【魔法少女育成計画 episodesΔ】 遠藤 浅蜊/マルイノ  このライトノベルがすごい! 文庫

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アニメ化された第1作から、最新作の『魔法少女育成計画QUEENS』、
WEBで連載中の『魔法少女育成計画breakdown』まで、
シリーズを彩る何十人もの魔法少女が所狭しと暴れ回っています!
ショップ限定特典として発表され、プレミア価格がついたショートストーリーも書籍初収録!
コアなシリーズファンはもちろん、アニメを観ただけの人でもたっぷり楽しめる一冊です!
当たり前のようにラ・ピュセルとスノーホワイトのコンビだと思いこんでいた表紙絵、お姫様抱っこされてるのって、スノーじゃないんだ! 思い込みをご指摘いただいたのですが、言われてみればスノーとは全然デザイン違うんですよね。
そして、肝心のお姫様抱っこされてる魔法少女が誰なのか問題。どうやらオリジナルストーリーを展開している漫画版の登場人物ステラ・ルルという子らしく、この子なんと……ラ・ピュセルと同じ男の子の魔法少女なのである!!
表紙絵デザインが倒錯的すぎる!!
シリーズ第一巻のだいぶはじめの方で脱落してしまったラ・ピュセルの人気は、シリーズが既刊10冊まで出ている現状において根強いものがあるけれど、ついに表紙を飾ってしまうどころか、男の子同士ですごい……しゅごい。
しかし、正体が男の子の魔法少女って、少ないながらも居るのは居るのかぁ。魔法の国ではどういう立ち位置になるのか気になるところだけれど、数が少なすぎて特に中枢近くには関与ないんだろうか。
スノーホワイトの「魔法少女狩り」と呼ばれだした頃の話もなかなかに壮絶。あの内気で大人しく、ラ・ピュセルに守られるだけのお姫様だったスノーホワイトが、泣いてばかりで戦うなんてことこれっぽっちも出来なかったあのスノーホワイトが、如何にして「魔法少女狩り」と呼ばれるほどの修羅へと自分自身を改革したのか。いわゆる過渡期がどんな風だったのかはずっと気になっていたのだけれど……そうなんだよなあ。彼女の場合、覚悟は最初のエピソードの段階でキマっちゃってるんですよねえ。躊躇う余裕も迷う余裕も弱い自分を叱咤するような余裕も小雪ちゃんにはもうなくて、その精神はあの地獄を生き残りやるべき事為すべきことを思い定めた時にはもう既に鋼へと化していたのか。
戦歴がほぼほぼ初っ端の段階でフルスロットルなんですよね、スノーホワイト。ラ・ピュセルとハードゴア・アリスの幻影見せられて、あの反応ですもんねえ。確かに自己分析通り、スノーホワイトは力も技も経験も足りていなくて、内心はずっと怖がってて、弱いままなのかもしれないけれど。
その弱さはもう彼女の足を引っ張らない。
そりゃ、監察の人もドン引きですわー。いやまあドン引きまではしてないんですけどね。そんな監察部の動きの鈍さに、さっさと見切りをつけちゃうスノーホワイトがまた極まっているというべきか。そんな鋼の精神の中で唯一リップルにだけ柔らかい気持ちを持っているのが、救いというべきなのか。

面白かったのが、魔王パム主催の魔王塾+外部参加ありの地獄サバイバル編。往年の強キャラたち、中には後の黒幕さんなんかも参加しているオールキャストな武闘祭なのですけれど、見所はその解説をしている魔王パムのひたすら常識的で良心的でマトモな内面描写。シリーズ通して未だに最強の魔法少女と謳われ続けている彼女ですけれど、その言動を見ていると何気にシリーズ通して一番の真人間なんじゃないかと思えてくるんですよね。それでいて、組織人としてのしがらみや派閥の長としての立場に悩んだり、自身の内心のみっともなさに恥じ入ったり、と頭おかしい人が多い魔法少女界隈の中で、この人のマトモさというのは特筆に値するんじゃないだろうか。あまりにマトモすぎて、あんまり能動的に動けず、その強大な力も自由に振るえなかったっぽいのは皮肉な話なのかもしれないけれど。
それでいて、しれっと能力的にとんでもないことやってたりするので、魔王とか称号得ちゃうんですよねえ。
シリーズ自体止まっちゃったのかと長らく新刊出ない状況に危惧していたのですが、どうやら新作も準備されているようで、ウェブ連載も続いてるんですねー。結構いいところというかエゲツないところで止まっているだけに、再開を期待しております。

シリーズ感想