「わかった。よく言った。俺が行く」


と、虎居さぁぁぁん!! あかん、かっこいい、めちゃくちゃかっこいいよ虎居さん。
もう戦いたくない、と言った宗矢のこと、怒るでも叱るでも諭すでもなく、頭撫でて褒めるんだぜ、この人。なんかもう、胸がいっぱいになった。
あの重たくも真っ直ぐに見開いた虎居さんの眼差し、あれこそ水上作品のヒーローの真骨頂の表情なんですよ。幾度、あの眼差しをした男に胸打たれたか。あの眼差しに打たれて、何人の少年たちが絶望を乗り越えて、おのれの人生を掴み取ってきたか。
その直前の、あの眼鏡様……のぞみの労りと慈愛に満ちた切なげで優しい微笑み。もうこの子の優しさがまた衝撃的なんですよ。
宗矢くんの、あの慟哭。故郷であるシリウスはもうなく、自分が暮らしていた街もなく、家族も友達もみんないなくなって、想い出となる場所ですら欠片も残さず失われてしまった。復讐を終えて向き合わざるをえなくなった現実は、少年をただの子供へと帰してしまう。あの泣きじゃくる姿には絶望、虚しさ、底のない悲しみがこれでもかと詰まっていた。あの迷子の子供、どころか帰る家をなくして泣く子供のような慟哭は、演じる人の魂が籠もっていましたよ。それに共鳴するように、のぞさんのあの「ありがと」という感謝の言葉。虎居さんの、宗矢くんの事情を直接聞いていないのに、子供のその表情と戦いを拒絶する言葉を聞いただけで、奮い立ちこの子が背負ってきたものまで大人である自分が背負おうという強い優しさの滾った言葉。
相対する紅華の心情の告白にしても、葉介の紅華を想う悲哀のつぶやきにも、今回はもう魂が込められすぎていて、正直たまらんかった。心臓破れるかと思うくらいドキドキしてしまった。
スピリット・ウィズ。まさに水上作品の正当をゆくべらぼうな面白さです。回を重ねるごとに際限なく面白さが加速してってるぅぅ。
面白すぎて、どうするよこれ!!

4785962534プラネット・ウィズ 1 (ヤングキングコミックス)
水上悟志
少年画報社 2018-07-30

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