【公女殿下の家庭教師 4.氷炎の姫君と夏休みに王国を救います】 七野りく/cura 富士見ファンタジア文庫

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王立学校の前期試験で成績上位となったティナたち。そんな彼女たちがおねだりした試験のご褒美は、アレンの夏期休暇の帰省に同行すること。そこに、第一王女付きの護衛官へと栄転したリディヤも加わり、いざ、大樹がそびえ立つ東都へ!ティナ一行は、アレンの実家にお泊まりしながら、浴衣でお祭り、水着で湖にと夏休みを思いっきり大満喫!しかしその陰で、オルグレン公爵家の監視下で軟禁状態だったジェラルドに謀反の動きがあり!?―「すぐに解決して帰ってきます。僕は約束を破ったことはないですから」無自覚規格外な教師が世界を救う魔法革命ファンタジー!

アレン、実家に帰るの巻。ってか、リディア既にアレンのご両親にも挨拶済みなんですかよ! もう完全に嫁扱いじゃないですか。リディアも実家に帰ってきたかのような寛ぎ方であり、アレンの両親にも畏まっている感じはなくお姑さんみたいな距離感もなく、お義母さまと呼んで慕っている風なのがゴール済みを感じさせる貫禄で。
他の獣人族の町の人達にもアレンとリディアセット販売みたいな扱いされてるし。もうこれはもう、ねえ。
しかし、義妹のカレンとの関係からも透けて見えていましたけれど、狼族の両親からアレンはもう目いっぱいに愛されているのが伝わってくる帰郷編でした。王国騎士になれなかったから、と言って面目ないと故郷に帰るのを避けていたアレンですけど、こんなに愛されているのにちゃんと顔見せないとか、それこそが親不孝じゃないですか。リディアに対してもそういう所ありましたけれど、アレンは申し訳ないと思うポイントがどうしてもズレてる感じなんですよね。愛されていること、慕われていることへの自覚が足りていないせいか、どうしても注いでくれる愛情の価値を蔑ろにしてしまっている節がある。自己評価が低かったり、出自に対する引け目、注がれる愛情に見合う何かを成せていないという焦燥など、色々と理由があるんだろうけれど、こんな風に受け止め方をズレさせてしまっているとどうしても相手に悲しい思いをさせてしまうんですよね。みんな、彼を決して責めたりはしないだろうし、アレンが悪いというわけではないのだけれど、やっぱり足りない部分はあると思う。
リディアの絶大な愛情に対してきちんと向き合えていないんじゃないか、という所もちと誠実さに欠けるんじゃないか、と思えてしまう所なんですよね。まあアレンの場合、不誠実に見えるのはリディアに対してじゃなくて、自分自身を見つめ直すこと他人からどう見られているか、どんな風に思って貰えているかについて、いささか誠実さが足りないように見える、というべきなのかもしれないけれど。
彼からは、リディアにしても家族にしても、幼い生徒たちにしてもとても大切に大切にしていることは伝わってきますからね。でも、一方的に与えるだけが愛情ではないというのも確かな話。アレンの姿勢を見ていると、リディアのガンガンいく姿勢は正解なんだろうし、ティナたちのグイグイ行く姿勢も間違っていないんだろうなあ。

ストーリーの方も進行はしているのだけれど、どうも微妙に具体的に何が起こっているかわかりにくいんですよね。オルグレン公爵の動向やら、4つの公爵家の立ち位置、意志ある魔法の秘密などそれぞれちゃんと説明はなされているし、あれこれと情勢が動いているのはわかるのですけれど、いまいち焦点があっていないというか説明や解説や明かされる話が中途半端なまま進んでしまっているというか。主要な登場人物たちはそれぞれの立場などから、知り得る範囲予想できる範囲で何が起こっているか、起ころうとしているかちゃんと把握して、緊張感を高めているのですけど……。読んでるこっちは、それがわかんないんです。大抵なら、具体的な話がなくても色々と状況やら既出の情報から推察考察して大体の展開は予想や想像も出来て、多少説明不足でも補えるのですが。
これに関しては本当に置いてけぼりになってる感。そんな雑に読んでるつもり、ないんだけどなあ。アレンのリディアたちや家族とのプライベートなシーンと比べて、なんか全体像とか背景とか動勢がほんとよくわからん!?

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2巻

3巻