【モンスター娘のお医者さん 3】 折口 良乃/ Zトン  ダッシュエックス文庫

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季節はめぐるも医師グレンの人外診察は通常運転。ラミア族のサーフェの治療で口に指を突っ込んで喘がせたり、スキュラ族のクトゥリフ師匠には触手攻めされたり…。そんなある日、メロウ水路街の記念式典で議会代表たるドラゴン娘のスカディが倒れる事件が発生。原因不明の腫瘍が心臓にできており、一刻を争う状況だがその切除は困難を極める。グレンは手術用の特別な道具をサイクロプス族の卑屈少女・メメに依頼し、さらには意外な人物を新たな外科医として抜擢。かくして竜の街、リンド・ヴルムを揺るがす世紀のドラゴン大手術が始まる―。最強タッグがフェチ感満載で贈る“モン娘”診察奮闘記、第3弾!!

表紙絵のスカディ様、このシリーズの中でも屈指の美しさだなあ。
というわけで、今回の患者はリンド・ヴルムの議会代表にして街の創設者でもある竜人スカディ。竜人と表記したけれど、話によると元々本物のドラゴンであったのが、人と関わるうちに適応して人の姿をとってしまった、ということ。ドラゴンの生体が神秘すぎる。いや、今回の病巣からして通常ではありえないものだったのだけれど。
外科手術で腫瘍を摘出しなくてはならない、にしても頑丈なドラゴンの肉体にメスを入れて、針を通し、縫合しなければならないわけでこれまでとはレベルの違う難易度が問われることになる。
さすがにこれは、町医者のグレン一人で手に追えるわけはなく、というか主治医は中央病院の責任者でグレンの師匠でもあるクトゥリフになるので、グレンが助っ人という形になるわけだ。
気になるのは、クトゥリフの弟子たちでグレンほど成長しているものがいない、というあたりだけれど、街の規模を考えると良い医者は何人居ても足りないだろうし、もう少しものになる医者が出てきてもらわないとこれ困るよなあ。クトゥリフ師匠、どうやら学者肌研究家気質で本来は現場の医者とか病院長なんて立場ガラじゃないと自他ともに認めるところらしいし。
本来、凄腕のお針子さんであるアラーニャに、外科の縫合担当として素人ながら助っ人に来てもらわなければならない、というあたりで結構キツイものがあるわけですし。

とまあ、手術自体の難易度に加えて、外科手術用器具の特注、スカディ様本人の手術拒否なんてのが重なって、手術の準備には時間をかけることに。
その間に、サイクロプスのメメの件やアラーニャの性癖などを絡めてあれこれと話しがあちらこちらで進むことに。面白いことに、今回はグレンは手術の準備にかかりきり、というほどではないのだけれど、忙しいということであんまり話の主軸としては出てこないんですよね。その代わりに、サーフェが色々と歩き回る……這いずり回ることに。
年長組、というのはちょっと変ですけれど、ヒロインのモン娘たちの中でも年重の娘たちが結構絡んでいるというか、仲がいいというか、飲み友達というか。今回はアラーニャの他人の物が欲しくなる、という厄介な性癖に絡んで色々と友情が試されることになるのですが、いやこの場合は試しているのはアラーニャなのか。ほぼ自爆型でどこまでやらかしたら見捨てられてしまうか、というアウト前提のそれなので、かなり救いようがないんですよねえ。アラーニャ本人は自分のそういうところが嫌で嫌で仕方ないにも関わらずやめられない、という厄介さなのですけれど。
そういう彼女の悪癖も承知した上で、まるっと抱きとめる……抱きしめてみせるサーフェはほんとうの意味で情に厚い女性なんですよねえ。この娘、自分でもやばいんじゃないかと思ってるくらいには執着的で嫉妬深くあり、肝心のアラーニャも何だかんだとグレンにちょっかい出しているし、場合によっては本気になってしまう危険性があるにも関わらず、アラーニャのこと見捨てるどころかその鬱屈した部分を開放させてあげて、グレンへの初めての恋心の自覚を促してあげるとか、自分の恋敵を増やすのを覚悟した上で友情をとってるのだから、もういい女じゃないですか。
まずもって、自分こそがグレンの本命、という自負と確信があってこそ、なのかもしれませんけれど、自分のネガティブな部分をこうして抑えれるのだから大したものです。
ハーピーのイリィ、人魚のルララ、サイクロプスのメメという年少組も、それぞれ癖があって友達出来にくそうな娘たちがなんだかんだと仲良くなって、お祭り一緒に行動しているのなんか、大人のヒロイン組のそれとはまた違うほわほわした温かさがあって、こういうヒロイン同士の横の繋がり大事にしてる作品は、やっぱり好きですわー。

肝心のあの腫瘍の正体については、先送りになってしまいましたが、最後にまさかの最強の伏兵が登場し、グレンの周辺模様はさらに混沌を深めることに。
いや、スカディさま、それはちょっと反則ですよ!? 病気治って自分の声でしゃべることが出来るようになっただけでも、ロリババア枠確保みたいなものだったのに。あの呼び方はズルいw あざといw

シリーズ感想