【信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 2.災害指定の転生少女】 大崎アイル/Tam-U  オーバーラップ文庫

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クラスメイトと共に異世界転移したゲーム中毒者(ジャンキー)の高校生・高月マコト。
巨神が封印されたダンジョンをクリアしたマコトは、女神ノアの神命で大陸最大のダンジョン・大迷宮ラビュリントスに潜入する。首尾よく大迷宮を攻略するマコトだが、突如現れたドラゴンに追われ、危険地帯の迷宮中層へ落下してしまい!?
殺到する魔物の群れに苦戦するマコト。さらに危険度・災害指定級の蛇女(ラミア)の出現で窮地に立たされるが――
「た、高月……くん……?」
蛇女(ラミア)の正体がクラスメイトの佐々木アヤと判明したことで事態は急転し――!?
クラスメイト最弱がマイナー女神と最強へ至る異世界攻略ファンタジー、第2巻!
さーさんこと佐々木アヤ。一巻で異世界転移した際に他のクラスメイトと違って行方不明になってしまってたんですよね。メインヒロインの一人っぽい雰囲気を醸し出していたのに、ほんとにキッパリ音沙汰なくなってしまったものだから割と本気で心配していたのだけれど、こうしてちゃんと再登場してくれてよかった。
適当に違う所に飛ばされた、くらいにしか思っていなかったのが想像を絶するハードモードだったのが驚きでしたが。ただモンスターのラミアに転生してしまっていた、だけなら良かったのですけれど、そのラミアに転生してからがかなり酷い展開に巻き込まれてしまってるんですよね。話を聞いたマコトが、てっきり自分が異世界に飛ばされてから最低クラスの境遇に見舞われていたと思ってたのに、さーさんの方がよっぽどひどい目にあってたじゃないか、とショックを受けてたのが印象的でした。
意外と、さーさんの方はラミアに転生してしまったこと自体にはケロッとしてるっぽかったんですけどね。ラミアの母親や姉妹たちがみんな愛情深い本物の家族として過ごせたから、というのも大きいのでしょうけれど。
あんまり境遇自体は気にしていないの、マコトとよく似てるんですよね。引きずらないというか、負の感情を拗らせない、というあたりが。さーさんの場合は復讐心をがっつりと溜め込んではいるものの、そのマイナスが普段の自分に影響を及ぼしていないっぽいのが、割り切ってるなーと感心するところなのです。
まー、結構モンスターとして生まれ変わって、性格変わっているところもあるみたいですけれど。性格というよりも、価値観とか倫理観というべきか。あのグイグイいく性格は元からみたいですしねえ。
中学生の女の子が、ほいほいとゲームオタの男の子の家に乗り込んでくるとか、結構とんでもない行動力っですよ? ただのゲーム友達かと思ってたら、マコトと彼女相当に深い仲じゃないですか。いや、深いというと勘違いしてしまうかもしれませんけど、普段から家に招いて一緒にゲームして遊んでる、それも中学生の頃から高校に至った今でもずっと、とかなかなか簡単な仲じゃないですからね。それも、グループで遊んでたのじゃなくて、二人でですからねえ。
どう見てもメインヒロインです。ルーシーが危機感抱くのも無理ないよなあ、これ。詳しい事情知らなくても、ただならぬ仲なのは見てりゃわかるし、さーさん隠しもしてないし。
まあ、ルーシーの方もこれまでの命がけの付き合いからして、こっちも簡単な仲じゃないのはさーさんも丸わかりでしょうし。それに、ルーシーがいい子すぎるんですよね。あれだけバリバリにさーさんの事ライバルとして警戒していながら、その境遇には本心から共感してくれて親身になってくれるんですから、そりゃ嫌いにとか距離をおいて、とかできんですって。というわけで、鞘当しながら同時に仲良くなっていく、という複雑な行程を踏んでいく二人なのでありました。

ふじやんも、なんかニナさんだけじゃなくて、王女さまからも粉かけられているみたいで、あっちも良い雰囲気になってるみたいで。彼は彼でほんとに良いやつで、ニナさんもいい子なのであちらも上手くいってほしいものです。光の勇者なるものになっていた桜井くんも、なんか想像以上にいいヤツだったなあ。性格がいいだけじゃなくて、他人から評価されづらいマコトのことをちゃんと理解して、信頼してくれてる言動だったんですよね。実際ステータスは低いし色眼鏡で見られるのも仕方ないマコトに、ああいう期待と信頼を向けてくれるというのはそれだけちゃんと相手のことを見てるということですからね。なんか、男友達がこういう性格も良くて信頼できる相手である事が多い、というのは嬉しくなるものです。女神ノアさまのちゃぶ台返しに付き合うとなると、他の神様とは険悪なことになりそうなだけに、桜井くんとはどうなるかわからないのですけれど、この様子だと問答無用で敵対、ということにはならなさそうでその点はちょっと安心かも。
各国の王族連中も一筋縄ではいかないみたいですし、ノアさまって今の所邪神とか言われてるけれど、すでに終わったその他大勢の有象無象の一人、みたいなもんなので、今の敵との相手に忙しいだろう現行の神様たちがどう反応するのか。王族連中も問答無用で、とはならないだろうし。今回は水の巫女さまも歩み寄ってきたわけですし。
というか、あそこでマコトがあんなに怒るとは思わなかった。今まで結構酷い扱いを受けながらもキレたりせずに飲み込んでいた温厚な主人公だっただけに、びっくりはしたけれど、あれだけ理不尽な目に合わしておきながら、それを覚えてすらなくて今の頑張って努力して昇華させた力だけ見てすり寄って来られたら、そりゃ怒るべきですよね。怒るべき所でちゃんと怒るこの子は、その意味でもとてもまっとうな子なのでしょう。ほんと、いい子なんで応援したくなりますわー。

1巻感想