【転生したらスライムだった件 8】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

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大盛況のテンペスト開国祭に、怪しい陰が忍び寄る! ?

ついに始まったテンペスト開国祭。リムルを初めとし、その配下の魔物も出し物の準備に余念がない。
コンサートに始まり、技術者垂涎の研究発表会、更には巨大アトラクションと化した巨大迷宮と、参加者が度肝を抜かれることばかり。そしてメインイベントの闘技会では、“勇者"閃光のマサユキが参加を表明し、観客は否が応でも盛り上がる。
果たして魔王リムルとマサユキの邂逅は何を生み出すのか。
そして迷宮の最奥で冒険者を待つヴェルドラさんの運命は……。
あのシチュエーションで増長したり調子乗ったりしていない……あんまりしていないマサユキくん、あれはあれで結構偉いんじゃないだろうか。何もかもが都合よく転がっていて苦労する必要がなくみんながちやほやしてくれたら、若者でなくたって勘違いしてしまうものだろう。
まあ、都合の良さが強引過ぎる上に彼自身本当に何もしていないので達成感もなにもあったものじゃないですから、得意になるもなにもあったものじゃないのかもしれませんが。それに、マサユキくんが望んだことが叶うんじゃなくて、彼の希望関係なく英雄に祭り上げられちゃってる状況ですからね。何を言っても聞いてもらえず、何も思う通りにいかないというのはかなりのストレスだったろうと想像できます。それで投げやりになったり八つ当たりしたりいい加減な振る舞いに走らなかった時点でも、大した子だなあ、と思うのです。そもそも、彼のユニークが発現したのは間違いなく、彼が何の力も持たない時点で勇気を示したからこそ、スキル発現の条件がクリアされたわけですからね。
まあその後、筋トレすらもしていなかったみたいだけど。調子には乗らなかったかもしれないけど、謙虚に自分を鍛えるとかしなくて楽に流されるにまかせていたのはさすがの現代っ子である。
でも悪い子では全然なかったので酷いことにならなければいいなあ、と心配だっただけにリムルさんの判断には一安心。別にマサユキくん自身思い上がって云々な状態じゃなかったので、一度痛い目見ろみたいなのを期待する場面でもなかったですしね。それでも、勝手にどんどん勝ち上がっていってしまうのはイマイチ観客と違って盛り上がらなかったですけど。
折角の四天王、ゲルドさんじゃなくてゴブタの方かよ! いやこれリムルさんはネタと思ってそうですけど、世間一般では世界そのものが厨二思考みたいなものだから、めっちゃそのまま受け取られちゃうよ。ゲルドさん無役は本当に惜しいので、べつにもっと四天王みたいなの作ったらいいのに。人材は豊富なんだから。
でも、リアル「やつは所詮四天王最弱!」な枠の人が誕生するのは何気にはじめてみたかもしれないw

さてついにお祭りも開幕。クロエら子供たちは連れてってやんないのかなあ、と心配してたらちゃんと招待、リムルが自分で誘いに行ってくれて一安心。お祭りは大人も楽しいけど、子供こそ娯楽少ないんだから遊ばせてあげないとねえ。リムルが引率するのかとも思ったけれど、さすがに王様忙しいか。だからといってヒナタが子供たち預かってくれるとはこれも想像せんかったけど。あんただって偉いんだから遊んでてええんかい、と言いたくなるヒナタさんですが、この人完全に遊ぶ気モードである。後々振り返っても、このお祭り一番満喫してたのって、ヒナタと彼女の主であるルミナスが双璧なんじゃないのか。
技術発表会はともかくとして、音楽演奏会が出色でした。魔物の国、という印象を払拭するのに文化面でこれほどのものを見せられたら、そりゃ考え方見方根本からひっくり返るよなあ。シュナはともかく、シオンがヴァイオリニストできるとはイメージひっくり返るわ。
技術発表会の方も、あれリムルがまったく関わってないというのがいいんですよね。どんどん、みんなが自分の力で花を開かせ、実をなしていっている実感が出てくるじゃないですか。

肝心のダンジョンの方はというと、あのアトラクション、実際に中に入って探索する冒険者たちだけのためのものじゃなくて、その様子を映像で闘技場に映し出して観客に観戦させる、ってそれ凄いじゃないですか。事前に予想していたのと、事業規模や展開の方向性が根本から変わってくるぞ!?
でも、死んで上等なダンジョンなだけに映像18禁なグロいのが連発されそう、ってこの異世界じゃ別に問題にはならないのか。

お祭り中ロッゾが仕掛けてきた経済戦も、なんとかミョルマイルと各国の支援をもってしのげたけど、これ相手方が魔国とドワルゴンはじめとして近隣各国との密接な繋がりを把握していなかった、ということなんでしょうね。魔国単独が相手ならともかく、各国が経済支援はじめたら途端に意味なくなる状況でしたし。既にあれだけ経済圏を確立するような施策を各国に示している状況では、後手後手な攻め方もいいところでしたし。その意味ではリムルの動きがあまりにも早すぎるんでしょうけど。トップダウン型の極地の一つだわな。

で、ラストの爆弾炸裂である。ってかリムルさん、まったくそんな疑ってる素振り見せてなかったじゃないですかー!? おかげで、まったくその人とは考えてなかったですよ。言われてみると、あそこで出てきた人って幕間でちゃんと登場してましたね。しまった、全然気づかなかった。

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