【エクスタス・オンライン 07.白金の竜姫と記憶は巡る】 久慈 マサムネ/平つくね  角川スニーカー文庫

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拡張パックの適用により、ゲーム内での死が現実の死となってしまった!恐ろしいルール改定がなされる中、かつての同級生『式場拓海』が2Aギルドに襲いかかる!一方堂巡はヘルシャフトであることを雫石に知られてしまい絶体絶命の状況に!再び“ヘル&ヘブン”の餌食となる雫石が下した決断とは!?そして堂巡を疑う朝霧もまた謎の黒幕“鏡の仮面”と会っていた!?お互いの立場を探りながら話そうとする堂巡に対し、朝霧は不意に―キスしてきて!?疑心し、揺れ動く思いが真に繋がるとき、一つの力となって物語は動き出す!巡り、別れ、結実する第七巻!

なるほど、朝霧の事情が明らかになることで今まで引っかかっていた部分がキレイに筋が通った。加えて、堂巡の方の記憶の齟齬の方もメルの中にあったもうひとりの「誰か」のこともドミノ倒しみたく一気に真実が表に出てきたことで、概ね朝霧や堂巡たちに何があったのか、という一番肝心な部分がスッキリしたんじゃないだろうか。
まさか、ここまで一連の出来事、事情が一連なりに関連付けられていたとは思わなかったけれど。
朝霧と堂巡、そしてメル。この三人がそれぞれお互いに紡いだ大切な時間はズレていて、同時に記憶の断絶や真実の埋設ということもあり、三人がこうしてエクスタス・オンラインの中に同時に存在していながら、噛み合うこと無くすれ違っていた、とも言えるのだけれど、今ようやく三人がすべてを知って同じ時間を共有できた、というのは奇跡のようでもありそれが時限式であることから切なくもあり。でも、何も知らずに消えていくことに比べたら、再会は喜ぶべき奇跡なんだよなあ。
ちなみに、朝霧から堂巡への感情は本人もチラッとこぼしているけれど、どうしようもないくらい吊り橋効果だとは思うぞ。それを言うと上司の哀川さんは若干ストックホルム症候群めいたところがあるのでどっちもどっちだけど。果たして、これもし元の世界に戻れたとして、同じような関係を維持できるのだろうか。ヘルシャフトの正体明かした時に、朝霧のあの「知ってた」はなかなか味のある懐の深いセリフでした。雫石はそのへんでまだ朝霧にヒロインとして一歩差がつけられてる感があるなあ。
消息不明だった残り半数のクラスメイトたち。この第六天魔王の顛末はなかなかエグいものがありました。こっちのクラスメイトたちが何だかんだと揉めながらも穏当にやってこれたのは、死んでも生き返れるというゲームとしての体裁が整っていたからなのは確かなんですよね。最初からデスゲームだったら果たしてどこまで結束を維持できていたか。でも、リーダーの一之宮はなんだかんだとよくやってたと思うんだよなあ。彼のようなまとめ役が向こう側にいなかったのもまた悲劇を加速させてしまったのか。
だいぶ一気に完結までまくってきた感もあるけれど、ここまで来たら勢いを失わずにキレイに締めてほしいところであります。