なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?2 堕天の翼 (MF文庫J)

【なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 2.堕天の翼】 細音 啓/ neco MF文庫J

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世界は人類が五種族大戦に敗れた歴史へと「上書き」された。強大な異種族に支配された地上でただ一人、人間が勝利した世界を知る少年カイは、全ての人間から忘れられた存在になりながらも、英雄シドの剣と武技を継承し「真の世界を取り戻す」ことを決意する。運命の少女リンネと共に悪魔の英雄ヴァネッサをうち破り、人類を悪魔族から解放することに成功。さらに霊光の騎士ジャンヌと共に、蛮神族の領土イオ連邦へ。天使やエルフ、ドワーフたちの支配地でカイが見たものは、蛮神族の英雄・主天アルフレイヤの豹変だった。「主天様は…変わってしまわれた。すべてはあの時から…」早くも大ヒット!圧倒的反響を巻き起こすファンタジー超大作、第2弾!

イオ連邦の解放軍のリーダーがあまりにも酷すぎて、よくこれまで持ってたなあ、と逆に感心してしまった。それだけ、実戦部隊の隊長の爺ちゃんが超有能だったんだろうけれど、元王族とはいえあそこまで下の連中からの信望もなくなっちゃってたら、旗印としての意味もなかったんじゃなかろうか。よくまあ、後ろから撃たれなかったものである。前線に一切出てこないから、後ろから撃ちようもなかったのかもしれないが。それでも、早晩クーデターあってもおかしくなかったんじゃなかろうか。
でも、そんなボスを頂いていてもジャンヌたちよりもイオ連邦側の方が組織として大きく兵力も装備も充実している、というのは皮肉な話である。それだけ直接の敵対勢力である悪魔の好戦性が蛮神族よりもキツかった、ということなんだろうけれど。でも、生産施設バンザイだよなあ、この場合。
そしてダンテさん、改心したように見えてこいつなにも変わってないんじゃ……。

今回は早々にラスタライザが登場して暗躍しているけれど、黒幕が存在するということがわかっても謎は深まるばかり。普通なら、中ボスが倒されるときにヒント残していくケースではそのたびに謎が明らかになって世界観が広がっていくものなんだけれど。
まさかの、今際の発言の矛盾である。ヴァネッサとアルフレイヤ、言ってることが違うんですけど!? ふたりとも、嘘をついて騙そうなんて余裕がある状況ではなかっただけに、それぞれ知っていることが違ったか認識が食い違っていたか。いずれにしても、何もわかっていないに等しいカイ側からすると、え?どういうことなの? と戸惑う材料が増えたばかりで、いやこれ結局何もわからないまま次の敵に突撃していくしかないじゃない。
今回は蛮神族側が内輪もめしていたところにスルリと入り込めたから良かったものの、なんかジャンヌも装備にすごいリスク抱えているみたいだし、このまま何の対策もなく、次へ進んでいっていいものなんだろうか。
仲間が増えたのはいいことですけれど。
なんか、恐ろしく速攻でデレたなあ、リーリーン。ラスト、ちょこんと無意識にカイの側に陣取って離れなかったり、とか可愛すぎる。見事なポンコツ枠でもあるので、パーティーの雰囲気の盛り上がり的にも期待したい。なんだかんだとジャンヌもファリンも真面目さんだし、リンネは天然過ぎて空気読めずに雰囲気を明るくするキャラとしては微妙だし。
まあなんというか、ジャンヌさんも速攻で女っ気出しまくってカイにベタベタしているので、変に雰囲気明るくしなくてもいいのかもしれないですけれど。幼馴染としての記憶は世界が上書きされたことからなくなってしまっているはずなんだけれど、あの気安さはもう幼馴染級ですよねえ。男装する彼女が女の子だというのを知っている同性がカイだけ、にしても色々とくっつきすぎである。どっかで、腐ってる女子が出てきてハアハアしないか心配になるほどに。まあこの作者さん、そういうタイプの娘あんまり出さなさそうだけれど。

シリーズ感想