【僕は君に爆弾を仕掛けたい。】  高木 敦史/ 遠坂 あさぎ  角川スニーカー文庫

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小手毬さんはとても可愛い。でもそれは見た目だけ。本性は身勝手で強引で偉そうで、ホントにろくでもない。僕の敵、だったのに。よりにもよって彼女が僕の仕掛けた爆弾を見つけるものだから、さぁ困った。きっとものすごく面倒くさいことを言い出すぞ。「犯人を引きずり出せるかどうか、賭けをしない?私が勝ったら笹子くん、キミ私の下僕になること!」…ほらね。そのまま二人仲良く、文化祭を控えた学内で起こる怪事件に次々巻き込まれるハメに―。かまってほしい彼女と彼の、学園謎解きラブコメディ。

全裸男だけ特に意味わからんかったんだけれど、あいついったいなんなのー!? 正体不明のままスルーされてしまって、すごい気になるんだけれど。あんなのが深夜に徘徊している中学校って、かなり怖いんですけど!
まあその人は特別にアレだったのだけれど、その他の人々も相当にアレというかそれ越えちゃダメよ、というラインを越えてしまってる気がするんですよね。大丈夫なの、これ!?
少なくとも、これ高校生になってやってたらアウトだよね、という行状がチラホラと。いや、中学生でもやっぱりアウトだと思わないでもないのだけれど、「やらかし」に対するハードルの低さというか自覚のなさ?というものがどうにも中学生らしくて、一旦途中で「あれ? これ高校が舞台じゃなくて中学が舞台なんだよね?」と見返して、頷いてみたりしたのであります。わざわざ中学生たちを主人公にしたのも納得というかなんというか。
……若干名、大人のくせに何やらかしてんだ、という人もいますけれど。あんたそれ、普通に警察沙汰ですからね!? まあ中学生でも子供でもそれはあかんやろう、というのも幾つかあるんですけれど、一方で学校自体が問題を積極的に隠蔽しますよ、という体質になっちゃっているのを子供たちもかなり確信的なのか具体的に把握しているので、それを見越してラインひょいひょい超えちゃってる部分もあるんですよね。
この学校、なんかもう相当にひどいことになってるんじゃないだろうか。だろうか、って疑問形にするまでもなく、最後の小手毬の盛大な暴露の内容を見ると疑いの余地もないのですけれど。
これを、ただ笹子くんを見返してマウント取るためだけにやらかしてしまう小手毬は、もう本当にアホだろう! この子、あれだけ簡単にあれこれの事件の真相をパッと見抜くんだから地頭は相当に良いはずなんだけれど、その頭の良さの可動範囲が狭すぎて考えなしの領域が逆に広すぎるんですよね。おまけに咄嗟の機転もきかないし、予想外のことが起こるとフリーズするし、そもそも対人能力皆無だし、そのくせ性格悪いし面倒くさいし……ダメっ子極まる!!
まあ彼女に限らず、主人公の笹子くんだって小手毬に負けず劣らず頭良いのは、最後の爆弾予告の真実を見抜いたように明らかなんだけれど、開幕冒頭でなにやってんだー!と言いたくなるような考えなしの思春期の暴走、をやらかしてるのを見ると大概だし、丸瀬の酷い自爆を見せられると、頭が良いこととバカなことは反比例しないんだよなあ、としみじみと思ってしまいました。ただ、彼らの視野の狭さや思慮の浅さ、短絡さというものは、なんかこう中学生っぽいんですよね。これ、中学生に対する偏見だろうか。でも、高校生くらいにまでなると、こういうことはダメなんだ、リスクが高くてやってられない、というセーブが効く気がするんですよね。
まあ、大人のくせにまったく自制のきいてない輩もいるのですけれど。あれは本当にダメですよ、もう。
小手毬ちゃんに関しても、この子が大きくなって自制が効く姿も想像できないんですけどね。大きくなってもダメっ子はダメっ子、トラブルメーカー以外にはなり難いのです、きっと。でも、この果てしない駄目さが可愛らしくもあり、直接関わるのは極めて鬱陶しくもあり、目をつけられ絡みつかれた笹子くんはもうずっと面倒見るしかないんじゃないですかね。お世話係、お世話係。

高木 敦史作品感想