【キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 6】 細音 啓/猫鍋蒼 富士見ファンタジア文庫

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国家転覆を狙った暴力政変―王女暗殺未遂事件の混乱が広がる中、ネビュリス王宮へと急ぐイスカたち。ゾア家との繋がりを疑われている皇庁第一王女イリーティアは、第三王女シスベルの護衛が帝国軍であるという秘密を人質に、「皆さん、ルゥ家の別荘でバカンスを楽しんでくださいませ」―イスカたちを別荘という名の鳥籠に閉じ込めようとしていた。さらに、妹の身を案じたアリスもまた、姉を止めるべく別荘に向かったことで、三姉妹が一つ屋根の下に集うことになり…。疑惑の魔女が張り巡らした策略は、時計塔の鐘を高く鳴り響かせて、魔女たちの楽園を戦場へと変える―!

このアリス、ムッツリスケベすぎる! なにやってんの第2王女さま!? 
今、女王暗殺未遂事件の黒幕を暴き出すためにシスベルを連れてこないと、という大変緊迫した状況で、不自然に姉イリーティアに連れ去られてしまったミスベルを連れ戻すために急いで迎えに来たはずのアリスが何をしていたかというと。
一晩中、鼻息荒くしながらイスカのズボン脱がして下着見ようと奮闘する第2王女。しかも、両隣にはシスベルとイリーティアが寝ている状況で、である。疲れて寝てしまうまでゴソゴソと抵抗するイスカと攻防を続けていたというのだから、この王女どこへ行こうとしているのか。
完全に変態の所業である。というか、こういうのをムッツリスケベって言うんですよね!? 
かつてまだ母ミラベルが女王位を継ぐ前。王女であった頃にサリンジャーとライバルとして刃を交えあい、特別な関係を築いていたと知って、アリスは内心自分とイスカの関係を照らし合わせて、同じだ! と叫びそうになっていたけれど……。
同じ……かぁ? 違うんじゃね? 全然違うんじゃね?
少なくとも、君のお母さんはライバルであるサリンジャーのズボンを剥いてハアハアするような志向はなかったと思うぞ。もっとこう、ストイックでプラトニックな関係だったっぽいぞ。純粋にお互いの力と誇りを認めあい、高めあっていた関係だと思うぞ。

自分の秘蔵のえっちぃ下着を見られたからと言って、お互い様だから貴方の下着も見せなさいぃー、とか言って目を血走らせてハァハァするような関係とは、さすがにちょっとどころじゃなく違うぞ思うぞ。
かつての女王とサリンジャーの特別な、しかし終わってしまった関係と。敵国の人間であり誰よりも認める好敵手であるアリスとイスカの関係を、過去と現在とで照らし合わせて浮かび上がらせようという流れだったけれど、アリスリーゼのあんまりと言うにもあんまりな欲望ダダ漏れの所業に、いろいろな意味で台無しになってしまった気がする。まあ女王たちの関係には恋愛感情は挟まれる余地はなかったようだけれど、少なくとも顕在化はしないまま結晶化してしまったようだけど。
アリスは今の段階で完全に男としてのイスカにハマっちゃっているので、その意味でも母たちとの関係と同じであるわけではなさそうなのだけれど。
それにしても、それにしてもであるw
いやでも、妹のシスベルも姉のエッチィな下着を発見して、テンションあがりまくって夢中になってハァハァしていたのを見ると、もしかして血筋なのか!? という可能性も浮上してくるわけで。
実は女王もハァハァする人なのか!?

まあ家族でそんなハァハァする前に、あの怪しすぎる長女をなんとかしろ、という話なのだけれど。いやもう、どう考えても怪しいのに野放しにするの、どうなの? 最低でも、皇庁に来るようにと女王命令が出ていたはずのシスベルを、無断で別荘に連れ去ってしまった時点で怪しいを通り越してギルティなんだから、アリスを派遣して事情を尋ねるなんてしている時点で後手に回ってるどころじゃないんですよねえ。
こうしてみると、女王ミラベルって統治者としても戦士としても親としてもあらゆる方向で失敗してないかしら。アリスもよりポンコツにやらかしそうなきらいがあるしこの娘自分の考えで動くよりも誰かに使ってもらった方が適切に動けそうなだけに、どう見てもイリーティアが一番適正ありそうなんだよなあ。
そんな彼女がこれだけ皇庁のシステムに感情を拗らせてしまっているという時点で色々と破綻している気がするぞ。実際、一旦全部完全破壊してしまった方がいいんじゃなかろうか。イリーティアに、破壊後再構築するつもりがあるのか、どうも怪しいけれど。

シリーズ感想