【ティアムーン帝国物語 2~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~】 餅月望/Gilse TOブックス

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

「――来てますわ、波が!」
処刑台から12歳に逆転転生【タイムリープ】した元わがまま姫ミーアは、調子に乗っていた。
かつての記憶と周囲の深読みで、飢饉時の小麦確保や内戦回避に成功し、ついに前世の日記帳ごと「処刑」の二文字が消えたからだ。だが、呪縛から解き放たれて小躍りする彼女の下に、凶報が舞い込む。想い人である王子アベルの国で革命が勃発したというのだ。危険を冒して救助に向かうべきか、我が身の保身か……?変わり始める未来を前に、彼女が下す「最初の選択」とは?ポンコツ姫よ行け、 ギロチン回避のその先へ!運命に抗う一世一代の歴史改変ファンタジー第2巻!

相変わらず、天井知らずの周囲の過大評価と対象的にキレッキレにこき下ろしていく地の文とのコントラストがホント面白いミーア姫奮闘記の第二弾。
あらすじで最大の目的だった処刑回避が達成されちゃったの暴露しちゃってるけどいいんだろうか。それこそが、ミーア姫の原動力でもあったわけなのですが。
ともあれ、それを達成したことからミーアの自分ファースト主義もただ死にたくない助かりたい、という方向性からもう一つワンステップステージをあげていくことになるのである。
しかしミーア四天王なる存在が登場してしまうのか。これってまさか侍女のアンヌは入ってないですよね。ミーアが勝手に呼んでいるのではなくて、ちゃんと世間様から呼ばれるようになった名称みたいですし。あの帝国最強を名乗ってるディオンさん、どう見てもただの危険人物ですよね。考え方が尖りすぎてて、この人正史ではミーアの首切り落とした後どうなったんだろうか、とちょっと興味深くある。
どうやらミーア姫を処刑へと追い込んだ革命は、帝室や貴族階級の横暴や不見識によって起こった必然のものではなく、仕組まれたものであった以上、正史の行く末というのはミーア姫のみならず多くの人にとって決してハッピーエンドで終わらなかった歴史である、というのはシオンの辿った生涯を見ると明らかなんですよね。
てか、シオンってティオーナと結ばれるわけじゃあないのか。革命の旗手となるティオーナだけど、本編の方でもシオンとは特に何のフラグもたってないみたいだし。自分でも一連の出来事に対してあんまり役に立ってない、と悔しい想いを噛み締めてるティオーナさん、実際ほんとにあんまり出番らしい出番がなくてちょっとかわいそうですらある。
一方でシオンと行動をともにするケースが増えてきたミーアだけど、こちらはこちらでアベル王子とは揺るがぬ相思相愛なものだから、微妙に中途半端に浮いた感じになってるシオン王子。彼自身、ミーアに惹かれながらもはっきり恋愛感情を抱いているわけではない、仄かな思慕を芽生えさせながらも気づかない、或いはアベルとの仲を見てるので気づかないようにしてるのか。有能完璧超人んであるが故に便利使いされてる気もする今日このごろ。ただ、ミーア姫と行動しているおかげで一皮剥けているのも確かなので、成長の糧にはなってるんですよねえ。
まあミーア何もしてないので、勝手に成長されてるだけとも言えるのですが。
アベル王子の国元での危機もうまいこと解決されて、そこで確定された歴史は結構なハッピーエンドだったと思うのですけれど、あれで満足しないとはなかなか欲張りなミーア姫。でも、それだけアベル王子を大切にしているとも言えるので、このお調子者の根底にある優しさはやっぱり憎めない所だなあと思うのでした。しかし、この見た目に叡智の欠片もないポンコツさがにじみ出てるキャラデザインはほんと秀逸だと思いますよ、うん。

1巻感想