魔王の娘だと疑われてタイヘンです!  LV.1 剣士の娘にニラまれてます! (GA文庫)

【魔王の娘だと疑われてタイヘンです! LV.1 剣士の娘にニラまれてます!】 姫ノ木 あく/よう太 GA文庫

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友情パワーがあれば、魔王だって倒せちゃう!?

「魔王軍の謀略?」
十二年前に勇者に倒された魔王が、復活の機会を狙っている……とエリナの通う学校で噂が流れた。
「その魔王は『名もなき勇者様』が倒してくれたんでしょ? また現れたら勇者様が現れて倒してくれるんじゃない?」
「都合良く、勇者様が現れてくれるとは限らないでしょ!?」
――魔王は現れるのに勇者様は現れないのか――
「んー、じゃあ、わたしが勇者様になるっていうのはどう? 魔王なんて、わたしがえいやってやっつけてあげる! 」
脳天気にそう言ったエリナだったが、なぜか彼女がその魔王だと噂が流れ……え? 私? 勇者じゃなくて、なんで魔王の娘って疑われちゃうのー!?

十二年前。魔王に支配されていた世界は勇者リクドウ一行により滅ぼされた。平和が戻り、そして――。

リクドウがみつけ、育てたエリナ。天真爛漫な少女に育っていた。幼馴染みで親友のフランソワーズと毎日楽しく学校へ通っていたが、そこへ一人の転校生が現れる。彼女は先日、化け物に襲われた際、助けてくれた剣士の少女だった。仲良くなりたいエリナだったが、なかなか打ち解けてはくれない。
そんな折、魔王復活の噂がクラスに広まる。そして何故か、エリナがその魔王だと言われてしまうのだった。
――はたして真相は! ?

友情だなあ、友達パワーだなあ。
まだ12歳という子供たちだからこそ、というのもあるんだろうけれど、人に対する気持ちの向け方がすごく真っ直ぐで純真なんですよねえ。エリナは元々そういう真っ直ぐな娘なんだろうけれど、剣士の娘カナーンなんかは気難しい感じでとっつきにくいんだけれど、その分親身になるととても一途で一生懸命で、いい子なんだわ。境遇から特別な相手を作ることに自分で大きな壁を作っているのだけれど、だからこそ自分で感じたこと、体験したこと、見て聞いて喋ってその相手を認めて、その心映えを受け止めて、震えた魂に正直になれたとき、とても素直に「友達になりたい」と思える、思う以上に行動できる、こういうのを純真って言うんでしょう。
眩しいわー。
なんか日曜朝のプリキュアとかそういう番組の神回を見るかのような、女の子の友情の結実なのであります。
女の子のそれって男の子の熱い友情とはまた違う、同じ熱い友情でも心あらわれるようなキレイさと、眩しさがあるんですよね。そういうのって、キュンキュンさせられるんですよ。
百合とはまた違う、とても特別な結びつき。ちゃんと百合道に溺れ始めてしまっている娘もちゃんといるんで、需要はそちらの方に、はい。
しかしリクドウくん、現在27歳の好青年……ということは、エリナを引き取って育て始めたの、わずか15歳なんですよね。15歳のお父さん! しかも、お母さん無し! 父子家庭!
魔王を倒した勇者であることは世間には公表せずに暮らしているので、社会的な便宜が図られていrわけでもなく、いやまあ十分な報奨は出されてるし隠遁はリクドウくんの希望だったようなので、便宜はかなり図られているのかもしれませんが、リクドウくん本人は対魔王戦で足をやられてハンデを抱えていたり、とこの人どれだけ苦労して赤ん坊から娘さんを育てたんだろう。
いや、片足動かなくても戦闘力ぱねえみたいなのですが。
そういうの関係なく! 片親、しかも父親、未成年で女の子の赤ん坊育てる! って、下手すりゃ魔王倒すのよりもよっぽど大変だったんじゃないだろうか。それも、エリナはとても真っ直ぐないい子に育ってるし。よく頑張ったなあ、お父さん尊敬しますわー。
せめて、お母さん役をやってくれる人がいたら良かったのでしょうけれど、なんやかんやでそのルート外れてしまった人も居るみたいで……カナーンの義母の人、ルナさん、まあこの人の性格からしてお母さん役とか端から無理っぽそうだなあ、とは思うのですけれど。これリクドウくんが鈍感だった、だけじゃないんじゃないの、理由?
まあまだリクドウくん、枯れるには二十代って若すぎるので、これからなのですけれど。
エリナの正体はまだ全然不明のまま。魔王城で保護した、魔王が守っていた、など状況証拠はあれど、魔王の娘という実証があるわけじゃあないんですよね。もちろん、全然無関係というわけは絶対にないのですけれど。
そういうバックグラウンドは別にして、カナーンも加わって三人娘となったエリナ、フラン、カナーンの女の子たちの友情物語、今後もキュンキュンさせてほしいものです。

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