【転生したらスライムだった件 11】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

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勇者が目覚めるとき、運命の歯車が動き出す―。魔王ルミナスとの約束である音楽会を開催するため、神聖法皇国ルベリオスを訪れることになったリムルたち。進む音楽会の準備―だが、その裏側ではリムル、そしてルミナスをも巻き込む狡猾な陰謀が張り巡らされていた。はたして音楽会は無事に開催されるのか!?

思ったよりも早かったクロエの伏線回収、ってこれは自分がほぼまとめ読みしているからそう思うだけで、クロエの登場が4巻なのでむしろ相当に待たされたと捉えるべきなのか。
あの時点ではまさかルベリオスやヒナタに関わる伏線だったとは想像もつかなかったですしね。未来のクロエという正体がわかっていたにしても。
でも、リムルが本来進むはずだった未来がここでは大きく違ってきているというのは驚き。やはりあの魔王化は大きなターニングポイントだったのか。あそこまでとそれ以降では確かにリムルの存在感がバグったのか、と思えるくらいに異なっていますもんね。リムル自身の強さもそうですけど、それ以上に雪崩をうってリムルを取り巻く環境が激変し、そのうねりの中に世界の命運を握るような面々が取り込まれて、一緒にお祭り騒ぎを繰り広げることになっている。今となっては、リムルの手を離れて勝手にお祭り騒ぎに便乗して世界を変えちゃうような発見や発明をしてる人たちも出てきているし、オクタグラムの面々もどんどんこのうねりの中に入っちゃってきてるんですよね。
ルミナスはもとより、今回に至ってはディーノが居候を決め込んできて、さらにレオンも合流してきてギィですらも超然と見下ろしているわけにはいかない状況になってきたわけで。
レオンは、なんか思っていた以上にイイ男でしたね。もうちょっと面倒くさい奴かと思っていたけれど、面倒臭さの方向性が想像していたのと違っていたというか、内面で拗らせているのではなくて内面を表に出さないことで拗れているタイプだったのか。シズさんもそう言えばぶん殴ってほしいという希望はあったものの、それ以上は特に望んでなかったもんなあ。
むしろ、リムルとは内心があんまり周囲に正しく伝わらないモノ同士のシンパシーみたいなものが通じ合っている気がする。なぜか、二人の間だと言葉を介さなくても意図が通じ合っちゃって、妙に噛み合ってたし。ヴェルドラやミリムといったマブダチとはまた違う、気の合う関係になりそうな感じがあるんですよね。
しかし、今回元勇者だというグランベル翁の本性が明らかになって思ったのですけれど、勇者と呼ばれた人たちって確かにみんな相応の勇者らしいあり方をしてたんだなあ、と。レオンも誤解もあり、本人の執着もありで今となっては魔王と成り果ててますけれど、サリオンの女王様から今も可愛がられているように勇者としての善性、或いは人間性というべきものを失ってはいないようですし、グランベル翁も最後には勇者としてのケジメの付け方をビシッと見せてくれたわけで。この世界における勇者ってもっと胡散臭いものだと思ってたのですけれど、それぞれ勇者を名乗った人物の詳細を見ていくと、変に役割立てられていない分立派な存在として機能しているのかもしれない。いやまあ、レンもグラン翁もその過程で盛大に足を踏み外してはいるんですけどw
でもグランベル翁なんか、マリアベルの添え物という認識だっただけにこのリムルと敵対するには既に力不足であったはずなのに、見事に窮地に追い込まれる強敵っぷりを見せられましたからね。何気に、これほど難敵は久々だったんじゃ。

今回一番驚きだったのは、シオンの成長でしょう。いや、能力的にはビシバシ毎回どんどん強くなってたのは間違いなかったのですが、メンタル面ではさっぱり成長せず脳筋のままリムルも目を離すと何をしでかすかわからないと心配するばかりだったのですが、ここにきてようやく精神的な成長を見せてくれたのが、驚いたのなんの。あれはもう成長の余地のない宿痾かと思ってたのにw
もしこのまま、取り敢えずぶん殴って解決、という脳筋思考から解き放たれたのなら、ディアブロよりもマシな扱いになるんじゃないですか? というか、ようやくヒロインらしくなれるというか。
この巻ではクロエが盛大にヒロインとして殴り込んできたのと同時に、ついにヒナタがリムルのことをちゃんと気にし始めるというターニングポイントでもありましたからね。
物語的にも今回の一件ではヒナタこそがメインヒロインみたいな役回りでありましたし、何気にリムルが一番女性として意識してるというか気になってる素振りを見せるのってヒナタなので、いやリムルはスライムで性別に関してはもうトンじゃってるのですけど、それ抜きにして面白くなってきた。

ところで、戦力的に原初悪魔あれだけ加入させたら戦力バランス無茶苦茶になっちゃったのが酷い。ギィさんがわりと真剣に顔色変わっちゃってるのがなんというかご愁傷様である。

シリーズ感想