<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 6.<月世の会> (HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 6.<月世の会>】 海道左近/ タイキ HJ文庫

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王国最強宗教クラン、動く。

大学の始業までの間思いっきり遊ぶことを決めたレイは、ルークやマリーと共に海へ行く約束をしてゲーム内の宿屋で仮眠をとった。
そして目が覚めた彼の前に現れたのは見知らぬ天井。レイは、王国最大の宗教クラン・<月世の会>に拉致されていた!!
現実でも宗教組織のトップに君臨し、王国最後の<超級>であり、実は大学の先輩でもあった月夜の目的とは――。
「うちは、【女教皇】扶桑月夜。<月世の会>のオーナーや――よろしゅう」
ゲーム内だけでもタチ悪いのに、リアルでも出会ってしまいました宗教の人、ってヤバイなんてもんじゃないじゃないですかー。
って、まあタチは悪くてもそんな宗教的に危ない人、という感じでは月夜さんも月影さんもしないので、その点は安心かもしれませんが。
宗教的には危なくなくても、人間的には十分危ない気もするけどなー。
とはいえ、レイくんの場合ゲームよりもむしろリアルの方が特殊な人間なので、そこまで危機感を覚える必要もないのかも知れませんが。常識人を気取っているけれど、家庭環境から何からズレている分、けっこう感覚もズレてるっぽいしなあ。ってか、あんまりリアルでもまともな人ってこの作品いませんねえw その中でも、椋鳥一家は図抜けているようですけれど。お兄ちゃんだけでも嘘のような経歴の持ち主なのに、長女の人なんて伝聞だけでも何そのリアルハリウッドアクション俳優、てなもんですし。
しかしレイくん、大学入学までの春休み中とは聞いていたけれど、通う学校あそこだったのか。パねえなあ。
ともあれ、現実でもゲームでも月夜さんなんていうヤバイ人に絡まれてますが、物語的には大きな事件と事件の幕間みたいなもので、珍しく落ち着いた時間が流れている様子。
逆にそういう何も起こっていない時の方が、じっくりとナイナイのことについて考えに耽る余裕が生まれる、ということでこれまでわりと脇に方に追いやられていてネメシスの成長、というよりもゲーム内の存在とリアルの存在との関係と未来、についてようやくスポットがあたってきたのでした。
と言っても、問題に直面しているのはネメシスの方で、レイの方はその点自覚や認識にまだ薄いところがあるようだけれど。
ゲームをリアルと同じように感じるマスターの存在、というのは度々語られていて、その筆頭が主人公であるレイなのだけれど、そういう人がいるという曖昧なものではなく、その存在ってこのゲームの根幹にも関わっているようなんですよね。
理論上は、ゲーム内の存在であるティアンとリアルの存在であるマスターの間にも子供が出来る、って情報、実はものすごい爆弾なんじゃないだろうか。別に実証もされず仮説にもならない段階なのかもしれないけれど、それが本当なら電脳上とはいえ新しい生命が誕生するってことですしね。それも、未知の種が。
しかし、一方でティアンとマスターとの関係というのはあくまで一方的なものでも在り、リアルとゲームの両方で生活していると言っていいマスターは、きっかけさえあれば簡単にこの世界から居なくなってしまう存在でもある。ゲーム内の存在はリアルへと行くことは絶対に出来ないし、リアルの人間であるマスターたちは、現実を放棄してゲーム内に専住することは絶対に出来ない。
あちらとこちらを行ったり来たりすることが必定なマスターを、一方で待つしか無いティアン、そしてエンブリオであるネメシスの不安を、果たしてレイはどうやって拭い去ることが出来るのか。
なかなか踏み込んだ題材である。

一方で、現実世界の大学で出会った先輩とゲーム内でも一緒に遊ぶことになったレイ。BBBと名乗るその人は、何気にこう、裏があるわけじゃないけれど「過去」がある人物のようで……。
って、色々あって知名度あがりまくってるレイと一緒に遊ぶのを、有名人と一緒に行動するの緊張しますね、みたいなこと言ってるけど、貴方も実は有名人でしょうに。
その隠している人格、みたいなものに対してレイくんがどんな反応するか、けっこう楽しみである。リアルの彼女知っているのが余計に色々といや増しそうw