【なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 5.鋼の墓所】 細音 啓/neco  MF文庫J

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英雄シドの剣と武技を継承し「真の世界を取り戻す」決意をした少年カイ。切除器官を取り込み、他を圧倒する幻獣族の英雄ラースイーエによる世界輪廻の再現をギリギリで阻止。だが、彼らを待ち受けていたのはウルザ連邦への瞬間転移、そして正史にも存在しない第六の種族・機鋼種との遭遇だった。新たなる事態に直面したカイたちが、再びラースイーエの企みを止めるべく休む間もなく作戦を開始。そんな彼らに接触してきたのは、悪魔族の次席ハインマリル。幻獣族の暴走を止めるべく他種族が集結していくなか、少年の知る正史とはまた別の、世界の真実が迫っていた。

ハインマリル、見た目からしてツインテ小悪魔でこうキャピキャピした感じであれこれ腹に一物抱えて裏で動く策士系なのかと思ったら……なんかこう、すごく脳筋系じゃないですか?
いやこう裏で色々と画策はしてそうなんだけれど、最終的にとりあえずぶん殴ればいいじゃん、という結論でまとめているような頭の悪さを感じるのですが。サキュバスロードらしく、魅了使ったり人間関係引っ掻き回すような言動を好んでしているようではあるんですけれど、普遍的なサキュバスらしからぬパワー依存型っぽさが、引っ掻き回し方にしても雑というか力任せな感じが……w
いやそのくらいだからこそ、リンネやレーレーンあたりと釣り合ってるのかもしれないけれど。ハインマリルが本気でカイの事を引っかけようとしていないというのもあるんだろうが、駆け引き巧者がリンネとレーレーンに本気で絡んできたら太刀打ちできそうにないですし。
しかし、カイがちょっかい掛けられてリンネが嫌がるのはわかりますけど、レーレーンも一緒になってあそこまで噛み付いてくるとは思わなかった。エルフ娘さんもそろそろ隠す気もなくなってきましたなあ。
それ以上にブチ切れてたのが、鏡光さんですけど。ってか、ちょっかいだされたのカイに対してではなく、バルムンクのおっちゃんに対してですが。ハインマリルがいらんちょっかいをバルムンクに出そうとした途端にえらい剣幕で激烈な反応を見せたのが鏡光さん。
いやもう滅茶苦茶お気に入りじゃないですか。管理対象とかペットとか一生懸命建前述べてますけれど、はっきりと自分のもの宣言して手を出すなと主張してますし、あれ二人だけの時のやり取り微妙に甘えた風な態度とってますし、あのヒゲどこかそんなに気に入ったんだw
バルムンクの方も普段の威厳はどこへやら、鏡光相手だと口喧しいお母ちゃんか、というくらいあれこれと鏡光に小言をとばしているのですが、ある意味構いまくってるんですよね。お互いツンツンしながらイチャイチャしてるようにしか見えないんですけどw

というわけで、ついに悪魔族まで合流して幻獣族を除いた混合パーティーに。カイの元いた正史でも他種族は敵だったことを思うと、カイが憧れる英雄シドが築き上げた歴史とはまた全く別の世界をこの少年は導き出そうとしているということになるんでしょうか。
リンネの正体についても、ようやく意味深なことを語ってくれる人が出てきてくれましたけれど。
考えてみると、リンネの存在は切除器官や機鋼種以上に謎なんですよね。あの人は随分と核心に近い助言をくれたようにも思いますけれど。
シドについても、他に二人の若いシドが出てきたことで余計に混迷が深まってますけれど、ある程度事情を知っていた、或いは思い出した素振りのあった悪魔族の英雄ヴァネッサ、彼女が再登場すればその辺の謎の解明も進展するかと思っていたのですが……。うん、ヴァネッサは絶対また出てくるとは思ってた。というか特に隠されているようすもなく、ハインマリルが初登場した時からそんな感じは匂わしてましたしねえ。
ただ、ようやく出てきたわりには実はちゃんと思い出してはいないのか、あんまり詳しくは語ってくれないヴァネッサお姐さん。さすがはハインマリルよりも大物感を出してはいるのですが、ところどころ抜けてる素振りもあって、実は一番ちゃんとしているの怠惰な鏡光さんじゃないのか、と思えてきてしまいます。
それにしても、ハインマリルもそうだったけど、ヴァネッサも元がサキュバスとは思えないくらい脳筋ですなあ。

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