【新米錬金術師の店舗経営 02.商売をしよう】 いつきみずほ/ふーみ 富士見ファンタジア文庫

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ヘル・フレイム・グリズリーの襲撃から復帰したサラサは、アイリス、ケイトを仲間に加え、お店も通常運転へ。夏場に向け、村人向けの新商品・冷却帽子の開発に乗り出すのだが…ちょっぴりお高い!でも、コストダウンのため、帽子の委託を始めたところ…大好評!しかしある日、素材の“氷牙コウモリの牙”の買取を邪魔する錬金術師がサラサの前に現れて…!?氷を制する者が夏場を制す!サウス・ストラグの商売合戦!

クマクマスタンピードの後始末。と言っても、大きな被害を受けたのはサラサの店の壁くらいだったわけですけれど。
ともあれ、騒ぎも落ち着いて採集者たちも戻ってくると店の運営も安定するのだけれど、こうして見てると村向けの商品は何しろ村民の数が少ないだけに、消耗品でなければすぐに供給が満たされちゃうんですよね。村ではそれほど高級品は需要がないですし。
業務用家電と言える魔導具が幾つか、村の店に売れましたけれどあれも一度買ってもらったらもう必要ないものだしなあ。というか、この規模の村のお店で、あんな業務用の魔導具買えるとか、しかも結構お安い値段で。というのは村の人からしたら大助かりでしょうなあ。作った人がそこにいるわけですから、なにかトラブルあったらすぐ見て貰えるわけですし。
サラサはのほほんとしてて自己評価高くないですけれど、実際は世界でも有数の錬金術師の愛弟子で難関である錬金術師学校も首席で卒業したような才媛なんですから、そんじょそこらの一般錬金術師とはレベルが違うわけで。これ、サラサが村からいなくなったら、代わりの錬金術師が来ても村の人たち到底満足できない身体にされてしまってるんじゃないだろうか。
サラサって、師匠の店にスカウトされたのを断ったのって、今まで勉強勉強で世間を知らないので外の世界で見聞を広めるため、という理由だったと思うのだけれど、このままこの村に根を下ろしてしまうつもりなんだろうか。あれだけ立派な店を構えて、中身もこれから充実させていく気満々だし、ロレアちゃんを雇って、これは腰を据えたとしか思えない据わりっぷりなんですよね。
話が前に戻りますけれど、村人だけではすぐに供給がまかなえてしまう、というのも冷却帽子を村の人に手間賃払って一次産業めいたものにして、販路を外部に。近くの大きな街のみならず周辺地域にまで広げて、いろいろな商品を作ってもちゃんと売れるように整えることに成功しているので、村で能力を振るえずに燻る、みたいな事にはなりそうにないですし、採集者との取引も順調ですし、師匠とのルートはしっかり確保しているわけで、別にこの村にいついても何の問題もないのか。
問題は、お婿さんが見つかるか、というところだけれど、なんかこの作品では女性錬金術師は同じ女の事務員兼販売員兼共同経営者みたいな人と一緒に住み込んで、同性婚みたいな状態になるのが流行っているみたいなので、すでにロレアちゃんゲットしちゃってるのでもういいのか。
ロレアのご両親、このままだと娘さん結婚できないままサラサに貰われちゃうけど、いいのか!?

途中、なんか悪徳商人がサラサを経営難にして陥れようと企んでたみたいだけど、いくら何でも計画杜撰すぎやしないだろうか。サラサの情報まったく調べないまま、学校卒業したばかりの新米錬金術師としか知らないままちょっかい掛けてきたみたいだし。学校での成績とか師匠の情報とか、調べればすぐわかるだろうし、それでなくても村で店を構えてからの実績だってちょっと聞いてまわればすぐわかるだろうに、あんな杜撰な仕事でよくこれまで商売やってこれたなあ、と呆れるばかり。
錬金術師舐めすぎなんじゃないだろうか。それとも、普通の錬金術師はわりと舐められるような脇の甘い連中ばっかりなんだろうか。実際、何人も食い物にされてたみたいだし。錬金術師の技術と商売とはまた使う頭も違うのか。
ともあれ、サラサちゃんこれでまったく敵対者には容赦ないので、ご愁傷さまでした。


1巻感想