【友達の妹が俺にだけウザい 2】 三河ごーすと/トマリ GA文庫

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青春など人生の無駄。そう切り捨て効率的な日常を送りたい俺・大星明照は、無駄の塊のような陽キャ女、友達の妹・小日向彩羽にあの手この手でウザ絡みされる日常を送っていた。だがそんなウザくも平穏な日々は、俺の従姉妹にしてニセの彼女・月ノ森真白によって破られる。真白が起こした波紋に揺れる俺達。そこに、さらに新たな危機が訪れた。同盟の要・巻貝なまこ先生がまさかの大スランプ。しかも彩羽と真白の様子もおかしい。さらには何故か菫が〆切を守り始め…!?大反響で重版続々のいちゃウザ青春ラブコメ、大波乱の第2巻!

ウザくなくなったらなくなったでウザくないのがウザイって、どうあってもウザいのな! そんなにウザいの好きか!
いやもうこれ、見事にサークルクラッシュに向けて順調に破綻していってませんかね? 起こっているトラブルの大半が、サークル内の恋愛問題に端を発しているわけですし。ややこしいのは、その問題の要の一つである真白が、巻貝なまこだと誰も知らない所か。
でも、真白のスランプも彩羽のスランプも明照への恋愛感情が募った結果として今までの調子が変調してしまったわけですから、人間関係が元のトラブルって事になるんですよね。
肝心の明照は、一応ちゃんとプライベートは線引して【五階同盟】のプロデュースを優先しようとしているのは悪いことじゃない、どころか【五階同盟】のリーダーとしてちゃんとしているとは思うんですけどね。なまこ先生のスランプなんか、正体知らなかったら原因もわからんだろうしどうしようもないっちゃないのですから。
ただ、これだけプライベートが仕事に影響を及ぼしてしまうとなると、【五階同盟】のプロ化を目指している明照としてはちょっと大変なんじゃないか、と心配になってしまいます。幾ら有能敏腕プロデューサーとはいえ、明照もまだ高校生。自分が当事者である人間関係を彼が一手に調整できるかというとちょっと負担が大きすぎるんじゃないだろうか。メンバーのメンタルカウンセリングまで面倒見なきゃいけないとか。彩羽の兄の乙馬は頼りになると明照は思ってるみたいだけど、彼は彼で妹のこと明照に丸投げして任せっきり。ちと全体的に他人事というか当事者意識あまりなさそうなコメントが多い気がしますし、唯一の大人の菫はスケジュール管理から何から全部明照に頼りっきりどころか、余計な問題まで持ち込んでくるし。
いやこれ、一人に負担かけすぎじゃなかろうか。なまじ、それを大概こなしてしまう明照の万能性が原因なんだろうけど。
明照が、クリエイターたちが自分の力を十全振るえる環境を用意するために奔走しているのに対して、果たして当のクリエイターたちは果たしてどこまで明照の本気に対して、本気になれているだろうか。
彩羽は自分の不安定な気持ちにとりあえずとは言えケリをつけ、徹底して現状を維持する事に務めた上で、自分の正体を身内に明かして本気で演技に向き合う覚悟を見せたけど……。
いやでも、最後の演劇部の代役は、彩羽の分はともかくとして明照まではちょっとやりすぎだったんじゃないだろうか。これもう乗っ取りじゃないですか。彩羽の本音を真白が目の当たりにする、という意味では必要だとなったのかもしれませんけど、それまでの特訓とか意味なくなっちゃうし、これ演劇部の成果になるんだろうか。
翠まで出られなくするのは、ほんとにやりすぎだったように思う。

しかし、彩羽と乙馬の母親のポディションは予想外だった。これ、単に説得して終わり、じゃ済まないじゃないですか。そこまで子どもたちの進路を縛る権利は親には無いわけで、最悪家出てしまえばいいじゃない、という感覚だったのだけれど、これだと家と縁切って活動しようとしても徹底して潰され兼ねないわけで。いっそ、日本捨てて海外出てしまうだけのモノがあればいいんでしょうけど、さすがになあ……。