【英雄教室 10】 新木伸/森沢 晴行 ダッシュエックス文庫

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ローズウッド学園は今日も常識外れに青春中!最近人間離れしすぎのアーネストがついに分裂!?ちっちゃいアーネストがみんなのペットになって大騒ぎ!!剣聖の娘・サラは恋愛にキョーミ津々!!オトナの女性目指してレンアイ修行スタート!?魔法の指輪でブレイドが5歳に!?盛り上がる女子たちの期待とは裏腹に、子供時代のブレイドはとんでもない野生児だった!!小さくてもすでに十分超生物なロリブレイドとガチバトル勃発!!勝利は誰の手に!?魔王ちゃんが魔界に里帰り!?魔王不在で群雄割拠の魔界にローズウッド学園の生徒たちも殴り込み!!ローズウッド学園四天王が、全てをぶっ飛ばす!絶好調超生物学園ファンタジー、第10巻!!
前々から人間もうやめちゃったんじゃないか、と言われてたアーネスト。似た感じの能力を持つルナリアが登場し、一緒に魔人化、一緒に融合なんて事もやってたので若干沈静化していたものの、最近とみに人間やめちゃってる能力を開発しまくったうえに、挙げ句に分裂である。斉天大聖孫悟空も髪の毛から分身を作ったりしてたけれど、アーネストの場合は自分の体を細分化しての分裂で、どれが本体ということもなく全部本物のアーネストですからね、それはもう人間じゃなくてスライムとかそっちですから。スライムだって最近は核があってそんな分裂とかしないんだから。
超生物な勇者さまもお墨付きの人外である。やろうと思えば大概力押しでなんでも出来るブレイドをして、自分そんなん出来ないから。もう人間じゃねえ、と言わしめる人間離れっぷりである。登場当初の規律正しい女帝さま、というキャラはほんと遠くになりにけり、だなあ。精神年齢、明らかに下がってブレイドと同じぐらいになってしまってるし。最近のブレイドの成長ぶりからすると、もう抜かれてても不思議ではないぞ。
これでわりと仲の方は進展しているんだから不思議なものである。なんだかんだと、ブレイドがアーネストのことちゃんと意識するようになってますものねえ。
面白かったのが、ブレイド(五歳)の若返り話で、いや話自体が面白いというよりも若返りの理屈が面白かったというか。これ、肉体が若返るのではなく厳密には幼い肉体年齢当時の当人を過去から引っ張ってきてるようなものなのか。限定的な時間移動? この場合、現在のブレイドはどこに行っていたのか、という疑問点も出てくるものの幼い頃の記憶としてブレイドの中にちゃんと思い出が残っているのはなんだかほんわかさせられる話だった。
ラストの中編は、いきなり魔界旅行編。マオの帰省に便乗してかつて勇者たちが攻め込み魔王と一大決戦を繰り広げた魔界へとほいほい行っちゃうのね。さすがにブレイドが危険で危ないと認識していたのでヤバイところなのかと思ったけれど、とりあえずこれについてこられるくらいにはクラスメイトの面々も強くなってるのねえ。魔界ルートの中でもイージーなところを通ったとはいえ、辛うじて準英雄級なクラスメイトたちと現状出力四%なブレイドでサクサク進めるんだから、大戦期とはやはり違う状況なんでしょうなあ。
ってか、魔王って死んでなかったんか! マオの登場時のエピソードではがっつり死んだみたいな話だったのに。あれ? それともブレイドそれとなく否定してたっけ。覚えてない。
魔物の死と再生のシステムもこれ面白いなあ。倒されれば倒されるほど強くなって復活するのもさることながら、倒された相手に似た姿や特性を持って復活することで同族が増えていく。さらには知性化を経てただの魔物ではなく、死と再生のサイクルから独立した種族として巣立っていく、というのは面白いシステムである。
ラストの酒盛りは、伝え聞くばかりの大戦だけれど本当に終わってたんだな、というのを実感させてくれる良いシーンでありました。この子たちはほんとに戦後の平和な時代に生きてるんだなあ。

シリーズ感想