【剣と魔法とセーラー服 ~ときどき女神にアイアンクロー~】 三条ツバメ/ごれ HJ文庫

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最強の始末屋と呼ばれながらも日常系アニメをこよなく愛する男、常守聖悟(つねもりしょうご)。彼の元にある日、女神が現れ「あなたをあなたの見合う世界に転移します。あと日常系って退屈ですよね」と告げた。
余計な一言で宗教戦争が勃発したが「日常系アニメの世界に行けるのなら」と聖悟は折れた。しかし、願い空しく転移した先は剣と魔法の世界。
何故か付いてきた女神にアイアンクローを極めながら旅をしていると、村を襲うゴブリンに一人立ち向かう女剣士エマと出会う。その美しさと優しさに心打たれた聖悟は決意する。
「この世界をエマを中心にした日常系アニメの世界に変える」
表紙絵バックの見事なアイアンクロー吊り。【このすば】のアクア様の出現以来、ポンコツ駄女神の供給は高まるばかりですけれど、その中でも本作の女神「花子」は逸材ですよ。ここまで酷いのは早々居ないから、出せないから、書けないから!
アイアンクローされて頭握りつぶされるのも当然の女神さまである。まあ反省も懲りることもないのですけれど。ただ花子神は存在しているだけでシリアスブレイカーなんですよね。その言動全てがシリアスに喧嘩売ってる存在なので、何気に主人公のシリアス撲滅主義とは波長があってるんですけどね。ただその過激なボケツッコミは常守氏が愛する日常系アニメからするとギャグ度が強すぎるきらいもあるのですけれど。
日常系アニメをこよなく愛する男・常守聖悟はその強すぎる力によって現代地球での活動を制止され、代わりに彼の力に見合うファンタジー世界へと送り込まれてしまう。暴力と冒険と魔法の世界という望んだ日常系アニメ世界とは全く様相を異にするファンタジー世界に絶望する常守であったが、そこで出会った心優しき剣士の少女エマの存在が、彼に希望をもたせる。そうだ、自分がこの世界を日常系アニメの世界を築けばいいのだ、と。
アホである。
しかし、彼の凄まじく逸脱した能力と鉄の意思とシリアスブレイカーたる女神の存在感があれば、とりあえず作風はギャグになるので大丈夫だったのだ。わりと女神役に立ってる気がするぞ。
ただ、女神の存在が濃すぎて強すぎてあらかた持ってってしまうのがネックではあるのですが。
それに、常守氏はファンタジー世界は日常系アニメにはそぐわない、と絶望していたけれど、別にファンタジー世界が舞台の日常系は普通にあるんですよね。決して相性が悪いわけではないので、そのへん日常系をこよなく愛しているわりに見識が低いぞ、主人公。あと、男も場合によっては居ても良しというのが私の中ではアリアリ範疇内。幼女先生とか普通に居るでしょう。最近はキャラ的に三番目とか四番目あたりのポディションに入るだろうヒロインキャラがメイン張るのも珍しくはない。
こうしてみると、常守氏好みの王道は外しつつも抑えるところは全部押さえてるんだよなあ。
まあ本作は日常系四コマにはどうしたってなれないのだけれど。
それでも、何だかんだと日常系スタイルを押し付けてくる常守氏に毒されてそれっぽい雰囲気をまとい始めてしまう押しに弱いエマと、いきなり中二病全開で現れて初めての女友だちにあわあわしている静香の加入でなんだかんだと幼女先生も加えて女子連中の間では日常系っぽい空気になっていくあたりはなんというかさすがである。
いや、ほんとにそれっぽくなってきたぞ。常守氏と花子も言うたらメインの女子グループの周りでワイワイ騒いで引っ掻き回している脇キャラとしてみると、なかなか馴染んでいるし。
あれ? ギャグ度がコクて男が主人公というのを除けば、わりとイケるのかもしかして?
日常系としてはあと一人か二人は女子グループに入って然るべきなので、次回はさらなるキャラの新登場に期待できるんだろうか。

三条ツバメ作品感想