【王女殿下はお怒りのようです 4.交錯する記憶】 八ツ橋皓/凪白みと  オーバーラップ文庫

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屋敷を襲った謎の青年と黒い霧の関連を知るため、レティシエルはジークと王立図書館へ向かう。
秘書庫を訪れ、ついに黒い霧との関係がある力の正体に近づいたかと思った矢先、レティシエルは不可解なメッセージを発見し……?
なかなか答えにたどり着けない中、レティシエルの元に、公爵家の領地内で発生した暴動の報せが届く。
その中心がニコルの故郷近くと知ったレティシエルは、原因である公爵家の圧政を終わらせ、暴動を収束させるべく領地へ赴いた。
そこに現れたのは公爵家の長男・フリード。
黒い霧を操り、民草を道具と切り捨て蔑ろにするフリードを、王女殿下が断罪する――!
ドロッセルとは何者なのか。
前巻あたりから、レティシエルは自分の器となったドロッセルという少女がどのような娘だったのかに今更ながら興味を抱き、会う人によって異なるドロッセルという少女の顔に驚かされながら、ようやく彼女が決定的に変わり壊れてしまった事件に行き当たる。
第一王女の事故死。親しき人々にとってはまさに光そのものだった王女、ドロッセルにとってもかけがえのない親友であった少女の死は、多くの人の人生を捻じ曲げてしまった。ドロッセルが直接関わった訳ではないものの、近くに居ながら大切な人を助けられなかった事は聡明で優しかった少女の心を決定的に追い込んでしまう。そんなドロッセルの姿は、幼き頃にレティシエルが経験した絶望と罪悪感に重ね合わせることのできるものだった。
図らずも、自分の実家である公爵家の領地で起こった圧政による暴動騒ぎに、現地に飛んだレティシエルはその地こそが第一王女が亡くなった場所であることを知り、ドロッセルの絶望を体験することになる。
同時に、この地がかつてレティシエルが生きていた小国の在った土地の近くであり、またレティシエルという放浪の聖女が人々を救い信仰の元となっている場所だという事実も知ることになる。
また、今回の暴動の裏側には長兄フリードの愚かな暴走という側面が強いものの、その裏には暗躍する影があり、第三王子が密かに内定を進めていた怪しい集団も活動していた、という様々な要素が固まっていることが明らかになる。
今の所、ようやく見えてきた様々な事実はそれぞれが別々の話として独立していて、バラバラに色んな秘密やら真相やらが降って湧いてきて、まとまりのないまま散りばめられているような状態でちょっと混乱もしているのだけれど、それぞれが全く関係ない事かというとどうにもそうは見えないんですよね。
ナニカ一つきっかけがあれば、全部が一気に連鎖的に繋がっていき、全体像が幕が落ちるようにして見えてきそうな予感もあるんですよね。ドロッセルの中の人であるレティシエルに気づいている人物、どうやらレティシエルが生きていた時代に関係ありそうな人物も暗躍して、レティシエルに執着している様子も見えるだけに、もうちょっとで色々と見えてきそうなので次回がなかなか楽しみになってきた。

しかし、今まではドロッセルとレティシエルは全くの別人、精神が死ぬか心を封じてしまったか、いずれにしても眠ってしまったか消えてしまったドロッセルの代わりに、過去に死んだレティシエルの意識だか魂が空っぽになったドロッセルの肉体を器として目を覚ました、みたいに捉えていたのですが……。
第一王女の事故死を思い出した途端にドロッセルの記憶をも目覚ましたレティシエルは、どうにもドロッセルと別人には思えなかったんですよね。或いは、シンプルに死んだレティシエルが転生したのがドロッセルであって、一時的にドロッセルの記憶が喪失した上に前世の記憶と人格だけが浮かび上がっただけで、元々同一人物だった、という可能性も出てきたという事なのでしょうか。
このまま行くと、ドロッセルとレティシエルが混ざりあったような状態になりそうだし。明らかになってきたドロッセルという少女は、思いの外レティシエルと似ていなくもない共通点の多い人物でしたし。元々同一人物だったのなら、レティシエルが好き勝手行動してもあまり怪しまれなかったのわからなくはないんですよね。
でもそうなると、第三王子のエーデルハルトがホントのお相手、という事になっていくんだろうか。前世の旦那が今現在どうなっているのか、という疑問もあるし、そっちも気になる様相になってきた。