【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.21】 聴猫 芝居/Hisasi 電撃文庫

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残念で楽しい日常ほぼ=ネトゲライフ、第21弾!

ネトゲはずっと終わらないと思った? ……残念!どんなものにも終わりはきます!
ついに訪れるレジェンダリー・エイジのサービス終了を控えた、三月。二月でイベントはやり切り、残されたのはせいぜい――ホワイトデーくらい。
……ホワイトデー?
「やらかした! バレンタインにチョコレートをもらったの、忘れてた!」
今年も残念美少女・アコ、そしてネトゲ部のみんなへのプレゼントお返しツアーを敢行しながら、英騎はちょうど一年前、同じように奔走していた「この日」のことを思い出す……。
現在と過去を行き来しながら次々繰り出される、ヒロインたちのエピソード満載の特別編! カクヨム内「電撃文庫公式アカウント」で掲載された連作短編に、文庫だけの書き下ろし&文庫未収録イラストを加えて、最終巻直前の一日をお届け。
残念で楽しい日常だいたいネトゲライフ、時を超えてこれまでとこれからをたどる、第21弾!

ネトゲもサービス終了が告げられて、口絵は思い出の写真集、なんてのを見せられたら最終巻かと思うじゃん!!
実際、最後まで読むまでずっとこれ最後?と疑ってたもんなあ。
ホワイトデーでみんな纏めて渡すのではなくて一人ひとり休みの日に会いに行ってお返しとお礼のプレゼントを手渡すという形で一対一という珍しい形で話し込む形になっていましたからね。それも、まず一年前のホワイトデーの話をしたあとに本年の話を描くことでこの一年間でどれだけ人間関係進展して変わったのかが如実にわかるような演出になっていましたしね。ある意味このネトゲ部でのルシアンとみんなの関係の総決算であると同時に、これから彼女らとの関係がどう続いていくのかが見えてくるという形にもなっていましたから。これはこれで最終回になってもおかしくなかったのです。
……でも、一年前と今年だと別に人間関係あんまり変わってないな!!
既に一年前の段階でカンストしてます、と言っていいくらい友達関係満了でホントに仲良くなってたからなあ。あえていうならセッテこと秋山さんだけど、一年前のやり取り見ていてもこの段階ですでに英騎ってばセッテの喜びそうな距離感掌握してるんですよね。遠慮もほとんどなくなってるし。
しかし改めて見ても、この作品での英騎と、アコ以外のネトゲ部の女性陣との友達関係の描き方は素晴らしいんですよね。異性の間に友情は成り立たないという論に決定的なまでに否をつきつけている。恋愛の介在しない一生涯続くだろう友情というものを、本当に見事なまでに描ききっているのである。これだけ仲良くて、恋愛の気配しない関係って見たこと無いくらい。
まあそうなったのも、アコという極めて頭のおかしい現実とゲームの区別がついていなかったガチ嫁が居て、文句なしの相思相愛夫婦となって入り込む余地がなかったから、とも言えるのでしょうけど。
ぶっちゃけ特に茜は英騎のこと好きだという感情はあると思うんだけれど、その辺キッパリと伏せきっているし我慢しているとか抑え込んでいるという無理した感もなく、自然に親友として振る舞えていますし。
レジェンダリー・エイジのサービス終了というのは、いつまでもずっと続くと信じていた楽しい日々もまたいつか終わるのだ、という現実の象徴でもあると思うんですよね。それは、この楽しい高校生活、ネトゲ部のみんなと過ごす時間も終わりが約束されているということ。
でも、このホワイトデーの話で英騎はひとりひとりにレジェンダリー・エイジのサービス終了についてどう思っているのか、大丈夫なのか訊いてまわるんですが思いの外みんなケロっとしてるんですよね。最初は一番ネトゲとは縁のなかったセッテさんが、一番ショック受けててショック受けてる自分にびっくりしてて動揺しまくっていたのはちょっと微笑ましかったですけど。そのセッテさんも含めて、そこまで今までみんなで遊んでいたゲームがなくなる、という事態に恐れおののいていないんですよね。終わるならそれは残念で哀しいけれど、仕方ないと受け止めている。
もう、彼らにとってレジェンダリー・エイジは唯一の拠り所じゃない。というよりも、ネトゲ部という枠組みもネトゲという遊び場がなくなっても、自分たちのこの関係は些かも揺るがないし、学校を出ても遊ぶネトゲが変わっても、これからもずっと変わらず今の関係で居られる、この楽しい仲間たちのままで居られる、という確信が芯になってるのではないでしょうか。
それほどまでに、この面々の繋がりはゆるぎのないものになっていたんだなあ、とまあ今までもこれでもかこれでもかと見せつけられてきたこの子たちの仲の良さですけど、本当の筋金、というか鉄筋を埋め込まれたような頼もしさを感じさせてくれたのでした。
なんか、最終回前に心構えが出来たような、安心させてくれたような、そんなエンディング直前回でした。
それにしても、英騎とアコパパ、既に仲良すぎないだろうか。というか、完全に女性上位の家庭の中に現れてくれた英騎は、まさにパパにとって同志であり可愛い息子になるんだなあw