよね。最初から誰も近づけようとしなかった千鶴と違って、林檎は一番大切な同志に裏切られ捨てられた手負いの獣。千鶴よりも年下の小さな女の子が背負うには重すぎる十字架であり、血を流しながら進むには深すぎる傷なのである。一人で勝つこと、独りの方がより強い。それを証明しなければ、孤高は孤独へと成り下がる。自分は捨てられたのではない、自分こそが捨てたのだという強烈な否定。果たして、彼女林檎にはそれを成し遂げられる才能があり、狂乱の努力はその才能を現実のものへと昇華させてしまった。
翔吾と千鶴の前に現れた最強幼女は、そんな少女であったのだ。
同時に、千鶴には翔吾には話せない私生活での転換が迫り、二人の絆に亀裂が入る。そんな状態でなお、二人はこの孤高に成り果てた少女に、キラプリの真髄を証明することが出来るのか。なぜこのゲームに「協力モード」なるものが存在するのかを、示すことが出来るのか。
最初から最後までクライマックスな山あり谷ありの構成が、この三巻の中に詰め込まれている。
小学生との共同生活、なんてものはさすがに同世代の年頃の男女の同棲生活なんかと違って、まあ小学生との共同生活以外のなにものでもなく、それ以上に発展しようもないのだけれど、このまだ始まりもしていない関係というものこそが、ラスト近くで発露される千鶴の翔吾への本音の熱さの土台になってると思うんですよね。小学生とその保護者という関係ではない、対等の同志として支えあえる存在になったからこそ、その先へと踏み込む段階が訪れるということ。戦友や同志じゃなく、子供と大人の関係でもない、掛け替えのない不可分の存在。年の差カップルとかそういう区分でもない、特殊な二人の関係は、だからこそ千鶴がもっと成長してきた時にこそより威力を発揮しそうなんですよね。まだ小学生の女の子が、保護者としてではない男の人とここまで深度ある密接な関係を築いてしまったら、成長するに連れてその想いがどうなってしまうのか。想像がはかどってしまうのだけれど、この手の作品はそのさきまでは描かないからなあ。

1巻 2巻感想