【サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム】 アサウラ/赤井てら LINE文庫エッジ

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こんなに楽しい遊びははじめてだ!!それが“サバイバルゲーム”

これといった趣味もなく、日々をなんとなく過ごしていた青年・貞夫と、その友人シノ。
二人の青年がある日偶然立ち入ってしまったお店……エアガンショップ『大野公房』。
彼らを出迎える姉妹の店員、舞白菜花と璃良。彼女達に心惹かれるも、それ以上に店内に所狭しと並ぶ銃器の数々が、貞夫とシノの童心を強く強く刺激するのだった。
「んじゃあさ、そんなに撃ちまくりたいっていうんなら……いっそ明日、サバゲに行ってみたら?」
そんな何気ない璃良の提案により、なし崩し的に一緒に初のサバイバルゲームへの参加することに!?
菜花のレクチャーにより装備を準備し、レンタカーを借り……そしてついに貞夫達は舞白姉妹と共に千葉のサバイバルゲームフィールドへ。
その後、彼は知ることとなる――、そんな様に旅の計画を立て、フィールドを子供のように走り周り、空腹というスパイスが効いたカレーを食べる。そんな時間全てが宝物となる、それが“サバイバルゲーム”だということに!
サバゲー初心者もこれを読めばすぐにサバゲーがはじめられる――。
趣味を楽しむ全てが詰まった、本格サバイバルゲーム小説『サバゲにGO! 』ここに爆誕――!!
おーー、サバゲーってこんななのかー!
サバイバルゲームについては殆ど知識がなく、弾が自分に当たったら自己申告で退場というルールにも、サバゲーって結構生地が分厚そうな野戦服とか着てるプレイヤーをよく見るじゃないですか。BB弾が自分に当たったのってちゃんと自分で認識できるのかなー、と。当たっても気づかないんじゃ、と思っていたのですが、そうかー。
サバゲーで使うようなエアガンって、威力そんなに強いのかー!
服越しでも当たると普通に痛いのだという。ってか、歯が折れちゃう事故もあるってそんな強力なの!? 全然、BB弾のイメージと違ったし。そうか、それであんなゴツいマスクみんなしてるのか。単なるファッションだけじゃなかったんですね。ゴーグルとかだと吹っ飛ぶ場合もあるって。
子供が公園や空き地でバンバン打ち合うオモチャのイメージ(昭和)とはまったく異なる、強力無比な銃弾の応酬というのが、安全にプレイするための丁寧な説明で逆に浮き上がってきて、大人が本気になって走り回って、感情を迸らせて思わず絶叫してしまう、そんな銃撃戦の手応えを伝えてくれるのである。
銃を握った時の重みと感触。引き金を引く時の感触。BB弾がコチラからもあちらからも想像以上の威力で飛び交う中を時に這いつくばり、時に掻い潜り、時に壁や木に隠れてやり過ごし、銃を構えながら敵のいる方に飛び込んでいく緊迫した高揚感。なにより、楽しさがうーん、素晴らしい。

全くのサバゲー初心者、どころかエアガンも持った事もない初心者である主人公が、エアガンと出会いその魅力に見せられて、その挙げ句に手にした銃を撃ちまくれるゲームへとハマっていく、まさに「沼」に落ちていくまでの心の移ろいその一部始終を描いた物語。
流石はアサウラさんというべきか。この作家さんの特徴は読めば腹減りヨダレが垂れてくる凄まじいレベルの料理描写なんだけれど、あれも実際に食べていないのに思わず匂いも漂ってきて味まで感じてしまいそうな迫真の描写力、脳髄へと直接ダイレクトアタックしてきて感覚を刺激しまくる表現力によるものなんですよね。
それを同じベクトルで、まったく未知たるサバゲーの魅力を伝えるのに駆使されているのである。丁寧で詳細でわかりやすい説明は、まるで自分が本当に銃を手にとって、試し打ちしているような気分にさせられますし、主人公が実際にサバイバルゲームが行われる現場で集まってきている人たちを見渡すシーンなんか、その始まる前のワクワク感を直接体感しているような感覚にさせられる。
サバゲーが実際はじまってしまったら、もうそれどころじゃなく、緊迫感と高揚感がないまぜになって読んでいるこっちまでテンションが引っ張り上げられていく。
ああ、面白そうという他人事で置いておいて貰えない。これも一つの臨場感というやつなんでしょうか。

あれよあれよ、と営業上手なエアガン店の店員姉妹舞白菜花と璃良に沼へと引きずり込まれていく貞夫とシノ。働いているとはいえまだ20前後の若者である彼らにとって、エアガンやサバゲーという遊びは決して安いものではない、というのは値段を突きつけられるたびに直面する現実であり、二の足を踏む大きな要因なのですけれど、それを呑み込んでなお欲しくなってしまう魅力を、彼女たちはこれでもかと浴びせてくるのだ。
いや、実際結構高いよね。ただ、大人の趣味としてはそれなりではあってもメチャクチャ高く付く、というほどでもないんじゃなかろうか。備品やメンテやサバゲーに参加するとなるとあれこれ消耗品含めて諸費用かかりますけれど、毎月1銃買わなきゃいけないという義務もないですし、他の諸々の趣味と比べても飛び抜けているというほどではない気がします。
それでも、まだ若い彼らにはそこそこ重いよなあ。でも、これほど心の底から楽しめて、心の底から絶叫できて、頭が真っ白になるほど遊び尽くせるのなら、まさにお金の使い所じゃないですか。
何の役に立つ!? まさに「楽しかった!」と笑えるために役に立つじゃあないですか。
でも、編集さんと挿絵の赤井さんまで沼に引きずり込んで、特に赤井てらさんはこの仕事から得られるであろう収入よりも盛大にハマらせてしまったのはどうなのかとw
ヒロイン姉妹二人も、まあ沼の住人という感じのハマりきった方々で。でも自分の趣味を仕事にバイトにできてるんだからこれも毎日楽しいだろうなあ。
菜花のあの控え目で恥ずかしがり屋に見えて、自分の欲望は素直に口にしちゃうキャラはけっこう好き。カレーをあれだけ美味しそうに食べられるヒロインに悪い子はいませんw

アサウラ作品感想