【戦闘員、派遣します!5】  暁 なつめ/カカオ・ランタン 角川スニーカー文庫

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キサラギの最高幹部(笑)リリスが魔王軍を蹂躙してから一週間。王城に呼ばれた六号たちを待ち受けていたのは、魔王からの使者!?後日、魔王城へ招かれた一行は、RPG定番イベントをこなし、ついに主の待つ謁見の間へ―
「よくぞここまで来た、愚かで勇敢な人間達よ。せめて眠るように逝かせてあげましょう!」
魔王はおっさんだと報告を受けていた六号。顔を真っ赤にしてお約束なセリフを叫ぶ、この謎の美少女は果たして誰なのか!?そして、惑星に派遣されて以来の仇敵“砂の王”がアジトを急襲!キサラギ戦闘員たちは誇りと共に、総攻撃を仕掛け―!?異世界侵略コメディ第5巻!まさかの展開で魔王編、完!

えらいこっちゃーー!! ついに、ついに本作にもヒロインと成り得る女の子が登場する。今まで? 居た試しは皆無です。
真ヒロイン・バイパーちゃん爆・誕!
いやマジで、この作品世界において概念的にも存在するとは思えなかった「いい子」である、バイパーちゃん。何かしら残念でどうしようもない一面が必ず必然的に存在するこの世界の女子たち。辛うじてマトモに見えても、結局6号をはじめとする戦闘員たちに良いように弄ばれイジられ涙目になる末路を辿ってしまう。
そんな中で、健気で献身的で素直で心が綺麗で働き者で責任感があって純真でイジられてちょっと涙目になる姿も笑えるじゃなくてひたすら可愛い、愛でてあげたくなる守ってあげたくなる可愛らしさの塊、化身、結晶みたいな奇跡の存在。天然無垢なる聖女のような女神様、それがバイパーちゃんなのである。
あの変態で頭が悪くて社会のクズ揃いの戦闘員たちをして、この娘にはいつもの悪逆なイタズラをしようものなら笑顔で受け入れられて罪悪感で爆発してしまうほどの汚れのなさ。
ヒロイン=ヨゴレ、という方程式が完全無欠の数式として成り立っていたこの世界において、まったくのイレギュラーである。ほら、あのヨゴレヒロインなスノウとかグリムだとか言う人達が無駄な抵抗を晒して、案の定余計さらにヨゴレきって追い散らされていきよるわーw
ちょっとアシュタルトさまはじめ三幹部のみなさん、この娘ガチで無敵ヒロインですよ? 余裕ぶっこいてたら、あらゆる意味で下剋上されちゃいますよ?
あの6号をして、バイパーちゃん相手はめっちゃ優しかったもんなあ。ちょっとイジるのは性癖だから仕方ないとしても、何くれとなく気を遣って、リラックスできるように仕向けて、執務室に入り浸ってワーカーホリックになりそうなバイパーちゃんと強引にゲームして遊んでいる姿は、いつもの騒々しい6号には見えない滋味ある優しさが垣間見えて、こいつめっちゃこの娘気に入ってるやんけー、となりました。

だが彼女は魔王である。

とはいえ、開始早々魔王軍えらいことになってしまうんですけどね。一番えらい目にあうのは、ハイネさんなのですが。うん、まあガチで敵やってた時代からこの女幹部どのと来たら、アカデミー賞クラスのイジられ役者だったからなあ。もう存在自体、キャラ自体がいじられるためにあるんじゃないか、という方向に特化しているように見えてきた。それでも、スノウのヨゴレっぷりに比べるとまだハイネの方がヒロインっぽく見える不思議。というかもうスノウは誰とも何とも比べちゃダメですよね。あそこまでヨゴレ系ヒロインを極めきったヨゴレはいないんじゃないだろうか。もうとっくの昔にヨゴレ系ヒロインという名称の中からヒロインという単語を差っ引いて芸人という言葉に差し替えて差し支えないキャラになっていらっしゃるし。うん、だってヒロイン的要素が美しいほど皆無だし!
もうこの作品にはヒロインなんて存在そのものが存在していないんじゃないか、そういう概念はないんじゃないか、その気配のある地球の幹部さまたちは全然こっち来ないしなー、と思ってたら、これですよ。真ヒロイン爆誕!
何気に、実力的にも魔王なだけあって凄まじいものがありますしカリスマ性、魔王軍での人気も合わせて悪の組織内でも凄まじい支持率が今となってはありますし、ガチでヒロイン的にも組織の地位的にも下剋上あるんじゃないだろうか。
読んでるこっちも、これバイパーちゃん祭り上げて魔王軍吸収した悪の組織がそのまま現地世界征服したらいいじゃん、という気分になって盛り上がりましたし。

ってか、アリスってば六号含めて戦闘員たちに事実伏せてたら、そりゃ普通にガチ反乱起こすに決まってるじゃないですか。バイパーちゃんの人気をアリスも見誤っていたのか、過小評価していたのか。

ともあれ、ようやく本作にも真っ当以上の最強のヒロインが登場し、潤い成分を補給できました。面白かった。
そして人間のお姫様は十号にまとわりつかれちゃっておいてください、うん。