【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。4】 妹尾 尻尾/伍長 モンスター文庫

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ダンジョン15層・ピラミッドステージを踏破したラーナとプリネ。ラーナはついに魔法職である僧侶に転職することになった。さらに攻略を進める二人が辿りついたのは、ゾンビが蔓延る夜の墓場。その奥に佇む廃城には、美しい声で呪いの歌を奏でるゴーストが待ち構えていて…。僧侶編&魔道士編突入!プリネとの関係も急展開!?な「小説家になろう」発、大人気正統派冒険ファンタジー第四弾!

魔道士と僧侶の二人パーティーとか、普通お目にかからない珍しい組み合わせだよなあ、と思ったんだけれど、以前に既に魔道士と道化師などというトンチキパーティーを結成してたりしたので、それに比べれば普通だよね? まあ、これもラーナが前衛職の戦士や武闘家で一旦レベルあげた上で転職するというドラクエ方式の職業スキル上乗せ方式で前衛として戦えるからこそ、魔法職と魔法職なんていうパーティーを組めるのだけれど。
でも、何気に肝心な場面……戦闘の時だけでなくふとした瞬間、或いは人前でなにかアピールしなければならなくなった時などで道化師をやってた時に得たスキルなんかが役に立つ機会が多くて、実は今まで転職してきた中で道化師が一番MVPだったんじゃないだろうか疑惑が。書いてる作者さんも道化師好きでしょう、これ。別作品でも道化師主人公にした話書いてるもんなあ。
ラーナとプリネ、二人のネアカにワイワイと楽しく冒険していくスタイルの、紛れもなく大きな支えとなっているだけに、道化師やったのは大きかったんですよね。驚異の新人冒険者として有名になった彼らが、わりと好意的に見られているのも道化師やってた時の演劇の影響なんかも大きいでしょうし、色々と助けになってるわけです。

しかし、二人が憂いなく心から笑って危険な冒険を楽しめているのも、お互いがいるから。これまでもずっと、ラーナの後ろについてくる金魚のフン的な在り方になってしまいがちなプリネを、なんとかその心持から鍛えようとしていたラーナだけれど、今回はついにこれまでずっと一緒だった二人が意図せず離れ離れになる展開に。
臆病で怖がりで一人では何も出来ず縮こまって蹲ってしまう女の子だったプリネ。どれだけ魔道士として力を得ても、それを振るう心の強さをラーナという寄りかかる樹がなければ表に出すことが出来なかったプリネにとって、頼るべきラーナが突然いなくなっての戦いはまさに試練。
冒険者として本当に一人前になれるか、そしてラーナの恋人としてただくっついていくだけじゃない、対等の存在になれるのか、という分水嶺でもありました。
これを一人で、いやプリネ一人だけでではなく、彼女の勇気を、好きな人と一緒に居たいという気持ちを応援してくれる先人が居てくれたというのは幸いであったのでしょう。いや、そうやって周りから祝福され応援される素敵な恋をしていた事もまた、彼女の徳であったのではないでしょうか。
たった一人で克服するのもいいけれど、そうやって自分と似た境遇の人に応援され支えられて、かつて自分が振り絞った勇気を思い出す、というのもまたプリネらしくてよかったんじゃないでしょうか。
さて、ダンジョン攻略も佳境に入った模様ですけれど今回は肝心の妹ちゃんパートがなかったなあ。兄とプリネのいけないシーンを目撃してしまった出歯亀妹の反応なんか気になるところだったのだけれど。

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