【魔王学園の反逆者 2 ~人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる~】 久慈 マサムネ/ kakao  角川スニーカー文庫

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人間でありながら次期魔王候補に選ばれた雄斗は『恋人』のアルカナの真の力『無限寵愛』を引き出して『世界』の魔王候補に辛くも勝利する。次の戦いに備え魔力を高めるために、リゼルや雅と肌を重ね、訓練を積む雄斗。しかし徐々にエスカレートしていって!?そんななか、校長バルバトスの思いつきで体育祭が行われることに。他の魔王候補たちとも一時休戦かと思いきや『悪魔』のアルカナ、三ツ石イビザが不穏な気配を漂わせる。彼はなぜか異様に雅に執着し、彼女から大切なものを奪い貶めようとする。次第に雅は追い詰められて!?仲間との絆を弄ぶ卑劣な『悪魔』に雄斗は戦いを挑む!王道学園魔術ファンタジー、波乱の第2弾!

眷属との愛情が鍵となる『恋人』にとって、今回の敵である『悪魔』はまさに不倶戴天。愛情を搾取し壟断する『悪魔』の能力は、『恋人』の在り方としても相容れぬどころか、存在を許してはならない敵なんですよね。
もっとも、詳しい『悪魔』の能力が明らかになるのは終盤ではあるのですけれど。でも、初っ端からこいつは見事なゲス野郎だぜ! というクソ野郎っぷりをイビザくんは見せつけてくれるので、そりゃもうこいつは盛大にぶっ飛ばすしかないよね、というカタルシスの贄である。
当然、それだけヘイトを集めてくれる敵の存在はありがたくもあるのだけれど、そういう敵を気持ちよくぶっ飛ばすには主人公サイドにも相応の痛快さを醸し出してくれるための下地が必要なのである。
その意味で雄斗は軽薄すぎず真面目すぎず、愛嬌があり可愛げがありここぞという時に熱く拳を奮ってくれる主人公なので、実に良いヒーローしている。良い主人公なのです。
しかし今回の敵役であるイビザは、見事なくらいにウェーイ系で。実際にウェーイとか言っちゃってるよ、こいつ? ただ狡猾ではあっても頭はあんまり良くないよね。彼の『悪魔』の能力は本気で強力なものであり、色々と制約はあるもののそれはちゃんと頭を使って利用すればさほど不利にはならない程度の制約だったり制限だったりするんですよね。変に欲張らずに効率的に一直線に敵を排除する方向性で動いていたら、果たしてどれだけ対抗できる人材がいたものか。校長が警戒していた、というのも冗談ではないでしょうし。
まあそういう遊びのない戦い方が出来るようなヤツなら、『悪魔』の能力みたいなのは備わらなかった気もしないでもないですけど。
だいたい、雄斗が魔王候補にあがる前から夕顔瀬家に対して色々と仕掛けていたというのですから、だらだらと弄んでいる間に肝心の雅が雄斗の眷属になっちゃったわけですしね。人間の魔王候補など眼中になく、いつでも潰せると障害とも思っていなかったのでしょうけれど。
それにしても、どうもギャルギャルしている裏で上品で楚々とした振る舞いを垣間見せていたので、実はそのお嬢様気質の方が本性でギャルの皮かぶっているんじゃないのか、という疑惑を前の巻で抱いていたのですが……そうかー、故あってギャルの皮をかぶっているわけじゃなくて、お嬢様的な振る舞いの方がしんどくて、ギャルやってたら色々と解放されちゃったタイプなのかー。
どうも、高位貴族のお嬢様として振る舞うには結構鈍くさくて適正なかったみたいだし、頭もあんまり良くないのね。
とは言え、幼少時から仕込まれた貴族としての所作はちゃんと根付いているので、ギャルやってても妙に品の良い感じは漂ってるんですよね。なので、だらしない方向のギャルではないのはだいぶ好ましいんじゃないかと。
他の魔王候補では、なぜかネイトがやたらと好感度高いんですよね。普通に裏表なく良い子なだけに、このまま仲間になってくれればいいのですけど。
そう言えば、前回で「友達」になったゲルトくん、全然今回出番なかったんですけど! もはやヒロイン入りするんじゃないか、というくらいのツンデレっぷりを見せてくれていただけに色々と「期待」してしまっていたのに、もうちょっと男友達にも出番をw
さて、今回はちらっとリゼル先輩がどうして雄斗に目をつけ、彼を『恋人』の魔王候補に祭り上げ自分はその眷属に収まったのか、その理由と思しき反応を垣間見せていましたけれど。やはり、以前に雄斗と面識があったのは間違いないようですね。ただ、雄斗はそれを覚えていない、それもどうも外的要因で。というのが要チェックのポイントでしょうか。理由もなくポッとでの偶然で魔王候補なんぞになってしまうわけもないですしねえ。そこにどんな因縁が絡んでいるのか。
その前に、もう一人の眷属れいなの話になりそうですけど。