【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。2】 妹尾 尻尾/伍長  モンスター文庫

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呼吸するだけで強くなれる神のスキル“神呼吸”を手に入れ、妹を救うためにダンジョンへ繰り出したラーナと、幼なじみのプリネ。2人は第4層で出会ったマルチナとジジとパーティを組むことになった。順調に進む4人。しかし初心者の壁である第5層で、ダンジョンに封じられし悪神・マスティマの手下だというメッサーデビルが現れて…!?戦士編と道化師編をたっぷり収録!プリネがウェディングドレスも着ちゃいます!「小説家になろう」発、大人気正統派冒険ファンタジー第二弾!

プリネのこの格好、がっちり全身覆ってて露出少ないんだけれどその外套の下、公共の場ではお目にかけられないくらいエチエチなんですぜ、奥さん! 痴女装備ですぜ、奥さん!
妹を助けるためにダンジョンの最深部にあるアイテムを入手しなくてはならない。その目的は理由としては重たく、難易度は難しいを通り越して前人未到だ。自然と挑む心境は悲壮となりその心からは余裕が失われていく。
だから、最初の段階でこれは妹を助けるためのダンジョン攻略だけれど、真剣に挑むのは当然としても心持ちとしては必死ではなく、ダンジョンそのものを、冒険を楽しもう、という目的設定はほんと良かったと思うんですよね。どれだけ合理的に判断するか決断するか、ではなくどれだけ楽しめるか、どれだけ面白いと思えるか。合理性だけを突き詰めて、肝心の自分たちの精神状態を追い詰めてしまっては話にならない。とはいえ、ラーナもプリネも基本的に真面目なので、面白がろう楽しもうといっても楽をしたりズルをしたり、というのを志向するわけじゃないし、誰かを出し抜いたり陥れたりというのを楽しむわけじゃない。彼らにとって、困っている人がいたら助ける、というのが一番自由にのびのびと好きなことをやっている状態なんですね、いい子たちじゃ。
そうして、ボス攻略を共にして5階層突破を助けることになった二人組。お嬢様の方もなかなか良いキャラだったのですけれど、その従者である執事のお爺さんがまた格好いい人だったんですよ。その職業は正面から戦うものでも後衛から支援するものでもなく、道化師という基本的に戦闘には何の役にも立たないジョブだったのですが……この執事のジジさんが道化師というジョブの可能性をたっぷりと指し示してくれるのです。
後半で、依頼された案件から道化師のジョブを習得することが必要になったのですが、ジジさんが色々と道化師の可能性を見せてくれていたおかげで、ラーナが道化師のジョブを取り怪盗役をやることになるのもすんなりと入り込めたのでした。二人共道化師というよりも奇術師という感じでしたけれど。
と、後半はお芝居を通じてラーナとプリネのすれ違っていた誤解を解消する展開に。ラーナが以前、プリネに告白されたけどフラれてしまったので、今は妹みたいな幼馴染として彼女が幸せになれるように応援している、けどプリネの方は告白された覚えもフッた覚えもなくラーナがそう思っていることも知らない、というすれ違い、関係としては安定はしているのでそのままもうちょっと引っ張るのかと思いましたけれど、2巻でさっさと引っ張らずに精算してしまいましたね。二人共実際は両思いですし、この調子だと臨時にパーティー組むことはあっても基本的に二人でずっと進むようなので、早うイチャイチャさせる方向に舵を切ったのか。
おじゃま虫にして貴族の偉い人で完全に悪い人がプリネを狙ってちょっかいをかけてくる展開、まさにどれだけ勢いよくギャフンと言わせられるか、カタルシスを得られるように完全に相手の悪者さ加減を世間に詳らかにしてやっつけられるか、というところでしたが、何気に相手小物じゃなくて結構強敵だったのが予想外でしたが、おおむね期待通りの展開に。
しかし、この段階で殆どゴールインな関係になっちゃったらあとはどこまで行き着くことになるのか。遠くから見守っている妹ちゃんの方は大好きな二人の進展にテンションあがりまくってますが。というか、この妹助けられるのを待っている側なのに、やたら元気よくて自力で復活してしまいやしないか、と逆に心配になってしまいます。いや、別に心配するようなことでもないのですが、むしろ勝手に復活してしまってもいいのだよ?

妹尾尻尾作品感想