【世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)2】 黒留ハガネ/カット オーバーラップ文庫

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平和すぎる日常に逆ギレし、世界の闇と戦う秘密結社・天照を作った佐護杵光(さごきねみつ)。
東京を救う自作自演イベントを終えた佐護のもとに異世界からの刺客が現れる。
彼女はロナリア・リナリア・ババァニャン(905歳)。
魔王が絶滅危惧種になり、手厚い保護を受けるほのぼの世界から、胸躍る巨悪との戦いを求めやってきた。
ところが佐護の世界にも巨悪は存在せず、巻き起こる「世界の闇」と秘密結社の戦いは全て自作自演。
世界が違っても平和すぎる日常は何一つ変わらなかった。
そこでババァニャンは、秘密結社の根本を揺るがす、ある極秘計画を企て……?
最強の超能力者が紡ぐ、圧倒的マッチポンプギャグコメディ、第2幕!!

未だに魔法少女に未練たらたらな鏑木さん、カワユス。
今の所、世界に存在するオカルトは佐護の超能力だけだった中に唐突に現れた異世界転移者ババァニャン。なぜババァと略そうとしてしまったw いやリアルロリババァだけどさ! ロナリアとかリナリアの方でよくない? それよりも、誰もババァ呼ばわりにツッコミ入れずに馴染んじゃってるのが面白いのだけれど。
そのババァニャン、彼女もまた佐護や鏑木と同類の大人になっても子供の頃の夢を捨てきれなかった人ではあるのだけれど、その夢を叶えるために異世界にまで跳んでくる、というのは果たして佐護とどっちがイカレているのか。
だって、行って帰れる行き来できる方法があるのならともかく、一方通行の二度と戻れぬ旅路だったわけですよ、異世界転移。
まあそのあたりは本人の覚悟と趣味次第なんだけど、送り出す方の人たちがみんな引き止めもせず行きたいなら頑張って行ってきてねーという塩梅だったの、もしかしてババァニャン嫌われてた? と、ふと脳裏をよぎるほどにあっさりしてたんですよね。もう二度と会えないのに……。本当に嫌われてたという様子は実際は全然なかったんだけど、それにしてもババァの方も送り出す側の人たちも淡白だなあ、と思ったり。
ここらへんのババァの人間関係の淡白さが、その後の裏切りネタにも微妙に引っかかった所もあるんですよね。ババァがもっと元の世界の人たちとの別れに強い感情を示していたら、佐護への裏切り展開にももっと深刻味があったような気がするし、翔太と燈華に人間関係のひずみを見せることで精神的な成長を促すのだ、という主張にも説得力があったようにも思ったんですけどね。
実際の所、今回の裏切り者マッチポンプネタについてはそこまでやるの? と感じる所ありましたからねえ。佐護と鏑木さんが最初に主張してた、翔太くんと燈華ちゃんには楽しんでほしい、というコンセプトはうなずける所なのですけど、二人の今後のために精神的にもタフになるために鍛えてあげよう、なんてのは上からの一方的な押し付けで二人はそんな事頼んじゃいないしなんにも知らない所で勝手にそういうの決められて翻弄されるのって相応にひどい話だなー、と思っちゃったんですよねえ。まあ前巻で翔太の腕を折るような事までしているだけに、今更の話ではあるんですけどね。
図らずもババァニャンの運命を捻じ曲げて夢も果たせないありさまにしてしまった事に罪悪感に苛まれているように、佐護には悪気はないのはよくわかる所なのでキャラクターの性格の話ではなく、作品の感性そのものに自分のそれと微妙なズレを感じているのかもしてませんが。
刑事さんの方も何気に人生踏み外させちゃってるしなあ。ただ、こっちは当人の意志もあっての事ですけど。でも、そういう選択肢を選ばせるシチュエーションに追いやっているのも確かなだけ、結構悪の組織してるのかもしれないんじゃないですか、これ。

しかし鏑木さんは、ひたすら有能&可愛いムーブ続けてるなあ。これだけ出来た美人さんに傍に居てもらいながら佐護は食指が動かないんだろうか。今の所同好の士であり同志という念が強いんだろうかねえ。
残念ながら、この2巻で打ち切りが決まってしまったみたいでこれにて店仕舞いだそうで。鏑木さんとの関係については決着つかずかー。どうやら、ウェブ版の方では続いている先の方で進展あるみたいなので、そっちで追いかける事にします。

1巻感想