【皇女殿下の召喚士 1】 長野 文三郎/はるの いぶき ヒーロー文庫

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十五歳を迎えた子供たちは、女神様から「ギフト」と呼ばれる特別な能力を与えられる。ラゴウ村に住む少年レオが手に入れたのは「異界からの召喚」というギフトだった。周囲が期待に沸き立つ中、さっそく能力を使ってみると、出てきたのは小さな洗濯バサミ一つ。その結果、人々は期待外れだとレオを蔑むようになった。しかし実は、召喚は一日一度、様々なものが呼び出せる能力だと判明する。レオは召喚した異世界産のアイテムを駆使して、徐々に強くなっていく。ある日、いつものように能力を試していると、一人の少女が召喚された。オートマタのアリスと名乗った少女と行動することになったレオは、二人でダンジョンに潜り、アイテムを使って特訓を続けていく。やがて帝国の皇女と出会い、世界へと羽ばたいていく少年の冒険譚が幕を開く!
DVD! DVD! 
村のみんなが期待はずれのギフトのせいで離れていってしまう中で、態度を変える事無く慰め励ましてくれて今まで通り、いや今まで以上に親密に接してくれるようになった三人の友人たち。こうなって初めて「本当の友達」が出来た、主人公のレオもそのありがたさを噛みしめるのだけれど、ほんとにいい奴らなんですよね。実は洗濯バサミ以外のものも召喚できる事を彼らを信用して打ち明けるのですけれど、やっぱり態度を変える事無く良かったなあ、と喜んでくれる。レオが一人暮らしというのもあって、レオの家を溜まり場にしてワイワイと管を巻くこの友人たちとのひとときが前半の癒やしでありました。そんでもって、召喚されるはまさに友情のアイテム! DVD再生用ポータブルプレイヤー(イメージDVD付き)!
エロDVDの鑑賞会で盛り上がりまくるのって、もうザ・アホな男友達! という感じでほっこりしてしまった。中盤で村から出て王都で暮らすことになるのですけれど、各種有用なアイテムなんかと共にちゃんとDVDプレイヤーも彼らに託していくのホント好きです。召喚で新しいDVDが出たら速攻で持って帰郷するつもりなのも大好きですw
さて、レオの能力ですけれどこれ召喚士というよりも一日一回ランダムで異世界からアイテムを召喚できる、言わばガチャなんですね。ただ、引き寄せてるの現代地球のもの、と見せかけて電化製品系のものなんかも魔力で動いていたり、多脚戦車なども魔力が燃料だったりするので地球に似た別の世界か、召喚の際に現地用にカスタマイズされる仕様なのか。いずれにしても召喚はしたものの、電源がなくて使えないというケースはないので便利極まる。もちろん、ポータブルDVDプレイヤーも魔力充電で見放題。
そんな召喚物の中で、アリスなるオートマタを引き当てたのが運の尽きか、転換点か。この自称メイドなオートマタのアリスがまたメチャクチャいいキャラしてるんですよ。
イイ性格している、というべきか。
この作品そのものの狂言回しという立ち居振る舞いで、レオを弄くりおちょくり慇懃無礼に引っ掻き回してくれるのです。各種ツッコミも常設装備。色んな意味で危険なネタにも躊躇なく踏み込んで、地雷原でタップダンスを踊りまくる強キャラっぷりで、物語そのものをワッショイワッショイと盛り上げて加速させていってくれるのである。
実際、アリスが登場してから一気に物語のテンションそのものがあがりましたからね。レオくんもいい意味でぽややんとした子なので、アリスのかなりパワフルな弄り倒しにも目を回しながらもニコニコと鷹揚に持ち上げられて放り投げられているので、テンションは上がりつつ和やかに進行するのである。もうひとりのメインヒロインの皇女殿下のフェリシア様も、わりとレオと似たタイプのぽや病んと温厚なタイプなので、アリスがもうやりたい放題で二人を引っ張り回すのである。実に楽しそうでよろしいかと。
これでアリスってば自他共認めるチョロインでもあるので、隙あらばわたしチョロいですアピールに余韻がなく、引っ掻き回すかチョロいアピールかで実に忙しい娘さんである。
まあチョロさに賭けては、現れた途端にツンデレかまして秒で堕ちたレベッカが、アリスも喝采するほどのチョロインだったので、かぶる部分は欠かさずアピールしていく所存なのかもしれない。
まあレオくんもわりとアリスには積極的にスマッシュショットを頻繁に叩き込んでいるので、否応なくデレてしまうのかもしれませんが。
なにはともあれ、話のテンポもよくキャラもいい感じに弾けていて、実に楽しい作品でした。