【王女殿下はお怒りのようです 2.精霊王の来訪!】 八ツ橋皓/凪白みと  オーバーラップ文庫

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異形の怪物を退け、穏やかな日常へ舞い戻ったレティシエル。
しかし強大な魔術の力を求める国王に喚び出され、息をつく間もなく王城へ。自由を求めるレティシエルに、したたかな国王はとある条件を提示して……?
謁見を終え、学園に戻ったレティシエルは「魔法同好会」を立ち上げる。
同好会の仲間と期末試験を乗り越えてから数日、絶滅していたとされる双子の精霊王ディトとティーナがレティシエルの前に現れるが、二人はレティシエルに突然襲い掛かってきて!?
二人を無力化するべく、レティシエルはついに本領を発揮する──!
常識外れの王女殿下が我が道を往く最強魔術譚、第二幕!!

レティに体を明け渡して自身は消えてしまったドロッセル嬢。憑依系の話の中でもここまで完全に本来の体の持ち主の記憶が憑依した側に引き継がれない、というのは珍しいので気にはなっていたのだけれど。ドロッセル嬢、消えてしまったのではなく引きこもっている、という可能性もあるのか。
どうやら、レティの意識が浮上する前からドロッセル嬢には、魔力無しにも関わらず何らかの力が目覚めていたっぽいしなあ。
一巻の話の展開からすると、レティも元の体の持ち主に関しては全然興味ないようだし、ドロッセル自体辛い現実に耐えかねて心が死んでしまった子、という扱いでそのままレティの元の体の持ち主というだけで、ドロッセル自体にはもう話の中で役割が与えられることはないと思っていたのだけれど。
どうやら、レティシエルもドロッセルの過去と向き合わなくてはならなくなりそう。このまま平易に過去の亡国の姫様の意識が現代の公爵令嬢の体を乗っ取っておしまい、ではなくやはりレティシエルとドロッセルが同一人物として統合を果たさないといけないか、或いは何らかの形でどちらが主体となるのかの決着をつけなくてはならないか、いずれにしてもケジメはつけないといけなさそう。ドロッセルの記憶がなくてもおかまいなし、過去には見向きもしないというスタンスは周りのドロッセルを見下していた相手に対しては痛快ではありましたけれど、ドロッセル自身に対しては可愛そうな側面もありましたしねえ。
レティシエルは愚劣な人間だったり自分に害意を持つ相手、一方的に何かを押し付けてくるような相手にはとことん無関心で無機質な対応しかしない塩対応デフォの子だけれど、理不尽に対しては大いに怒るし騎士的な対応も取るし、誠実な態度には誠意を以って返すし、敬意スべきと思った相手には礼を尽くす。特に身内だと捉えた人に対しては積極的に手を差し伸べる人だけに、そろそろ自分自身でもあるドロッセルという人間に対しても、いつまでも無関心というわけではいかなくなりそうなんですよね。ドロッセルもまた、レティシエルにとっての身内足り得るのか。あの傲慢な妹ちゃんも、彼女自身の過去回想を見ていると姉への愛情あまって憎さ百倍になってる感があるので、もはやどう仕様もない両親と違って、和解の余地もありそうなのを幸いとするべきなのか。

二巻は、一巻の事件の後始末という体が強く全体的にはっきりとした目標に基づく動きや流れがなくて、ダラダラといささか締まりなくエピソードが流れていた感じなので、やや中弛みの傾向が感じられるんですよね。まだ二巻でいささかこの平たさはいかがなものか。新しい友達が増えたりもしていますけれど、ジークとの関係とか全然進んでないどころかジークくん出番少なすぎやしませんかね、これ?
次はもう少し話の起伏がほしい所ですかねえ。

1巻感想