デート・ア・ライブ19 澪トゥルーエンド (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 19.澪トゥルーエンド】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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「令音さん。―明日、俺と、デートをしませんか?」
崇宮澪によって最悪の結末を迎えようとしたその時、五河士道は“六の弾”を使用し、最終決戦手前の日へと戻ることに成功する。最強の精霊に為す術もなく倒れていった精霊たち。絶望的な力の差を前に士道は思い出す。力ではなく対話によって、精霊を無力化させる唯一にして、これまでやってきた方法―デートして、デレさせることを。
「みんなの力を貸してくれ、俺たちの戦争を―始めよう」
精霊たち全員のサポートも受け、世界の命運を懸けて、始原の精霊をデートして、デレさせろ!?

これまでも、精霊の能力を封印するための裏の目的の在るデートというのは何回もあったのだけれど、今回の令音さんとのデートが一番心がキツかった。
他に好きな人がいる精霊、というのが他にはいなかった初めての体験でしたから。そんな彼女をいわば騙してデートに誘っているのだから、そりゃ心が痛む。
そもそも、五河士道と澪が愛した崇宮真士は別人なのか。
ぶっちゃけ、限りなく同一人物に近い存在なんですよね、この二人。少なくとも、二人を並べて比較しなければ、両者の差異って読者側である自分にも識別できなかったと思う。それも、彼らを分けたのは育った環境の違いくらいなんですよね。それって、同一人物とどう違うの? という疑問は晴れなかったし、多分澪も士道と真士を全くの違う存在、とは思わなかったように思う。
でも、たとえ同じ人間であっても過去の真士と今の士道は別の人生を歩んでいる。それをきっと、彼女は受け入れて、そうして最初の選択とは違う意味で、もう一度真士を選んだのでしょう。
この結末をトゥルーエンドと銘打たれた意味を、じっくりと噛み締めておきたいです。
その愛は多くの災厄と悲劇を生んだのでしょう。多くの人の運命と人生を捻じ曲げ、不幸を招き入れた。
でも、その愛によって生まれた出会いもある。彼女が真士を諦められなかったからこそ、結びついた人達もいる。
五河士道は、澪が居なければ生まれなかった。
その幸いを、澪を知る人たちはみんな忘れないだろう。その結末を、きっと忘れないだろう。
その愛を、ずっと覚えているだろう。
士道にとって、最初で最後の振られたデートでありましたけれど、きっと一番多くの幸せにつつまれた結末だったように思うのです。
願わくば、澪と真士のデートを士道と令音さんが並んで見守っていた光景に、揺るがぬ意味がありますように。
もし、真士と士道が違う人生を歩んだ存在だというのなら、きっと澪と令音さんもそれに当てはまるはずだから。

アイクは結局二度目も暗躍果たせず。ただ、何もなせずに潰えた一回目と違って、今回はかつての仲間たちと納得づくの終わりを迎えられた、という意味においてちゃんと精算は済んだのかもしれない。
結局この人、黒幕ではあってあれほど暗躍し、あらゆる出来事を操ってきた人物にも関わらず、主人公である士道と真正面から相対する敵手としては、決定的な存在感を示せなかったように思う。
常にこう、士道が直面している場面から一歩下がったところに居続けていた、というべきか。
多分、そこはウッドマン卿と相対し続ける立ち位置だったんだなあ。確かにアイクと士道はお互いを狙って戦っていたものの、本当の意味で二人で向き合って戦っていたわけじゃないんですよね。
だから最後まで、アイクは格と力と意志を持つ巨大な悪役であったにも関わらず、士道の物語における対敵ではなかったのである。
士道にとって、だから最初から最後まで向き合う相手は常に精霊で有り続けたのだ。
だから、最後の相手もまた、最初から決まっていたのかもしれない。まさかまさか、このタイミングで、とは思わなかったけれど。
奪われた二亜のセフィラに、狂三までも自分の意志で能力の封印を選んだ以上、いつの間にか局面は既に終局へと至っていたことに、澪の物語に心揺さぶられてる真っ最中だったために全然気がついていなかったのである。
これが、ラストデートのはじまりか。

何気に、狂三ちゃん終盤の怒涛の追い上げにトドメを刺すような、真ヒロインモードでありました、今回。士道自体が満更でもないんだよなあ、あの様子だと。
あと、今回令音さんが年嵩の女性の魅力満載すぎて、あかんあれは少女どもじゃ太刀打ちできんよ!? ちゃんと化粧して身形整えた令音さんが超絶美人すぎる。


シリーズ感想