【魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか 2】 いかぽん/カカオ・ランタン  ファミ通文庫

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冒険者のウィリアム達は、オーク退治のクエストを遂行中に出会ったエルフの娘に連れられ、彼女の集落へ赴く。しかしそこでオークによって重傷を負わされた彼女の母親から、仲間が敵地に取り残されていると告げられる。救出作戦に参加することになったウィリアム達。統率された百を超える軍勢を前に、彼の導き出した戦略は―!?そしてウィリアムとサツキたち女性陣の関係にも変化の兆しが見えて…!?Web発の大人気異世界冒険譚、緊迫の第2弾!
いきなりサークル崩壊、じゃなくてパーティー崩壊の危機。恋愛問題は容易に小さなグループ内の空気をギスギスさせて維持不可能にしてしまうんですね、わかります。
いやこれ、真面目にウィリアムが鈍感なふりせずに特に態度が露骨なサツキに好意の有無を確認した上で、自分は冒険優先で恋愛はその邪魔になってしまうから後回し、とはっきり告げたのはタイミング的にもギリギリでファインプレーだったんじゃないだろうか。
ともかく、ウィリアムの意志と優先順位がわからないままだったら、女性陣としても自分の気持を優先して考えずには居られなかったでしょうし。ウィリアムが冒険優先だとはっきりしていたからこそ、自分たちの気持ちをちゃんと表明した上でウィリアムの意志を尊重して自重する、という協定が結べたわけですから。
まあでも、そこかウィリアムの意に反しない範囲から彼の優先順位を奪い取るだけの寝技を仕掛ければいい、という話にもなってしまうのですが。やりすぎてしまうとレッドカードが出てしまうので何気に微妙な加減が求められてしまうので、恋愛初心者な女性陣には難しいところでしょうし、あんなこと言いながらウィリアムの優しさは結構ズルいだけに、まあ脆そうな協定ですけど。
あくまでサツキ、シリル、ミィの三人の間での牽制関係だけに、外部からちょっかいかけられたらあっさり崩れてしまうものですし。
そもそも、ウィリアムあれでチョロいからなあ。アイリーンもいることですし、こっち方面の方はそのままなし崩しになっていきそう。

今回はエルフたちの味方をして、攻め込んできたオークの集団と戦うという集団対集団戦の様相を呈していたのですが、パーティーの戦闘管制のみならずウィリアムって集団戦闘の作戦立案まで出来るのか。そのあたり、魔導師の教育の範疇ではない気もするのだけれど。
地形を利用し相手の心理状態も誘導して、自分の火力を冷静に計算のうちにいれ、最大効率最小被害での戦闘結果を導き出す。派手だったり奇策を講じたりするわけではない、手の内にある札を使ったけっこう堅実な作戦で、戦力的には上であるオーク勢を打倒していく戦闘パートもなかなかおもしろかったです。あれ、最後アイリーンと途中で合流できていなかったら結構苦しい戦いになってた気もするけれど。
でも、鳥に化けて俯瞰的に敵の位置を把握できる、というのは圧倒的優位なのでアイリーンがいない場合でも、うまくオークの進撃先を避けながらチクチクと戦力削ってなんとかは出来たかしら。

1巻感想