【可愛ければ変態でも好きになってくれますか? 4】 花間燈/sune  MF文庫J

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襲い来る瑞葉!! 迫り来る瑞葉!!
最早、我が家にさえ俺の逃げ場はない―――。

ついにラブレターの差出人が発覚!?
……したけれども俺のラブコメは終わらない。
学校だけでなく安住の場所だったはずの自宅でも、気持ちに素直になった妹、瑞葉のラブラブ波状攻撃に悩まされることに。
こうなったら逃げ出すしかない! と家出してみても行くあてが特になかったので帰宅する始末。
あれ、まさか俺の人生は詰んでいるのか?

夏休みも後半戦に入ってお祭りに海水浴と数々のリア充イベントをこなしているはずなのに
どうして俺の周りはこんなことに……

新感覚の変態湧いてくる系ラブコメ、残暑を満喫の第四巻!
え、ちょっと待って。まさか瑞葉もへ(文字数)


ずっと探していたシンデレラは無事見つかりました。
その相手である妹は、実は両親の友人だった事故で亡くなった夫婦の娘で血の繋がらない義妹でした。
その義妹は、実はお兄ちゃんを異性としてずっと愛していて、誤魔化しも思わせぶりな態度もなくストレートに愛を告白してきたのでした。
ついに思いの丈を打ち明けた妹は、真正面から求愛活動を進めてきて、その言動はとてもかわいらしく健気で、兄は妹のことを普通の女の子として愛おしく思うのでした。
めでたしめでたし。

……はい、しゅうりょーー!!
試合終了のゴングが鳴りましたよ。完全円満決着でした。文句のつけようもないくらい大団円じゃないですか。というわけで、本作はハッピーエンドで最終回。

と、なぜならない!? いや、わりと真面目になんであかんの!? となってしまった。
そりゃ……ね? 多少はうん、妹の性癖は一般的な良識からは外れてるかもしれませんよ。なにしろ、露出狂ですからね。大っぴらにやれば、警察さまのお世話になってしまいかねないアレですけどね!?
でも、瑞葉の場合はストーリーキングをやるような公共の場でみんなに見せつけることに喜びを覚えるようなところまでイッてしまった手遅れなレベルじゃなく、こっそりと一人で楽しんで興奮するだけの大人しいものですし、他人に見られることに関しては知らない人には見せたくない、と思っているレベルなので、まあまあギリギリセーフじゃないですか。
それを、変態というだけで、あれだけドキドキときめいて陥落寸前だったのにうん無理、となってしまう慧輝のあのざっくりとした感性はちょっとわからないなあ。瑞葉に対するこの態度のみならず、彼に関しては最初から自分の理想ばかりを見ていて、肝心の相手の女の子のことは時々妙にすっぱり割り切ってみている時があって、ちょっと恐ろしい面が垣間見える気がするんですよねえ。
恐ろしいというのは言い過ぎかもしれないけれど、恋に恋する女の子的なところがあるというか、まだ本当に女の子のことを好きになった事がないんじゃないか。そのくせ、恋というものに浮かれているんじゃないか、と思えるところがある感じ。
結局の所、本作のヒロインたちはまだ主人公をおなじダンスを踊る舞台の上まで引きずり下ろせていないんじゃないだろうか。まあ、はっきり告白した瑞葉以外のヒロインは、慧輝に対して好意をぼかして迷彩かけてごまかしていて、本気かどうか伝わらないようにして真意を濁している、とにかくはっきりしない態度なので、その意味ではヒロインたちも舞台にあがっていないとも言えるので、なんとも全体的にふわふわと地に足がついていない感覚を覚えてしまうんですよね。
その中ではっきり告白した瑞葉はえらいと思うし、だからこそ変態という一言で斬って捨ててしまった慧輝には不満を感じるのである。ってか、変態が拒絶の理由になるのなら今まで関わりのある女性陣は全員恋愛対象から外れる、と明言したのと同じになってしまうんじゃないだろうか。今まで変態だからダメ、とまでは言ってなかったと思ってたんだけれど、そうじゃなかったんだろうか。
ともあれ、これでは思い切って告白した瑞葉が可哀想なので、もう少し彼にはちゃんと対応して欲しいなあ。

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