【縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!! 彼女が高校デビューに失敗して引きこもりと化したので、俺が青春をコーディネートすることに。】  うわみくるま/かれい 電撃文庫

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おいヒッキー幼馴染よ。今日からお前は――俺の着せ替え人形だ!

俺・小野友永は女の子に服を縫い上げ、脱がせ、着せかえるのが生きがいの紳士だ。ところがある日、今まで俺の望むまま着せ替え人形となっていた妹・みちるから突然、「お兄ちゃんの服は着ない」宣言をされてしまった! なぜだ!? 俺の服の何がいけなかったというんだァァァアアア!?
失意に沈む俺だったが、偶然にも深夜のコンビニで疎遠になっていた幼馴染み・凛堂鳴と再会した。しかしその姿はオールグレーのスウェット上下!? 色気のカケラもない上に体型が2年前と変わらない幼女のままだ……。聞けば、キメすぎた服装で高校デビューに大失敗して以来、残念なヒキコモリ生活を送っているらしい。体型が残念なのは遺伝らしい。
この運命的な利害の一致により、俺は新たな着せ替え人形をゲット……もとい、鳴の青春をコーディネートすることに!

スウェット上下で外出ちゃダメーー!! 最悪で、新聞受けに新聞を取りに行くくらいでしょ。ゴミ集積場にゴミ捨てに行くのもちょっとどうかと思います。ましてやコンビニとか、マジか!?(真剣)
斯くの如き残念な娘さんがメインヒロインである。しかも、金髪幼女(染髪)。デビューしすぎにも程がある。まあこの娘さんがまたアホの子でねえ、アホな子ほど可愛いと言いますが、実際可愛い。
半ばペット枠でありますが。
いやうん、鬱陶しい系のアホの子だと大変ですけれど、この鳴坊は愛嬌のあるおもしろ可愛い系だからなあ。しかも、チョロいので適当なこと言ってれば騙されてくれるしw
まあイジってると永遠に面白かわいいので、主人公の友永が甘やかしつくしてしまったのも無理カラン。ほぼほぼ保護者枠だな、これ。
ただ、保護者を気取るには友永が天才と紙一重の変態すぎるのであるけれど。変態と言っても性癖があれ、とかではなく別に鳴のこと女性扱いすらしていないのだけれど、玩具扱いだよね。ただ、女の子に服を着せて喜ぶ変態として極まっているので、鳴と友永が揃うとツッコミ不在の恐怖カップルになってしまうのが実に恐ろしい。いくら幼女に見えても同年齢の女子を堂々と脱がして着せ替えるのは犯罪だと思います! 二回目以降は鳴も速攻で順応して下着姿になることに抵抗なくなってしまっているあたり、この娘さんも心底ダメなんですが。女としてどうかというレベルでダメなんですけれど。
ともあれ、そんなダメを尽くしたような娘さんを社会復帰させるために、尽力する主人公の方がとりあえず社会通念、一般常識を習得しましょうね、という有様なので、一体何をやっているんだろう、という若干カオスじみた展開なのである、すごい。
でも、服一式作って用意してくれてコーディネートまでしてくれる、ってめちゃくちゃ楽ですよね。自分で考えないで済むし。ってか、鳴ちゃんこのままだと本気で着せ替え人形で止まってしまって自分でコーディネート考える、ということしなくなるんじゃないだろうか。最初からしてないけど。させると彼女が社会的に死ぬのは、すでに登場時に死亡者扱いだったことからも明らかなのだけれど。
それでももう、一生友永居ないと成り立たない人間になってしまうよなあ、と思ってたら彼女自身がそうなるつもり満々なので、なんというかご愁傷様である。
いいのか、その男は高校進学祝に妹にウェディングドレス(自作)を送るような男だぞ。しかも、高校生になった妹と未だに一緒にお風呂入ってる男だぞ。
兄の作った服を着ることを拒絶して、兄離れしたと見せかけて一緒にお風呂入るのはむしろバッチコイな妹もかなりどうかしているが。
一貫して掛け合いによどみがないというか、洗練されたコントのようにリズムよく転がる丁々発止は気持ちの良いくらいのもので、キャラのはっちゃけぷりも相まって読んでいる時間は非常に楽しいものでした。バカ話なんだけれど、何気にストーリーの方はきっちり完成度高くて面白かったです。

うわみくるま作品感想