【友人キャラは大変ですか? オフコース】 伊達 康/紅緒  ガガガ文庫

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俺こと小林一郎は、ただの友人キャラである。親友・火乃森龍牙の世界の命運を懸けた戦いに関わってしまったり、龍牙ヒロインズと次々フラグを立ててしまったり、敵の美少女使徒たちが居候してきたり、ラスボスである魔神に取り憑かれたりしているが、やはりただの友人キャラである。『そんな友人キャラがいるかァ!』というご指摘はいったん呑み込んで頂きたい。俺もツッコみたくて必死に我慢しているから。これは、そんな俺の苦悩に満ちた、日常の記録である―。

短編集どころではなく、掌編集というような短い話を集めたもので、どうやら新聞の方に連載していたものを改稿してまとめたもののようなのですが、これいきなり新聞で連載されても原作知らないと事情の方がさっぱりわからないんじゃないだろうか。はじまりの方で一応原作の展開の説明はされていましたけれど、ざっくりとしたものですし何より一郎の奇天烈極まる友人キャラへの拘りというものは、原作のあのしつこいまでの偏執的な彼の側面を見ないとなかなか伝わらないんじゃないでしょうか。
とはいえ、原作を読んでいる身からするとこの掌編集は見ていて楽しいものでした。特に大きな事件が起こるでもない日常の様子を徒然と描かれることで気楽に楽しめましたしねえ。
まあ、日常風景の方は本編の方でもわりと分量割いて描かれているのでここでしか見れない姿、というのは案外無いとは思うのですけれど、けっこう多くなってきたキャラが満遍なくこうやって登場するのは本編では意外となかったことなので嬉しいんですよね。龍牙ヒロインズって意外と横のつながりが少ない、というわけではないはずなんですけれど、本編だと意外と絡みが少なかったりするのでその意味ではここで見るヒロインズの友人関係というのは新鮮だったりしますしね。
何気に、三姫とのライバル関係の絡みの方が多かったりするんですよね。ここでも、そのライバル同士の丁々発止はよく見られましたし。というか、本編よりも特に事件やトラブル、問題が背景にない分気楽にやりとりしているので、普段よりも仲の良い姿が見られたり。
てか、ほんとに普通に仲良いですよね、こいつら。敵同士なのにw
小林家の家庭内の様子もお陰様で丹念に描かれているので、三姫のあのもう居候という段階を完全に通り越した所帯じみた家族感がなんともほのぼのさせられます。テッちゃん、魔神でボスのはずなのに家庭内ヒエラルキー自然に一番下になっちゃってるよな、これ。でも、蔑ろにされているわけではなくて、なんだかんだ頼られているのはテッちゃんの不思議な魅力でもある。パシリとして尊ばれている気もするけれど。
そして、ここでも小林家のオカン力を見せつける魅怨さん。小林家の内部の仕切り方がもう完璧におかあちゃん、なんですよねえ。主婦力の高さが素晴らしすぎる。それでいて、おばちゃんくさくなくて、怜さんとファッション談義で盛り上がっているようにセンスも良いし、生活力あるし、可愛いし、とお嫁さんにしたいキャラナンバーワンの座は圧倒的すぎて揺るぎなさ過ぎます。
龍牙、君は残念ながらダメだ。気がついていないけれど、君は色物系ヒロインだぞ、その本性は。
何気にテッちゃんと相性ピッタリに見えるのはあれなんなんでしょうね。
ちなみに、小林一郎の呼び方で一番自分がキュンと来るのはやっぱり魅怨の「一郎くん」です、あれが一番好きw

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