【新米錬金術師の店舗経営01 お店を手に入れた!】 いつきみずほ/ふーみ 富士見ファンタジア文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

天涯孤独な孤児にとって、ほぼ唯一とも言える成り上がりへのキャリアパス。それは錬金術師の国家資格を得ること!能力以外何も求められない王立錬金術師養成学校を卒業した少女のサラサは、師匠から一軒のお店をプレゼントされる。気前の良い師匠に見送られ、錬金術師としてのちょっぴり優雅な生活を夢みて旅立ったサラサは、到着早々、想像以上の田舎っぷりに愕然とすることになる。しかし、そんな場所でも何とかお店を経営しないと、生活は成り立たないわけで―可愛いアルバイトや優しい村の人たちに囲まれて、目指すは一人前の国家錬金術師!お仕事スローライフここに開店です!

ゲームのアトリエシリーズみたーい、って実のところ自分、「○○のアトリエ」というタイプのゲームはやった事ないんだよなあ。まあ自分、PS3すら触った事無いままいつの間にかPS4の時代に入ってしまっていたような人間なので、アトリエシリーズに限らず多くのゲームシリーズやったことないんですけどね。ただ、話聞く限りではこういうタイプのゲームって結構好きなはずなんですよ。
なので、近年のその手のゲームをやった事がないからこそこういう店舗経営だったり錬金術で道具作ったり、という一国一城の主となって生産やら商売に勤しむ話って読んでて楽しいのです。
もちろん、面白い作品に限りますけど。
本作の主人公サラサは平民の出身でしかも両親も既に無い天涯孤独、という身の上ながら師事してた師匠はマスタークラスの世界有数の錬金術師の一人であり、自身も学校で首席を取り続けたという筋金入りのエリートなのです。どうも本人にその自覚はなさそうなのですけど。学校でも勉学と節約に勤しみすぎて同年代の友だちが一人もいなかった、という残念娘なので周囲との比較とかしてなかったんじゃなかろうか。独立したあとのコミュニケーション能力の高さを見てたら自然と友だち出来そうな明るい人柄なので、学校ではよっぽど根詰めてたのかしら。一応、先輩と後輩には親しい人居たみたいだけれど。
ともあれ、これだけのエリートともなると各方面から引く手あまたになりそうなのに、さっぱりこれといった勧誘がなかったのは、さて師匠の手でも回ってたんですかね。本人自己評価あんまり高くないみたいだけど、サラサの場合比較対象が師匠みたいなので基準がおかしいことになっているみたいだし。あのお師匠さんから見てもサラサは相当可愛い愛弟子みたいだもんなあ。手放す気は毛頭なかったと見える。
いや、自分の店で働かずに外に出る、とサラサが宣言して随分と辺境の方に店をもたせてあげた時は、そのまま放流してしばらく様子を見るのかなー、と思ってたら速攻様子見に来たり、とめっちゃ気にかけてましたもんねえ。直通の搬送ゲートとかまで設置しちゃってるし。けっこう過保護じゃね!?
しかし、それにしてもなんでこんな田舎の方に店を持たせたのやら。都会に近い方だとヘッドハンティングじゃないけど、ちょっかい掛けられるかとでも思ったんだろうか。田舎とはいえ、それなりに錬金術師の需要があると同時に、売家の錬金術用の設備の充実度を見るとあれ師匠適当に物件決めたんじゃなくて、相当調査して事前に確認してたんじゃなかろうか、と思える部分がチラホラと。
そこまでしなくても、サラサはだいぶ逞しい子のようなので普通に放流しても自力で生活基盤打ち立ててた気もしますけどね。でも、幾ら自立できそうと言ってもあれこれと世話焼きたくなるのも可愛い弟子を持ってしまった師のサガというもので。

でもホント、サラサほどの腕前だとこの田舎街でそれにふさわしい能力を振るう機会があるのだろうか。とか言っているうちに、早速ラストでは来てしまったわけですけど、それは新人錬金術師が遭遇する事件としてはヘヴィーすぎませんかね? 普通は死んでてもおかしくないぞ、この規模の事件。インドア派です、というとぼけた顔をしながらこの娘、ゴリゴリに戦闘職こなせるじゃないか。これだから無自覚エリートはw
とりあえず、ベッドはただでもらうもんじゃないと思うぞ、うん。新参の錬金術師にも大変親切で優しい村の人たち。なくてはならない医師や薬師も兼任する錬金術師という必須の職業の相手とはいえ、田舎特有の排他的なところが全く見られないあたり、師匠土地柄もそうとう調べたんじゃね、これ?