【転生したらスライムだった件 5】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

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リムル不在のテンペストは、騒がしいながらも穏やかな日々が続いていた。しかしそれは、『武装した人間の集団がテンペストへ向かっている』との奇妙な情報がもたらされた事により終わりを迎える。重ねるようにして、友好を結ぶ獣王国ユーラザニアから、魔王ミリムに宣戦布告されたとの凶報が入った。騒然とする中、遂には主であるリムルとの思念伝達まで途切れてしまう。拠り所を失ったテンペスト幹部達。それは、絶望と狂乱の幕開けでしかなかった。そして、新たなる魔王が誕生する―。
どわーーー! これはまたこれはまた、凄まじいことになってしまった。
これまでリムルのパワーバランスって魔王級に匹敵するほど強いけれど、突出するほどではない、というくらいの感じだったんですよね。カリュブディスに対しても決定打がなかったし。
一方で、引き出しも多くてポテンシャルも底なし、奥の手をいくつも内包している上に敵をまるごと吸収できるような能力もあり、いわゆる格上に対しても勝てはしなくても勝負つかずの引き分けか、最悪逃げを打つことが出来るだろうという安心感みたいなものがあり、これはリムル自身も自覚を持っていたところだと思う。
それを初めて揺るがされるほどの危機感を抱くはめになったのが、ヒナタとの戦いだったわけだけれど、あれほど絶体絶命のピンチに追いやられながら結局シレッと見分けつかない分身を身代わりに逃亡できているあたり、ほんとこのスライム強かナリ、というところなんですけど、それでもまあ勝てない相手というのは珍しくない、というくらいのポディションだったんですよね。
それでも、彼の……リムルの目的からするとそれは特に問題にならないはずだったわけだ。魔物たちを取り纏め、人間たちの国家とも仲良くしてみんなウィンウィンで豊かになろう、という方針においては、何かしらのちょっかいを掛けられてもそれを適当に退けられるくらいの力があれば、負けない力があれば十分、と考えていたのだろう。今までリムルは、それほど力の習得などには執心ではなかったですしね。
でも、それだと一方的な理不尽な悪意を防げないのだと、知らなかった。
自分一人は負けなくても、自分の大事な者たちは守れないかもしれない、という可能性に気づかなかった。
それはやはり、油断であり、甘い考えであり、世の悪意と欲望を過小に見積もっていた、ということなのだろう。思えば、これまでリムルが出会った人々は、人間も魔物たちも善性を強く有したものだった。過剰な悪意というものを、直接突きつけられたことはなかったと言えるだろう。
だからこその悲劇であり、リムルにとっての衝撃だったのだ。

でも、これまでリムルが培ってきたもの、築いてきたもの、結んできた関係というのも決して無駄でも無意味でもなく、それは確かな実績であり、この世界の真実の一つであったのである。
リムルは、世界にも、人にも、裏切られなかった。

悪の魔物を征伐する正義の人間たち、という構図にしたかっただろうファルムス王国や西方教会の意図と異なり、ブルムンド王国やドワルゴンから訪れていた人間たちは攻め寄せてきた軍勢の非道に憤り、情理両面からリムルのこれまでを全肯定してくれた。
そして、エレンたちは攻めてきたファルムス王国の兵士たちとはいえ、おなじ人間である彼らの多くが犠牲になることを承知で、リムルに喪ったはずのものを取り戻すための方法を、教えてくれたんですね。人だとか魔物だとかという種族ではなく、恩人に報いるため、友人を助けるため。彼女らは胸を張って決断したのだ。
もし、彼らがいなければ果たしてリムルが辿ることになっただろうこれ以降の道筋は、いったいどうなっていただろう。三馬鹿冒険者たち、登場した当初は賑やかしの面白連中としか見えなかったんだけれど、まさかこれほど重要なキーキャラクターになるとはねえ。さすがは、シズさんの最後のパーティーメンバーである。
どうやら、エレンたちはただの冒険者たちではなく、事情があって故国を飛び出している結構重要人物な人たちみたいなので、これからも結構物語に深く関わってきそう。でも、裏表なくいい奴らなんで、登場人物の中でもこの娘たちは好きですわー。

にしても、リムル覚醒がまさかここまでどえらいことになるとは。盛りすぎじゃね!? というくらい、詰め込む詰め込む。ほんとなら、大賢者が「智慧之王(ラファエル)」になってアルティメットスキル獲得!ってだけでも一回のパワーアップとしては最大値に近いだろうに、そこからさらに積むわ積むわw
このアルティメットスキルって、一つ持ってるだけでも上級魔王とかの資格貰えるようなレベルのあれなんじゃないだろうか。それをまあ……。
トドメに、今まですっかり忘れられていた、とか言ってしまいたくなるかのヒトの復活である。
とんでもないパワーアップしたリムルだけでも、いきなり世界のパワーバランスを崩しかねないボスキャラ出現! てな感じだったのに、さらにおなじかそれ以上のレベルのあのヒトが再臨である。
ボスキャラが二倍である。おまけに、総じてリムルから名付けを受けた魔物たち、大進化してしまって魔国連邦の戦力の底上げがひどいことになってるのに。
あかん、これオーバーキルする気満々だ。最大HP1万くらいの敵に、一撃で400万くらいのダメージ与えてオーバーキルキルしてしまう気満々だ!
そして、リムルさんが誰かを敵認定していますよ。あいつ、ボコっちゃる件カチコミじゃ皆の衆!的な宣言しちゃってますよ?
はい、ご愁傷様ですクレイマンさんw
次回は、汚え花火が打ち上がりそうだぜぇ。

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