【デート・ア・ライブ フラグメント デート・ア・バレット 5】 東出 祐一郎/NOCO  富士見ファンタジア文庫

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「第六領域への扉を開かせたいなら―お金を稼いでね」
第七領域の支配者―佐賀繰由梨から提示された条件を満たすため、時崎狂三と緋衣響はカジノでお金を稼ぐことに。スロットでスリーセブンを出すも目標金額には、まだ遠く。時同じく第七領域に集う第二、第四、第六領域の支配者たち。
「つまり皆様、わたくしと敵対するおつもり…ということでよろしいですわね?」
支配者たちと全財産を賭けてポーカー対決をすることになった狂三は勝つための手段として、夜の街でバニーガールに!?さあ―わたくしたちのギャンブルを始めましょう。
バニー超似合いますね、狂三さん。そう言えば、かの伝説の「僕だけの動物園」では狂三のバニー姿だけは拝めなかったので非常に眼福。狂三的にはバニーガールってありなんだろうか。自慢のゴスロリとはだいぶ方向性が違うのだけど。
今回は第二、第四、第六、第七の領域支配者が一斉に集っての盛大なギャンブルパーティーとキャラも揃えてまいりました。ここで顕著に白の女王と領域支配者たちとの対立に狂三がキーパーソンとして重要な役どころを担う、という構図が定着してきた感がありますが、恐ろしいのは誰が白の女王の手駒になっているかわからないところ。「恋」を感染させることによって領域支配者ですら容易に駒へと引き落としてしまえる白の女王は、単身でありながら既に隣界全体を敵に回しても押しつぶせるくらいの勢力になってきてるんですよね。そもそも白の女王自体が狂三の反転体なら、彼女もまた準のつかない精霊になるわけですし。
ともあれ、第七領域はギャンブルによって成り立つ世界。次の領域に行くには一定のお金を稼がないといけない。となると、いかな正規の精霊と言っても狂三も力押しでは攻略できない。
めっちゃ強盗で強奪する気満々でしたけどね! 力押しでぶち抜ける気満々でしたけどね!
それでもまあ、各領域支配者を相手に回し、ポーカー勝負で通行権をかけて勝負することに。時崎狂三といえば、数いる精霊の中でも決して脳筋型ではなく、戦闘脳ではなく、むしろ影に潜んで暗躍して手のひらの上ですべてを操ってみせる、いわば精霊の中でも屈指の知略派。この手の騙し合いペテンの掛け合いに関してはスペシャリストでもあったわけで。
でも、このギャンブルに関しては策や寝技ではなく、思いっきり女は度胸! で押し切ったようにも思えます。ポーカーこそ、ポーカーフェイスの語源の通り感情を揺らさないこと、で勝敗が左右されると言えるので、その肝を抑えきっての勝利なのでしょうが。
だからこそ、勝負に際しての感情を隠しきってみせた狂三が、勝負のあとの響の本音に赤面しきってしまったのって、余計に来るんですよねえ。いやもう、狂三の響への信頼度親愛度がパないことになってるなあ。
後半のミステリー編。犯人は誰だ、という推理パート。ここでようやく七罪が該当する第七領域らしくなってきた、と言えるのでしょうか。いや、騙し合いというギャンブルも、本編での七罪担当回を振り返ると当てはまっている気もしますけど。
カラー口絵のシャーロック風のインバネスコートと鹿撃ち帽の狂三コスプレは、これまたご馳走様でした。このシリーズ、狂三ファッションショーとしての側面も大いにあるよなあ。
このミステリーパートも、終わってみればこのシリーズで一貫している「恋」の物語でした。恋に足を滑らせ、恋に狂い、恋に沈み、恋に潰える。無残で憐れで独り善がりで他人をも巻き込む凶行で、しかしそこに一切の後悔を残さない、そんな恋の残酷な物語。
白の女王のもたらす恋は、そんな破滅の恋ばかり。狂三の在り方にも多分にそうした在り方があるからこそ、反転体の白の女王の振りまく恋は凶悪な疫として引き立っているようにも見える。次々とそんな白の女王が感染させていく恋を目の当たりにし、対峙する狂三は己のうちに燃え盛る熱い熱い恋情を、果たしてどのように扱うのか、花咲かせるのか。
そろそろ、クライマックスも近づいてきましたか。

シリーズ感想